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マイナークラブハウスの恋わずらい (ポプラ文庫ピュアフル)

マイナークラブハウス番外編。といってもいつもと変わらない気はします。
Amazonの内容紹介のところには「シリーズ未読で『ちょっと試し読みしたい』という読者の方にもオススメ」ってあるけど新刊含め既刊4冊だし明らかに1巻の内容を踏まえた会話もぼこぼこあるので、試し読みがしたいならふつうに1巻マイナークラブハウスへようこそ!を薦めますよ。

業平がiPhoneユーザーですげー! と思うなど。
今回の見所はぴりかと天野清一郎の距離感とお互いをどう思っているかだと思います。
きゅうりの一人称であり桃園学園創設者再び。
私は母になるどころか嫁になる予定はこれっぽっちもないがなるとしたら徹子かーさんのようになりたい……。
ていうか電子ジャー! 炊飯器もえとはあらたな境地だった。禁書のいつぞやの「健気な洗濯機」もえを思い出す。

解説に壁井ユカコさんがいてじたばたした。
マイナークラブハウスと同じカテゴリに入ってる(と思っている)のは鳥篭荘の今日も眠たい住人たちかなあと思ってる。社会的にあまり馴染めないような、なんとかぎりぎりのところで綱渡りとかしつつ、ある人はぶっ飛んだまま暮らしている。今セルフ罠にはまって再読している……。

鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈1〉 (電撃文庫)

マイナークラブハウスは混線状態—minor club house〈3〉 (ポプラ文庫ピュアフル)

1巻以来久しぶりに内田紗鳥がメイン枠で登場します。あと学園長とかもメイン枠で登場します。
内田家と遠野家がやばい。この家族の軋轢っぷりがやばい。うへー(゚д゚;)となる。
語り手にならなくても驚異の影響力を持つぴりかは健在です。やっぱり野菜泥棒はやってました。
マグロ持ちにときめいた。ていうか天野晴一郎は今回も好きなキャラだ。今回はちょっと昔が見えたりしてとてもよかった。14話が好きだな。あの村好きだ。独身青年アホで好きだ。
15話のハイヌウェレ型神話が気になるこのごろです。あとわたしはブッダ派です。
今回はぴりかの決断でうお(゚д゚)とおもった。続きが楽しみだ。

「強いひとだよ。負わされたものの重みに、いっとき耐え切れなかったのだとしても、今はもう、強くなって帰ってきたんだよ。残された人は、辛かっただろうけど……でも、ちゃんと生き抜いて、帰ってきた……」

(P216)

俺の全部が震えている。育ててもらえる。食わしてもらえる。養ってもらえる時代がもうすぐ終わることに、俺の魂が全部怯えている。

(P225)

マイナークラブハウスの森林生活—minor club house〈2〉 (ピュアフル文庫)

お金持ち学園の、変人が集まる弱小文化部の集まり「マイナークラブハウス」の住人の話2巻。
短編集なのと話ごとに語り手が変わるのは変わらないけど、1巻よりもうちょっと各話の結びつきが強い。
奈緒志郎んちはまるで「悦楽の園」の真琴んちじゃないか(゚д゚)<とおもうなど。ごろごろする。
猫・きゅうりの一人称はすごくハードボイルドだった。あの話が一番ぴりかの内面に迫ってた。すごい。
読むのに体力を使うなー。読んでたら時々とてもそわそわする。

ほんとうに、とてもおいしかった。茹でただけのじゃがいもやパンに、溶けたチーズを塗りたくって食べるだけ、という、一見乱暴なしろもの。『ラクレット』という、サヴォア地方の伝統料理だそうだ。

(P95)

「ありがと。しっかりやれ、二人とも。Happy Valentine!(地獄で会おうぜ!)」
「Happy Valentine!(地獄で会おうぜ!)」
「なんすかその、カッコ閉じるってのは! わけわかんねー!」

(P163)

(影ども! これは、おれのニンゲンだ。たとえ、お前たちに馴染む部分がいくらかあるとしても、もしゃもしゃの本質は、健やかな生だ。この娘はおれが、立派な野良に仕込むのだ! 以後、手出しをするな!)

(P262)

マイナークラブハウスへようこそ!—minor club house〈1〉 (ピュアフル文庫) (ピュアフル文庫)

書評とか日記とかで見て、あらすじを見てこれは買わんとあかん本ちゃうんかと思い立ち。
これはよかったです(*´∀`)桜蘭高校ホスト部からイケメンホスト成分を差っ引いた感じ。

大学付属で中高一貫校である桃季学園。山がまるまるひとつ敷地の金持ちの子どもが多く集まる学園である。学園で青春な小説です。主に舞台となるのはこんなところです。

学内の奇人・変人・はみ出しものばかりが寄り集まった、桃季学園の辺境地帯。並み居る先輩たちも一緒に入った新入生たちも、みんなもう青春、捨てちゃってるんじゃないかってぇくらい、誰ひとりとしてマトモではない(僕以外)。
弱小文化部ばかりが部室を置く、桃園学園事務棟、桃園学園。別名、マイナークラブハウス。

(P133)

桃季学園は部活も盛んなのだが、部活として認められるのは5人以上。5人以上いれば部費と冷暖房完備の部室がついてくる。5人未満の非公式の部活が寄り集まってできたのが通称マイナークラブハウスなのだ。

1話ごとに語り手が変わる。女子生徒へ男子生徒へ。またある生徒の保護者へ。
主人公はだれっていうのは具体的には出てこないんだけど、私は誰の視点にも出てきて謎を振りまいていくきゅうりの子「ぴりか」だとおもう。

ちなみに私とても好きなのは天野君とぴりかである。天野君はあの喋りが好きなのである。

「……いずれにせよ、腹立たしい。畑荒らしは、人類が農耕を営むようになって以来の、太古からの罪だ。人は、育てる者と盗む者に分かれる。獣であれば致し方ないが、盗むものに対して、僕は容赦ない。」

(P162)

というか3話は全体的にとても好きだ。かえるがいっぱいのあれとか。
2話の葬列ハーメルンご一行についていくところも好きだ。一言で言うならぴりか可愛いよぴりか
5話で畠山家(主にぴりか)が謎を振りまいていったので続刊がとても気になる。

「やっぱなー!! 俺、あの手の男はムッツリーニだと思ってたわけよ。」

(P146)

バカテスを思い出した。

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