タグ「 石田リンネ 」の記事

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おこぼれ姫と円卓の騎士 恋にまつわる四行詩 (ビーズログ文庫)

サブタイトル的に短編集かと思ったら「薄めの本編」といっても通るぐらいの長さの中編と掌編が3つ、ちなみに中編はウィラードとアイリーチェの出会いの番外編で、おこぼれ姫シリーズ最大に甘い話です。あっそういえばこれ少女小説レーベルから出てるやつやったわ! って思った。
でもウィラードがメインということもあって、「おまわりさんこいつです!!!」レベルもハンパないです。
あと騎士学校の話でアイリーチェが元旅芸座の踊り子ということもあって、ダンス成分が多い話です。ドレスもあり、剣舞もあり、おいしいです。
あとの掌編がアストリッドのワルツとかレティとデュークの(一方的な)出会いの話とかノーザルツの話。おもしろかったです。

おこぼれ姫と円卓の騎士 提督の商談 (ビーズログ文庫)

今回えっれええおもしろかったなあ。

未来の夫候補を探すことに決めたレティーツィアはナバニア王国勇敢なる大艦隊総司令に着任した第6王子のソレスで、彼に会うために騎士たちと乗り込んだ商船で王子との劇的な出会いが待ち受けていた。

途中からソレスがCV音也になったから大変だった。でも太陽に照らされて輝く海のように、口を開けた暗闇のように孤独を抱えた青年で艦隊からの人望も厚い自由奔放で距離が近い青年とあって途中から「〜かも」とかいいだしたからよくなかった。

ここまできたらねといわれて本当に海に飛び込むとか勘違いしてもいいのかなとか本当にロマンス展開だなあと思いました。よいバランスだった。

今回は弁護士のように口がたつレティというのが序盤からあったけどまさかそこから弁護士のまねごとをして裁判をひっくり返すところまでいくとは思わず。でも身分がばれたと思ったら「ノーザルツ公国はすごいなあ! 私も行ってみたいと思っているんですよ!」といわれて本気で悔しがっているレティがとても楽しかった。

おこぼれ姫と円卓の騎士 伯爵の切札 (ビーズログ文庫)

6人目の騎士候補。

グイードの侵略シミュレーションは絵描きが生き抜きに落書きするようなものなのかそれともガチなのか。
人身売買組織解明作戦のため自ら売買にかけられることになった王立騎士のアイリーチェ、万が一に備えて彼女を落札してほしいそのためなら自分がレティの騎士となりこの身を捧げても構わないと同時期に進言した2人の伯爵(未亡人とロリコン)。
企みと計画と根回しと。ちゃんと為政者として動いているレティはよいですね。

とても孤独で、寂しい。でも誇り高い。それが王なのだ。

(P168)

おこぼれ姫と円卓の騎士 皇子の決意 (ビーズログ文庫)

おこぼれ姫5巻。
ソルヴュールのはるか東の大陸の国よりシェランという姫が供を連れて来訪した。東西の情報が更新されるのは海が穏やかな年1回のみ、東の王族にシェランがいるのは知らず、ソルヴュールの次期王位継承者が兄2名のどちらでもなくレティであるということはお互いに知らないことだった。

思えば優秀な兄が二人もいて、しかし王になるのはレティーツィアであると生まれてきたときには決まっているということは「レティーツィアでなくてはいけない理由」が発生するのだった。そこはご都合主義でもたなぼたでもなく、兄ふたりを押しのける才覚があるか王位継承者がレティのみになるかの二択。
はじめから王になりたかったわけではなく、お姫様でいたかった時期もあったと、そういう話である。
運命に大事な人を殺されてしまう前にわたくしはなんとしてでも優秀な王にならなくてはいけないというのは子どもに課すのは困難な道のりであるなあ。

おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択 (ビーズログ文庫)

2ヶ月連続刊行の前巻からの引き。
ルートガーが持ってる狂気がいいなあ。レティーツィアの伏線構成力1がすごい。将棋とかチェスとかで言うと何手先まで読んでるんだ? こいつ末恐ろしい! みたいな。
ちゃんと王様してて資質持っててでも完璧ではなくてあきらめないこと。
カールハインツがちゃんと年長者だった。祖先ではないけど過去の人なのにずっと未来のことも見通しているみたいな感じ。マジ長老。

