花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫)

卵王子のあたりの冴木忍を思いだした。多分これは1冊完結。面白かったです。
オクトス国王エルンストの葬儀のため一族総出で地下に潜っていた。そこを隣国エッセウーナに狙われ、王女エパティークを残しオクトスの血は絶えた。
エパティークが生かされたのは捕虜でも政略結婚でもなく、願いを叶えてくれるという「オクトスの銀竜」伝説の生贄にするためだ。
エッセウーナの第二王子テオバルトは兄ラダーの命を受けて、エパティークとともに旅に出る。
物語はエパティーク(テオバルトにアマポーラと名づけられる)とテオバルトの2つの視点で進んでいく。
エパティークは自分の境遇を呪いながら「今まで何もしてこなかった罪」を思い知らされる。
テオバルトはこの任務が終われば妹を守るため一緒に城を出て暮らすことを決め淡々と任務をこなす。

「私の名はアマポーラ」の後からは地の文もアマポーラになってる……と思ったり。
ラストは何か意外だった。あと終盤がとても怒涛の展開だった。まさかの妹黒幕。
読み終わった後「意外だなあと思ったのは何故か」ということで「意外じゃないラスト」を考えた。

・予定通りアマポーラが飛び降りる、が命は助かる(竜は別に存在)
・両方飛び降りる。(竜は出現&生死不明。最後に竜を呼び出した人としてのちに詩人に謳われる)
・どっちかが飛び降りる→竜になった後片方がそれについていく(生死不明。最後に竜を呼び出した人として詩人に謳われる。詩人はエレンですねわかりますEND
・どっちかが飛び降りる→竜になった後片方がそれについていく(のちに大きくなったエレンのもとに2人が
そんなことを考えているうちにタイトルを見て「確かに花守の竜だなあ」と納得する

弟の名前がロランで「水面の月」にふいた。死せる乙女その手には美しきもの