辻村七子作品ガチ勢の方が読むかもしれないエントリで残すのは大変恐縮なんですけど、わたしが好んで読んでいた頃とはたぶん結構別物だと感じてるんですよ。みのるが登場してからは割とそれは顕著だと思ってて。
序盤の頃は普通に連作短編であの頃たくさんあった仕事系ライトミステリ、ちょっとBL的な要素ありって感じだったと思うんだよなあ。今は割とミステリ要素なくて人間の営みとか成長とかが描かれる感じがする。
体感ちょーシリーズのちょー新世界より以降を読んでる感じ。正義の大学時代の友達とかいろいろでてきてて、みのる視点では「リチャードと正義は顔が広い」と思っていても、あと15年ぐらいしたらみのるも真凛と良太に対してそう思われるかもしれんみたいな。
リチャードと正義の関係は、多様性? それ使うかと思われそうだけども「世の中には人生を共にしたいと思える人は異性かもしれないし同性かもしれないし次元がいっこ下かもしれない」みたいな感じ。きのう何食べた? のケンジとシロさんは同性パートナーだけど「BL」って感じではないし、あの感じ。でもあのふたりよりは湿度は高いと思う。

でもジェフリーとヨアキムの関係はどんな感じだったかなあと思いながら読んだ。9割忘れている。
でもいつぞやのあとがきで野梨原花南さんが「角のタバコ屋のおばあちゃんも燃えるような恋があったかもしれないんだよ」みたいななにかなかったっけ。「今はこんな感じだけど昔はいろいろあったふたり」みたいな感じで読んでた。
たぶんずっと好きでずっとこの関係性が好きな人はたまらんわまじでって感じなんだろうなと思う。