「天然もしくは鈍感でのらくらかわしていく」ヒロイン力を持っているのがデュークというのが。
まあレティがばっさり切ってる分バランスだよなあ……。

  1. 物語上の伏線ではなく王としての資質の問題。 []

おこぼれ姫と円卓の騎士 将軍の憂鬱 (ビーズログ文庫)

次期女王としての初の外交にでかけることになった。従姉の結婚式だし面倒なことは何もないだろうと思ったらそんなことは決してなかったという話。
レティはいわゆるお姫様ではなくて理性的な主君してて、でも万能ではなくてこれからの伸びしろがあるあたりが大変魅力的だと思います。

あとナイスミドル! 中年層! あとは好みの問題だろう!
あの「一緒に、落ちてくれる?」はやばい。脳内での絵面がとてもきれいだ。
お姫様と従者ごっこは衝撃的だった。愛人王の第1歩だった。失恋王なのにあの引きはずるい。

おこぼれ姫と円卓の騎士 女王の条件 (ビーズログ文庫)

優秀な兄2名が争いこのままでは内乱は回避できないとして父王はレティーツィアを次期女王に決めた。
人は彼女のことを「おこぼれ姫」と呼んだが当人は自分が王になることはずっと前から知っていた。
新人デビュー作のシリーズ化2作目。

実によい兄弟の話巻でした。
名誉騎士で行う勝ち抜き戦でレティの座席付近に血で描かれた呪いの魔法陣と鳥の死骸が発見された。
続く呪いと自分への挑戦かと怒れるレティ。やがて浮かび上がる犯人像。

若干殺伐としている気配はありますが、いいじゃないか! いいじゃないか!
次期女王として毅然とした姿で侯爵家を押さえ込む方法を模索しているレティはかっけーです。

おこぼれ姫と円卓の騎士 (ビーズログ文庫)

ビーズログの新人さん。結構面白かった。
でもこれはネタバレラインをどこで引くかが難しい。じわじわ語られている系なので、まあ適当に暈しつつ書く。

ソルヴェール国の第3子で第1王女レティーツィア、王位継承権はかなり上位に位置していたが、子供の頃に母の死を機に実弟レオンハルトを連れ離宮へ映る。同時期に優秀な異母兄2名が台頭した。それぞれ騎士団を従えどちらが王になっても内乱は必至だといわれ、レティーツィアは静かに暮らす一方だった。
父王は内乱回避のため次期王としてレティーツィアを指名し、人々は舞い込んできた王位をさして彼女のことを「おこぼれ姫」と呼んだ。しかしレティーツィアは自分が女王になることを知っていた。それこそ子供の頃から。

女王になるには騎士団が必要だ。少なくとも国王即位式には王とともに12名が並び立つ必要がある。
でも有能な人材は兄2人が持っている。残り物ではこれが一番とデュークに声をかけた。「貴方をわたくしの騎士に任命します。『ナイツオブラウンド』の第1席をありがたく承って頭を下げなさい」と。断られてもまた勧誘する。自分を売り込む。未来の主君だという。
分かりやすく「女王様」キャラですが、周りの面倒はしっかり見るタイプでそのため「中立派」という名前のレティ派はとても多い。最近の高飛車・傲慢・強かなキャラというと幽霊伯爵の花嫁のサアラが該当しそうなものですがあっちとはまた方向が違います。

恋愛は特にありませんが主従はあります。兄妹の会話はあります。悩める未来の女王と寄り添う騎士は燃えます。陽気だけど一皮剥いたらワァっていう感じのかわいい男子がいます。

ということでここからは一応ネタバレといういことで。

「王たちの会議の間」ってあれ時間軸的にはどうなってるんだろうなあ。そこで見聞きしたことを持ち越せるのなら過去の改変とかできたりしないんだろうか。後世に呼ばれるレティ女王の名前わろた。あれはひどい。

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