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水曜日の神さま

エッセイ。
3部構成で話は旅関係が多めです。1部は「旅と読書」とか「旅とごはん」とか「貧乏旅行」とかで、2部は硬めで長めの旅行記。3部は本の話や日常の話やタバコとか割りとごった煮風。

恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。 (角川文庫)

エッセイ。
今日何のごはん食べたー?とか放浪体験ありますか?とか気さくな感じの。
ひとつのはなしが短いので軽いのが読みたいときによい。
単行本のときはすごく分厚くてサイコロみたいな本だったのにずいぶん薄くなったものだ……とおもうなど。
おいしいもの大臣になりたい。夜はもう半分なっているのでランチ対応したい。

しあわせのねだん (新潮文庫)

2回目。軽いエッセイが読みたいときに備えた。
お買い物エッセイというかお金を使うことに関するエッセイ。昼ご飯代とかかばんとか理想の財布の中身とか。

同い年の友人に、何か買う予定のもとくべつないふつうのとき、財布もお金をいくら入れるのが常識か、訊いてみた。彼は、年齢を四捨五入した数×1000と明快な答えを返した。27歳なら四捨五入して1000をかけて30000円。21歳なら20000円。

(P68)

むりだーーー!とおもった。多い時で1万ぐらいだな。
ちょっと多めに入れてると本屋に落としてくるからな。たまに小銭しかなくて焦る。

そうして三十代も後半に近づいた今、思うのは二十代のときに使ったお金がその人の一部を作るのではないか、ということである。(略)二十代すべて、私と正反対に、装飾系にお金を使った人がいるとすると、その人は確実に装飾選びがうまいはずである。(略)装飾や映画や美食に比べて、安居酒屋で飲むという行為は、まったく無為である。センスがよくなるわけでも舌が肥えるわけでもない。でもこの無為な時間が、今の私を助けたりもする。そのことをときどき実感する。

(P175)

私本にばっかばっか使ってるけどいつか助けられる日が来るんだろうか。なんかの足しになる日がくればいい……

さがしもの (新潮文庫 (か-38-4))

単行本のときは「この本が、世界に存在するということに」でしたがそれが改題されて文庫落ちしたものです。本がテーマになってる短編集。読むのはこれが3回目ぐらい? 「彼と私の本棚」と「ミツザワ書店」が好きだー。

子どものころのぼくにとって、ミツザワ書店は世界図書館みたいなものだった。世界じゅうのありとあらゆる本がここにはあるんだと信じていた。本という本はそもそも分類や整理がされておらず、育児辞典とベストセラーと海外名作全集と古典文学とがごっちゃになって積み上げられ、その隙間にビニールに入ったエロ本があったりした。

(P147)

いつも旅のなか

海外旅行エッセイ。kmpみたいなのじゃなくて字でびっしり系です。
これ文庫落ちしてるらしいから大量買い期過ぎたら買っとこうかな……
読んでたらとても旅立ちたくなった。いやあと半月もしたら9月に旅立つんだけど。(国内だけど

だいたい旅するときはひとりなのだが、これは、人と旅なんかできねえ、という積極的選択ではなくて、だってだれもいっしょにいってくれないんだもん、という消極的理由である。

(P192)

私も一人旅は結構する(というかほとんど。現地合流はするけど)のですが半分はこれです。文楽とか寺めぐり(主に建築萌え的に)とか「こんなん誘っても誰も来てくれんだろう……」という消極的理由である。
私限定一人旅のデメリットは「疲れてはじめていることに気づかない」ことである。私は疲れてくると明らかに無口になるので……(一人旅でべらべら喋ってたらこえーよ……

その日の夜にはみんな通常の状態に戻り、あのときの青年の言葉「帰ってこられなくなる」を改めて深く理解したわけだが、しかし、本当にコワイこととは、狂うことではなく狂っていることに気づかないことだとしみじみと知った。

(P108)

何も持たず存在するということ

エッセイ。
新聞とかあっちこっちから収録されている。最古のものは5年前。
直木賞受賞の言葉とかも載っている。

食べたことのないものを口にして、おいしい、とびっくりするときと、うへえ、慣れなさ故に顔をしかめるときとある。本も全くおんなじで、思えば二十代の私は、なんでも口に入れ、合うものと合わないものを捜していたような気がする。それはつまり自分自身を知ることでもあった。みんながおいしいと口をそろえるものでも、私にはおいしくないことがある。誰も好んでは食べないゲテの域のものでも、食べずにはいられないものがある。ひどく個人的その嗜好を知っていくことは、自分自身と出会うことと同義なのだ。

(P157)

酔って言いたい夜もある

対談集。居酒屋で飲みながら同年代の女性の作家とかエッセイストとか写真家の人とキャッキャウフフ言いながら喋り倒してみた

——『空中庭園』は仕上がったのを見ていかがでした?
角田 うん、面白かった。男のひとはこういうふうに解釈するんだなって。女の人の書く世界ってすごく厳しいでしょ? 容赦ない。男の人が描くと優しくて、最後には救いがある。
魚喃 あとさ、女が女のことを描くとダイレクトに描いちゃうけど、男のひとがそれを撮るとなんか神様とかが遠くから見守ってるような視点になりますよね。

(P52)

角田:男の物書きは、どんっなに変人でもどんっなに自分の趣味と違うものを書いていても、どんなに売れてなくてもモテる。誰でもモテる。自称作家でもモテる。ただ女は、どんっなに売れてても、いいもの書いててもモテない。モテる人は作家だからじゃなくて、それ以前にモテてる人。それは真理です。男だけですよ、作家だからモテるという現象は。

(P118)

恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。 (ブルームブックス)

WEB上で連載してたエッセイらしい。
凄く分厚いので(ひとつの話は5ページ前後なのだけど月2回連載の3年分なのだ)ちまちま読んでいた。

でっかい本棚の写真があって、ここにどんな本が入っていくのだろうかとときめいた。

そうそう、「この人は絶対おすすめ」「絶対いい人」「絶対かっこいい」と、信頼のおける友達に紹介されたとしても、その人と恋に落ちるかどうかは、また別の話なのである(P171)

「人」を「本」に置き換えたりしていた。

農耕民族と狩猟民族の話が面白かった。私の周りにいるのは半々。若干農耕民族が多い。

しあわせのねだん

(今日買ったもの)/xx円みたいなタイトルで始まるエッセイである。
ちょっとぺらぺらっと読みたいときに。
バレンタインのチョコ売り場が凄いという話があったがホワイトデー付近のデパ地下も凄い。
おそらく普段は踏み入れないであろうお菓子ゾーンに溢れるおじさま方。
ゴディバモロゾフゴンチャロフ大人気である。バレンタインとはまた違った熱気がある。

三面記事小説

救いがない……とてもダークな話。実際にあった事件を発端として書いたフィクション。
短編が6つあり、扉に元ネタとなった新聞記事が載っている。記事は90度反時計回りに回転しているけど、見出しとかはかなり目に入りやすいのでこれがどんな話でどんなことが起こるかは扉で分かってしまう。

ひたすら転落していくばかりの人生の話が多く性的な描写も多かった。若い男の子を家に連れ込んで以下略とか。読み終わった後は体中がずーんと重たかった。読みつかれた。

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