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満ち潮の夜、彼女は (ミステリーYA!)

問題児を集めた「ガリラヤ学園」では夏休みを迎えても家に帰れない生徒が数人いる。
閉鎖的な全寮制女子高にある日やってくる転校生。その日を境に殺人事件が立て続けに起こる。

クローズドサークルで殺人事件、チャイニーズスープで時々百合。
不穏な雰囲気を堪能した。

たぶん「クローズドサークルと聞いて!」とか「学園ホラーと聞いて!」とかを期待して読むとどうなんだろう……と思わないでもないです。綺麗に答えが出る系のミステリーではなくてそこそこファンタジー展開なので。

「空気の匂い。聖なる場所の匂いは、私には特に分かるの。好き、っていうわけじゃないけど。でもここに満ちているのは、背徳の甘い匂いよ」
急に渚が大人びたように、未佳子には見えた。

(P174)

となりのウチナーンチュ

ふと借りてみれば読書感想文中学校の部課題図書。
私リアル中学生の時に課題図書にこんなんあったらこれで書いてたかも。これだったら書きやすそうな感じ。

メインとなるのは父子家庭×2。で友情もの。
直木賞作家を目指す勇とその娘彩華。東京から移住してきた和久と夏海。
彩華はある日蛙の神様の置物の声が聞こえるようになった。沖縄らしくユタに……というわけではなく神経科に通うことになる。

また夏海も不眠と憂鬱で神経科通いをしていた。さらにつけくわえ夏海への束縛と執着が尋常ではなかった母の念は、生霊となって家を出てからもそのまま家に残された。
そして和久と夏海は沖縄へと引越し、勇・彩華の隣で暮らすこととなる。

ちなみに神経科うんぬんというのはあんまり話には関わってこない。
カエルは喋るよー子供のときにだけ訪れるー不思議な出会いーな感じで扱われている。

これが面白かった人は
バガージマヌパナス—わが島のはなし (文春文庫)

これ読むといいかも。こっちはユタになってしまった女の子の話。

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