タグ「 コバルト文庫 」の記事
72件の投稿
確か去年の今頃、ミラコンの時にsoundseaさんに唆されて買った本……
第1次世界大戦のイギリス航空部隊(not空軍)の話です。ちょっと殺伐とした紅の豚。飛行機はロマン。
しかし偶然にも芙蓉と同時期の本を読んだものです。本に呼ばれた現象。
リックの初戦がとても衝撃的だった。直球にぐろい描写なんぞほとんどないけどパラシュートもなく炎に巻かれて飛行機から飛び落ちていくシーンとか「10分おきに緩めないと血が通わなくなって腕が腐り落ちる」「死ぬよりマシだろ」「本当にそう思うのか」とか大層薄ら寒いものがあった。
「この戦争は3ヶ月ぐらいで終えて自国の勝利で終えてワイン片手に思い出話ができる『平和のための戦争』だと皆思ってたけどそうじゃなかった」とかどえらいせつない。
スコアが血を吸った上に存在する禍々しい称号だとしても空戦一騎打ちはロマンだなあとおもった。
余談。
ただ、今年の二月にウィルソン大統領が、「ドイツむかつく。ウチは中立なんだからアメリカ船攻撃するのやめてよ」といった趣旨の議会演説をして、ドイツと国交を断絶したところからみると、ドイツは敵のようだ。
(P18)
ヘタリアで再生された……(何てこったい……
「陰気で生真面目なイタリア人パードレ」とかは反応しないので国名指し発言に反応してるのかなあと思うなど。国名名指しといってもニュースから聞こえてくる音声とかテロップはまた別物。
「私の考えが既に時代遅れとなりつつあることは、重々承知だ。おそらくこれから先、技術が進むにつれ、戦闘はますます殺伐としたものとなるだろう。同胞愛や忠誠、全力を以って戦うことへの歓び、そうしたものは全て失われ、むしろ嘲笑の対象となり、兵士はただ全体の中で機械的に戦い、ますます一人の命は軽いものとなるだろう」(略)
「それは仕方のないことだ。だが私は、そういうやり方には決してなじめそうもない。あらゆる意味で、貴族が貴族らしく生き、戦うことができるのは、この戦争が最後となるだろう」(P205)
夏の、というか今週末までの課題図書でしたアンゲルゼ。
1巻はリアルタイムで読んでAAST発行を機に読み始めた。通販組なので確保はまだ先ですが!
2巻以降読まなかったのは1巻が重くて重くて2巻は手に取る→戻す→手に取る→戻すを繰り返していたなあ。大体憶えてるけど一応1巻再読から始めた。けど初読の時ほど重さを感じなかった。
内容知ってるからだと思ったけど、2巻以降も「重いわー」とかいいながらもう1冊追加できる程度の重さだったので読書的に足腰が鍛えられたのだと思った。1
読みながら時々「これコバルトだよな」っていうのを思い出す。
それぐらい14歳が背負うには過酷・熾烈・容赦ない運命です。すげー。
東京から1000キロ北東の島、神流島。
天使病という奇病が存在しており、時代は中学生レベルでは自覚はなくても世界的には戦時中である。
神流島のこどもたちは中学で軍事訓練が始まり、高校を過ぎれば徴兵という未来が待っている。
読んでる側がちょっといらっとするぐらい内気で引っ込み思案で歌は上手い中学生の陽菜は、色々あってAAST2に関わることになる。ブートキャンプに放り込まれたり訓練で吐いたり気絶したり水ぶっかけられたり心身ともにフルボッコにされたり重たい真実を知らされたり実戦に放り込まれたりする。
軽く書こうとしてみたけどどう見ても過酷さが隠しきれてない。2巻はうっかりEGコンバットを思い出した。
「遅刻の理由を言え!」
仁王立ちの尾田に怒鳴られて、陽菜も反射的に「筋肉痛です!」と大声で答えてしまった。自分の声に腹筋が震え、その痛みに耐えていた矢先、「ばかもん。歯ァ食いしばれ!」と平手打ちをくらってふっとんだ。(最後の夏 P96)
この辺とかうっかりルノア教官風に再生された。
強制孵化のシーンのグロさは異常だ。相当想像力補正かかってると思うけど、ぎちぎちぎち……ぼこっとかばりばりばり!とか聞こえてきそうだった。こわい。あと素手で、とか飲みなさい、とか。
3巻はずっともーちゃんのターン! だったな。もーちゃんむっつりだな。可愛いな。
敷島がヤンキー座りで煙草吸って注意されてるところにきゅんとした。
敷島の爆弾発言!とか神流島はアンゲルゼ牧場とか湊が生き残ったり(←絶対死ぬと思った)遺書とか本当に「人間とは異なるもの」であるアンゲルゼ(マリア)とか有紗の死と湊の荒れっぷりとか4巻がすさまじい密度だったり「最後に会いたいと思ったのはもーちゃん」とかにとてもごろごろした。
いくらでも機会は与えられていたはずなのに、何も知らないまま、何も手にとろうとしないまま、陽菜はこの世界から離れようとしている。居心地が悪くて自分に冷たいと思っていた世界は、本当はすごくやさしくて、ただ何もしなかっただけなのに。
(最後の夏 P120)
世界を知りたい。願いは、それだけだ。ただ、そう思うようになったきっかけは、陽菜だ。それは確かだ。
昔はずっと一緒にいて、なんでも分かっていると思っていた小さな幼なじみは、しばらく目を離していた隙に、わけのわからないものに巻き込まれ、知らない少女に変貌した。陽菜の変化そのものこそが、覚野にとっては、この世界への疑問を裏付けるものだった。(ひび割れた世界と少年の恋 P146)
「おまえに誓う! 必ず、俺は迎えに行く!」
(永遠の君に誓う P338)
大正浪漫で異能です。
「結ぶ」という行為に特別な能力を持つ一族がいた。
代々女系に受け継がれるその力をもつ娘はムスビと呼ばれ京で帝につかえた。動植物や紋をあしらった花結びを守りとしたり空間を結んで魔を封じ込めたり結びを呪術的に使うことで陰陽師とともに都を守ってきた。
保泉可也はそのムスビの一族和久家の血統の最後だ。
女系を保つために婿をとって血をつなげてきた和久家は、維新後も天皇に使えるため京都から東京へ一族で移ったが当時の巫女(可也の曽祖母の妹)は移動した後亡くなった。「前時代のもの」である巫女一族は徐々に居場所をなくされ可也の母は祖母を連れて保泉家に入った。千年を超えて続いた和久の名前はここで絶えた。
恋愛要素はありますが、可也の周りの人です(メインではない
明るかったりコメディな方向ではないです。
ちょっと封殺鬼を思い出した。可也には友達いるし当主でもないですが、雰囲気的に?
