あれ、この絵Pixivで見たことあるぞ!1っていうのが読むきっかけでした。
2140年、人間はついに不死を手に入れた。
ロングプラスという薬を定期的に摂取することで臓器の細胞を活性化させ、死を遠くへ追いやったのだ。
人が死なない現代では新たな命というものが最早不要である。世界は人にある宣言への署名を強いた。
"子どもが欲しければ自分が永遠に生きられる権利を放棄すること"
それでも違法に産まれてくる子どもは後を絶たなかった。
いい国に生まれたとしても子ども達は収容所に集められる。そこでは名前以外なにひとつ自分のものは持てない。「勝手に世界に押しかけてきた許されざる存在には、せっけんの1つでさえも与えなくてよい」というのが基本だ。姓さえも奪われる。統一してサープラス(余計な存在)という姓になる。
懸命に働き、サープラスのうちでももっとも上位の存在アセット(一番使い物になる働き手)になろうとしていたアンナはある日ピーターと会った。サープラス・ピーター。彼はアンナの両親を知っているという。
ピーターはこんなところにいては駄目だという。サープラスはサープラスらしくしていればいいのにというアンナは徐々に変化を遂げていく。
読みながらすごくどきどきした。舞台設定の話が多いけどそういうのは好きだ。たまらない。
読書メーターのコメントを読むと、「話のオチの予想はついていた」が割といて驚く。
「○○が××なのは△△の時点で気がついていた」というのは「数多く読んで話のパターンを蓄積している」みたいな経験の有無の差なんでしょうか。海外作品はほとんど読まないのでその辺はまったく分からないんですよね。
手放しでは喜べない陰りのあるハッピーエンドのおはなしでした。
- しかもブクマに入れてあるぞ! [↩]