タグ「 小川洋子 」の記事

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原稿零枚日記

小川洋子の対談とかエッセイは読んでたけど小説を読むのはこれがはじめてかも。
タイトルは日記だけど中身は小説です。日記調の小説です。
乙一の小生物語よりはもうちょっと小説寄りで、紺野キリフキのキリハラキリコよりはもうちょっと現実寄り。
日記の書き手は小説家で「小説を読んであらすじを語る」のが上手で、長編の執筆に悩んでいる。
ようやく3枚ほど書いたかと思えば次の日にはそれを棄てる。毎回の日記の締めは(原稿零枚)
母の見舞いへ行き、運動会に侵入し、パーティに参加し、取材に出向き、毎回締めは(原稿零枚)なのである。

「どうもありがとうございました」
形だけお辞儀をして、編集者は部屋を出て行った。
いいか、お前の話を聞きたがっている人間などこの世に一人もいないのだ。付け上がるんじゃない。
取材の後必ず自分に言い聞かせる戒めを、今日も高らかに唱える。

(P33)

夜明けの縁をさ迷う人々

短編集。
好きな話は教授宅の留守番。
もっと長く読みたいと思ったのはお探しの物件。

ぎょぎょっとなるような話が好きだな>私
涙売りとかイービーのかなわぬ望みとかも好きだ。
教授宅の留守番は読み終わった後 (゚д゚) ←こんな顔になった

物語の役割 (ちくまプリマー新書 53)

最終的に私が出版を決断した理由はただ一つ、本書を手に取ってくださった方が改めて物語の魅力を確認し、物語の役割に目覚め、「ああ本を読むことは何と素晴らしいことであろうか」と思ってくれたら、との願いがあったからなのです。(まえがきより)

3部構成で、第1部は博士が愛した数式が生まれたときの話、第2部は創作についてのこと、第3部は小川さんの子ども時代の読書体験について。

2部よかったな。こういう感じのことを思って書いていますというのを見るのはジャンルを問わず結構好きだ。

「主題は何でしょう、二十字以内で答えなさい」というようなテストがあったとして、その二十文字がまず浮かんでくるのであれば、それは小説として書かれる必要性を持っていないと思います。ですから、「テーマさえしっかりしていれば、いい小説が書ける」というのは幻想です。テーマは後から読んだ人が勝手にそれぞれ感じたり、文芸評論家の方が論じてくださるものであって、自ら書いた本人がプラカードに書いて掲げ持つものではないと考えております。(P66)

博士の本棚

タイトルから博士の愛した数式絡みの話を連想したけどエッセイだった。
メインは書評とか読書体験とか本の話で、後は数学の話とか犬の話とか。

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