タグ「 ファミ通文庫 」の記事

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東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

この学校には「生徒はなにかのクラブに所属しなければならない」という校則がある。
体育会系の部活で怒鳴られながら汗を流すのはちょっと、でも文化系クラブにありがちな「○○について熱く語りましょう」のような熱意も好きなものもない。となると残りは委員会活動しかなかった。
そうやって無気力高校生三並英太は図書委員になった。週2回のカウンター業務は東雲侑子というなにかしら短編集を読んでいる女子とやっている。

びっくりするほど「普通の高校生」の青春恋愛小説なのである。
押しかけ女房的な「兄の彼女で初恋の人」はいるんだけども、NO異能NOファンタジー。
東雲が好きな短編集が「エレンディラ」なので七竈を思い出した。七竈はエレンディラっぽいというのを桜庭一樹読書日記で見てから気になっているのだ。

ところで、ロミエマリガナ=東雲≒宇宙人的な存在とか一瞬思ったりしました。東雲の秘密はもっとあれなことなんじゃないだろうかと思った。実は人間の研究の一環として小説を書いてるんだよ!みたいな!

“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2) (ファミ通文庫)

学園の皇子ヒカル、ただし亡くなって現在は幽霊となって是光にとり憑いている。
ヒカルの心残りをはらすと約束したものの、その心残りの相手はひとりかと思えば何人もいるようだ。
ヒカルが次に示したのは古びたアパートに引きこもっている内気な少女夕雨だ。
ろくに太陽を浴びていないせいで体はひどく白くて儚げで毛布をかぶり世界を遮断している。
閉じた世界で「ここにいれば幸福なの」という夕雨。ヒカルは彼女にした約束を是光に教えることなく二人で一緒に考えて欲しいという。

文学少女でいうと蛍。花の名前を高らかにうたいあげるヒカルが好きです。
是光がだんだん恋に落ちていく流れがよいですね。とてもきゅんきゅんする。
ヒカルは是光といるととてもふつうの友達っぽくて忘れがちではあるんですが1いずれはもう喋ることができなくなるひと、もう砂時計は落ちきっている人なんですよねえ。切ない。

  1. 今回はそんなに出番多くなかったように感じますが []

目つきが悪くて姿勢が悪くて可愛げや愛想のないヤンキー面をした是光のこれまでの人生は誤解の連続だった。
高校デビューしようと名門私立に入学できたはいいものの、入学式の日に事故に遭い1ヶ月休んだ。登校した頃にはもう「ヤンキーキング」の噂が広まりきっていた。

それからしばらくして、是光は同級生の告別式に参列していた。学園の皇子と呼ばれていた帝門ヒカル、是光は登校してきた日に彼に頼みごとをされていた。頼みごとの内容を聞く前に彼は亡くなってしまったが、告別式から帰宅すると男の声がどこからともなく聞こえることに気がついた。是光にはヒカルの幽霊がとりついていた。
ヒカルの心残りを解消するために是光はヒカルに協力することにしたが、その対象「葵の上」左乙女葵は是光を不審がり、ヒカルのことを嫌いまったく話を聞こうとしない。

幽霊のくせに実にお気楽なヒカルがいいな! いくつも隠し持ってる感がな! とっかえひっかえやらかしてるのに葵だけは大事に大事に壊さないように扱っててかわええなああとおもった。
是光はヤンキーに間違われてばっかりなのと家庭事情があれなので若干ひねくれてるけど根は素直で、はじめての友達を大事にするとてもいい子だなー。

観覧車でのシーンがちょうせつないなー。しんみりする。

バカとテストと召喚獣9.5 (ファミ通文庫)

4冊目の短編集。
どう見ても徹頭徹尾うらら得
世の中にはうららさんみたいな人が割といるんだろうか。劇場型うららさんパねえ。
というのもちょっとお前らに子作りしてもらいます(意訳)と男二人が選ばれたり、明久と雄二の出会いから7.5の美波の短編にいたる物語だったり、いろいろひどい(超褒め言葉)

土屋家訪問がよかった。あのムツ兄がよい。あと\ 吉井、坂本 アウトー! / 

百億の魔女語り3 なんでこんなに不思議な妹ばかりなの? (ファミ通文庫)

話がごろんごろんと動く3巻。本当にハンドルの切り方が派手だ。圧力鍋すごい。
消えた妹アディリシアを探すアルト。しかし候補生でありながら勲章を受勲してしまい忙しさは増すばかりで有力な手がかりは得られない。一方エーマは自分の過去のルーツに直面する。

竹岡さんのもう一つの魔女の物語「東方ウィッチクラフト」をしみじみと思い出すと共に光炎のウィザードのこともふと。リティーヤとミカ周りが好きだった人は百億の魔女語りは結構美味しいんじゃないかと思いますよ。時々しまぱん見えてますが。ミカの「あんたにとってこの世界はどれぐらい確か?」という台詞を思い出します。

わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 2 外泊ですが何か? (ファミ通文庫)

利沙から高柳君とその他を誘いなさいとあすみはホテルのチケットを10枚もらった。1枚5000円と言われたが宿泊予定ホテルは有名リゾートホテルでふつうに宿泊しようものなら5万円は必要だ。
同じ頃学区内では漫画の万引きが多発していたのだが、という。

中学生だ! あすみがあほのこすぎる。利沙は利沙様という風格。
面白かった。

バカとテストと召喚獣9 (ファミ通文庫)

この212ページ〜213ページがやばい

試召戦争ってなんだかすごく久しぶりな気がするなあ。しかし図解はあるものの、逆にそれがなんだか読みにくい。
まあなんですか1番はなんといっても212ページということでお願いします(゚*∀゚)=3
あと工藤愛子の手紙がなかなかに女子女子してて可愛かったです。工藤愛子ちょっとカタカナ率が増したな。
久保君の好きな人ってどんな人さ質問では脳内で丘の家のミッキーが走っていった。なんという鈍感ぶり。
姫路さんかわいいよ姫路さんあとAクラスも要するにバカだ! 
この学園には頭いいアホと悪知恵の回るバカ以外はいないのか! だがそれがいい!

わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 1 リア中ですが何か? (ファミ通文庫)

ファミ通文庫の新人作品。
「少女小説っぽいよー」という話を聞いて読んでみました。
簡潔な感想としては「少女小説ではないけど面白い」「少女小説ではなくてむしろLaLaDX」「佐々木史緒」

峰倉あすみはある朝、怪しげな虚無僧と出会う。
「そなたには悪霊がついておる!」などという怪しげな相手への対処方法としてスルーしようとしたものの、「放っておけば高柳尚人にも悪影響を及ぼすぞ」と言われ言うことを聞き「ふしぎなコンタクトレンズ」をもらう。高柳とはあすみの幼馴染みにして長きにわたる片想いの相手だ。
あすみがコンタクトレンズをつけるとあらびっくり、この世ならざるものが見える視力を手に入れた!
ただし妖怪ではなくて思春期男子の妄想と理想があわさって生まれた「妄想少女」だ。
彼女らが言うことには「理想の女の子がいる男の子には妄想少女はいない」「そして高柳君にも妄想少女はいない」

「高柳君に彼女がいるだと(ガタッ」となってあすみはリサ(利沙をさらに理想化)ユイヒメ(お姫さま)ミウ(ブルマっこ)とともに「彼女は誰だ」探しを始める。

あすみさんがなかなかの直情径行型。よい。ふたりのリサの話もよいものですよいものです。

少女小説ではなくね? と思ったのは高柳くん好き好き恋愛ルートを走り、喧嘩などもしてみたけど終盤はリサの存在が割と大きい。恋愛寄りで走ってきて(片割れは妄想上の存在ですが)女同士の友情で終わるというのは今も昔も少女小説レーベルではなかなか読めない。

次巻はメイドちゃんがんばれ。

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

挿話集もこれで終わりかー。段々終わりが近づいてくるなあと思ってしょんぼりする。
ななせの話と百年後と見習いの発見がよかった!
いろんな味が楽しめるのはよいな。

百億の魔女語り1 オトコが魔女になれるわけないでしょ。 (ファミ通文庫)

竹岡葉月久しぶりのファミ通文庫。
コバルトからの読者的に「男が魔女になる竹岡作品(女装もあるよ!)」というのは既に約10年前に通っている道なわけで、どう調理されるのかが楽しみにしていた本でした。

アルト・グスタフの欲しいもの。それはカイゼル魔術学院の卒業証書。
粘りに粘ったが「出席日数と単位数不足はいかんともしがたくこのままでは除籍もやむえない。せめて卒業実地研修の単位ぐらいは取得してくれ」というのが先生方の最後の救いの手であり要求だった。

この世界の魔術は大きく二つに分かれる。
近代魔術のスタンダード、理論的に司祭がミサなどで起こす奇跡を科学的に証明したことで発展した「甲種魔術」
昔ながらの魔術、呪術師の呪術・死人使いの蘇生術にウィッチクラフトに司祭の奇跡。「乙種魔術」
競争率の高い甲種よりもマイナーな乙種しかもウィッチクラフトを選んだアルト・グスタフは、首都カイゼルの北部・湖水地方ホルグリン村で大魔女リリカの指導を受けることになる。

オクロック氏がちょう萌えキャラだと思うんだ。2足歩行の山羊で執事なんだぜ。
「いいえ、私は純粋たる山羊」なんだぜ。「いいえ私はジョセフ犬」を思い出す。
「魔女っ子パステル、らぶぽっぷん!」は脳内で魔女っ子ランランが高笑いしながら走っていった。
「誰も害せぬかぎり、汝の望むことをなせ。それを魔女の信条という」にばたばたした! ましろ!

アルトが即ばれる女装で実習に赴いたのもなんか変な場面もすべては妹のためか。鎮圧の場面はかっけーな。あとエーマが「アディリシアっていう同い年の女の子が来ると思ったから親友になりたいと思った」っていってるシーンが好きです。ていうか竹岡さん兄妹の話好きだな。
エーマの一人称が「うち」なことにほとんど終盤に差し掛かる頃気がついた。脳内一人称はわたしだった。
「うち」っていうのもみてたけど「家」のうちだとおもってた。
あと私最後までファニーがリリカ様なんだと思ってた。猿はただのお猿。バブルス君@DB的な。
脳筋アルトがいかに体育会系か(薬売りのシーンのエーマとアルト)

P271の挿絵はとてもGJだと思う。続刊があるって素敵だ。できたら3巻もほしい。

冒頭にちょっとだけダナーク魔法村はしあわせ日和を思い出した。

ちなみにもうひとつの「男が魔女になる」作品というのは東方ウィッチクラフトです。
「憧れの人は男なのに『魔女』だった。そして私はその憧れの人の『使い魔』になってしまった」という話です。
ちょーおすすめ!

東方ウィッチクラフト—垣根の上の人 (コバルト文庫)

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