ちらっとレビューを見たら「ミステリではない」とかいろいろ書かれていたので、どうしようかなと思いながら見に行きましたが大変面白く見ました。「ここなんか埋まってるからな!! よう見といてや!!!!」という主張あるカメラワークが面白かったです。
貸別荘に集められた20代の7人の男女。彼らは俳優で、劇団水滸の新作公演のオーディションとしてここにやってきた。
誰もいない貸別荘はこれからの4日間、大雪で外部と遮断された密室空間となる。スマートフォンやタブレットは集められて保管する。外部と連絡を取ったり外へ出ればその時点で失格となる。新作公演の主演は探偵を予定している。その役を決めるためのオーディションだ。

タイトルにも書いてますが以下、このエントリはありとあらゆるものに触れていきますので、これから見る人読む人はどうぞご注意ください。

主役は重岡大毅演じる久我和幸。彼はオーディション参加他メンバーの劇団水滸のガチ勢だった(劇中では「フリークなので(何でも知っている)」とよく言っている)。原作では由梨江が好きでたまらない人間だけど映画では料理がうまい好青年だ。間宮祥太朗演じる本多と「アリバイのためにベッドをくっつけて手を縛りあって一夜を過ごす(なお朝になったらそのロープが赤いハートを描いているというおまけつきだ)」謎のファンサ? シーンがある。
冒頭の6分の1カットでそれぞれの行動を映しているシーンで、岡山天音演じる田所が「執拗にテーブルを拭く」「執拗に虫を殺して回る」シーンがあり、今思えばあれは「こいつ怪しいぞ」的なミスリードを誘うものだったのか。キモい男をキモく執着を強く、視聴者視点で「近づきたくない、好感度があがるはずがない」と思わせる演技がすごかった。ちなみにミステリという勿れの炎の天使のろくさんも彼だったらしい。

監視カメラからの映像がよく挿入されていたけど、あれはまさに「神の視点」だったわけだな。
ここ伏線ですよと言わんばかりのシーンはピアノのヘッドホンが刺さってるジャック部分、合わせ鏡の久我、
雅美の事故は原作ではある意味自業自得だったけど、映画は「才能ある女優が悪ふざけで未来が完全に閉ざされる」で過失割合が5:5から7:3ぐらいに下げられていた。
井戸をのぞき込むシーンはよくわからなかった。井戸の中から久我たちを見上げるカットばかりで井戸の奥が見えているのかどうかが分からなかった。ただ金網に赤い毛糸がついていたから井戸の底に人体を見た比喩かと思っていた。あとラストの3人が一緒に寝てて、起き上がってくるシーン。これいつの映像って思った。カメラの映像右下に全部ひづけ入ってたなとは思ったけど。

映画に登場するのは7人、シーンは貸別荘と多少の回想シーンのみ。だからかスタッフロールがすごくすっきりしていた。
サンホラ初代笛のお兄さん坂上領さんのお名前を確認した。