タグ「 神尾アルミ 」の記事

4件の投稿

黒銀のオラトリオ 口づけは宵闇に捧ぐ (一迅社文庫アイリス)

これが出たっていうことはアルトレオの空賊姫の続きはっていうかはい。
これは1冊でまとまっているので終わっても泣かない。

主従です! 眼帯の執事です! ラフレンツェです。
最後だけSH以外にはやさしくありませんが、要するに「この世界を異形から守る最後の扉の番人」です。
王都では忌み嫌われる黒髪を持つオルウェンが扉 オルウェンとともに暮らす執事クラウスが鍵。
2人で完結している世界で、2人を繋いでいるのはひとつの誓い。
本屋での出会いが2人の関係を揺るがしていく、という。
読みながら思ったのは迷走プラネットのルカルタとノモロをハイパーシリアスにしたらこんな感じになったのではないかなあということでした。クラウスが割とこうやってることはヒロインだなーとデレたーーーー! でした。
あなたにそこにいてほしい という物語でした。

アルトレオの空賊姫 暁天の少女と世界の鍵 (一迅社文庫アイリス)

飛空挺 空賊 対する空軍 記憶喪失の少女。この世界では魔法と科学が交わりすべての魔法科学はヴォーパルを源にしてできている。この世界の飛空艇はその魔法科学の産物で、ヴォーパルは人の精神を喰らい魔力へ変え原動力として飛ぶ。
ヴォーパル探しに来ていたアルトレオ空賊団のお頭ヤウェトは脱出ポットのなかで眠る少女を発見する。イスカは名前と生き別れた弟以外の記憶を持っていなかった。イスカはそのままアルトレオ空賊団と行動を共にする。

迷走プラネットとかローデンシュアと比べると、イスカは本能のままに突っ走ったりしない。おとなしくても芯の強い、でも不思議な力に押し流されようとする不安もある。新しい引き出しを垣間見た。結構容赦ないPRGっぽい世界で、これが出るってアイリスすげーな! と思う次第。もっとやれ!

ちなみにわたしはヤウェトが好きです! 分かりやすいですね!

「じゃあ僕は……君が、君じゃなくなった時は、名前を呼ぶよ。イスカ」
考えるより先に、口がそう告げていた。
「君が戻ってくるまで、何度でも」

(P130)

ローデンシュアの魔女?ハロウィンの夜に魔法のキスを (一迅社文庫アイリス)

デビュー作以来久しぶりのオリジナル作品。待ってたよ!

ローデンシュア6番地にある屋敷を15歳の魔女リジィが相続して引っ越してきた。
この屋敷には先住人がいた。魔力に囚われて屋敷から出られない幽霊が6人、大量の魔導具。
幽霊屋敷と呼ばれるヴィットリーニ家での奇妙な同居生活が始まる。

昔NHK教育で18:30からやってた海外のドラマ1っぽい匂いがした。ウルキエルはいつになったら出てくるんだろうと思ってた。後「ええ、この上にまだ学校へ行ったりするのかい!?」って思った2。あのプディング作りすぎたからうちに来ない? のシーンとかが私の中では海外ドラマっぽい感じなのだ……

仄明るい月光に、フレッドの体は白く透けていた。ゆらりと、まるで蜃気楼のように。
リジィの指先の、絆創膏のわずかな面積。彼が触れられる、わずかな部分。その上をさらりと撫でていく彼の指は、あまりに頼りない。瞬きをしている間に消えてしまいそうなほど。
なんとなく離れていくその指をつかみたいと思った。つかんで、まだここに「在る」ということをたしかめたい。

(P150)
  1. フルハウスとかアルフとかドギーハウザーとかやってた枠。翻訳ものの小説を読まず洋画もほとんど見なかった私が10代前半で触れていたほぼ唯一のもの。 []
  2. お屋敷の中だけで話が展開するものと思った []

迷走×プラネット (一迅社文庫アイリス (か-02-01))
一迅社アイリスの新人さん。結構好きー。

しかし帯とあらすじに惹かれて買う人は注意が必要です。あんまり内容とあってないからです。
地球救出コメディとなってますが、救出する必要があるほど危機に陥ったりはしません(「食卓にビールを」のほうがよっぽど危機度は高いです。あと恋愛色は薄いです。

半ば過ぎるぐらいまでは「こいつら宇宙人」ということを忘れて「日本語は喋れるけど日本文化には馴染みのない2人(主にルカルタ)が、異文化コミュニケーションを楽しんだり学校に行ってはじめての友達を作ってキャッキャウフフと友情を育んだり普通に青春物」として読んでしまっておりました。

「1巻でも終われるし続編もありえる」みたいな感じで終わってるので次に期待してみる。

147pの挿絵はぐっときました。ぐっときました。

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