倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)

カテゴリ的には児童書。12歳以上推奨らしい。今の12歳こんなの読むの?(賢いなあ)とか思った。
戦時中の女子校でミッションスクールの話。初皆川博子。

皆川:もう1本『倒立する塔の殺人』というタイトルだけはあるんですが中身はない(笑)。桜庭さんは?
桜庭:春ごろにカトリック系の女学院を舞台にした本を予定しています。閉鎖空間としての学園を演劇っぽくつくって、鎌倉の大仏ぐらい大きい不気味なマリア像があって、そこに読書クラブっていう狂ったように本を読む少女がいて。
皆川:あ、かぶった! 『倒立する塔の殺人』の舞台がミッションスクールなのよ。ノートにね、小説を何人かで回し書きしていくっていうスタイル。

野性時代2007 2月号 桜庭一樹with皆川博子魂の姉妹対談

これを読んでいつか読もうと思ってたのだ。
悪意! 毒! 親愛!
戦時中でも女子校は女子校だ……
異分子のイブちゃんとかヌーっとしてボーっとしてるからヌーボーとか直球なあだ名がそこここにあった。
青年のための読書クラブとかリリィの籠が好きな人はいいかも。と思った。

Wuthering Heights? エミリー・ブロンテ……嵐が丘?とか(←嵐が丘の原題は初めて知った
カラマーゾフと白痴が出るたびにコチと裏庭の方だ……と。

徹底的に尽くすか。ひたすら見つめ続けるか。死に至るまで苦痛を与えるか。死なせてはならない。死んだらすべてが終わる。我が恋もまた。いずれにせよ、根本にあるのは、支配と被支配の関係である。尽くすのもまた、支配のひとつの形なのだ。

(P89)