舞台は東京ですが京ことば女子もいます。
でるたさんちのLNFレポを読んで再読。
サキはいいヘタレです。しかもたれ目で家事万能の「いいひと」どまりのオカン型です。よいもえです。
新大陸に移住・半分壊れた都市に住む人々・殺人事件・未知の麻薬・カーチェイス・電脳戦・寄せ集めの家族。よいもえです。強調したいことなので2回言いました。
「簡単だよ。意地も見栄もプライドも、何もかもドブに捨ててでも生き残りたかったからだ。守らなければならないものが、人にはあったんだ」
(P220)
……コバルト時代の質問をされて、自分が答えられなくなったらどうしようと焦っています。自分で自分の本を読み返すか!? がんばれ復習しろ鳥頭!
というのを見たりしたので、LNF参加者を羨みながらフラクタルチャイルドを再読する。
最近叫んでないんだけどフラクタルチャイルドは未だにどこかで再刊しないかなと思うぐらいすごく好きなんです! 未完だから人にはほとんど薦めないけど!
貧乏ながら強く明るく生きる代行屋の若者・カーチェイス・都市の先住民が精霊・大災害の爪あと・ツインシグナル風にいうところの電脳空間へダイブとかその辺にときめく人はおすすめですよ。すごくいいところで切れてますが!
しかし女神の歯車がでて、ストレイシープが完結してぱたっと刊行が途絶えてしまいこのまま「作家・竹岡葉月」は消えてしまうのではないかと思っていた時期が長かったからしゃっぷるの人気がすごい今は夢のようです。
LNFといえば4月馬鹿のネタにもちょっと使ったらのさい!に一枚噛んでます。
本文は読んでませんが解説を書いてます。
窓の外は鼻水の出そうな寒さで、おまけに歩くのにもしんどすなみぞれ混じり。
けれど車の中はたしかにあたたかく、隣には八年ともに暮らした彼らがいるから。
見通しはあまり明るくないが、せいぜい先の見えない薄暗がりを、手探りしながら歩いていこうと思った。
ゆっくりとあせることなく、いつかつないだ両手が、自然にはなれるその日まで。(P196)
シーカがシリアスモードでした。背負ってるのがすごい。
今回は温泉旅行です。休憩場所を探して異教の村の住人とひと悶着……という進行。
シーカとハルさんがいつもよりちょっと近い! 近いよ!っておもった。
「わたしにはあなたの背負うものはわからない。ふだんはべたべたするくせに、いちばんつらいときはあなたは平気なふりをして、わたしを拒絶する」
「拒絶? そんなつもりは」
「ないんでしょうね、自覚もない」(P51)
「さらに偏見をもつのは人間としてあたりまえのことである」
「え……?」
「未知なる偏見のなかに、学ぶべきものがあるのではないかと、わが輩は考えるのである。ゆえに、こうして一行と旅を続けているのである。内地人たるみなの偏見はじつに、興味深い」(P207)
黎明の使者団海を行く。
客船<海の泡>号に乗り込んだシーカ一行はシーカの元婚約者に遭遇する!
船員とか客とかがばたばたする!
今回は使者団より船員乗組員のキャラが濃かったな、とかおもうなど。
「万が一なしくずしに解散にでもなったら、あのケチな<ミトラーダ>がのこりの分をすなおに払ってくれると思ってるんですか? 甘いです! メープルシロップよりも甘いです! お金が惜しくてこんなことを言ってるわけじゃありませんよ、ぼくはいち会計のプライドにかけて! このままうやむやにされるのはどうしてもガマンがならないのですっ!」
(P114)
「あのひとはばかで、秘密主義で、ひとを怒らせる天才です。そして他人の尻を触りまくる変態だ」
正確には、シーカが執着しているのはハルセイデスの尻であるが。
「それでもこいつらには慕われているんです。その意味を考えてみていただきたい」(P192)
お人好しの父が騙されて領地を騙し取られ生活の糧を求めて王都へやってきたオデット一家。
なんとか残った別邸と見栄っ張りな母の意向で貴族としての対面は保っているけど内職で生計を立てている。
貧乏貴族オデットのもとに数年に一度開かれるという名門アイゼンテール家の舞踏会への招待状が届く。当家の若様を親切にしていただいた御礼に、とドレスとアクセサリも当日の迎えの馬車も何もかも揃ってのお出迎えだった。
よい華やかさです。ちょっとシンデレラを思い出しました。
しかしオデットが玉の輿に乗っていく話では(今のところは)なくうまい話には裏がある系の物語です。
なんたって帯文からして「あたしの寿命を返して!!」
命の炎とかはちょっと落語っぽいなと。
キャラクター的にはレヴィローズっぽいなあと思いつつ、これは続刊が楽しみです。