ポトスライムの舟 (講談社文庫)

そういや一番最初のは読んだことなかったなと思って読んでたんですがスーパー胃が重くなる本でした。表題作のポトスライムの舟と12月の舟の2編収録で、ポトスライムはワープア、12月はパワハラと。淡々としているのにすごく怖い。
12月のツガワの頭がだんだんぼうっとしてくる感じとか、「みんなが優しくなった気がする」とか、V係長とか、生々しい! この感じ覚えがある! こわい!!!!! 重い!!!!!!!!って転がりながら読んでいた。読み終わる頃にはげっそり疲れていた(ので復帰すべく気分を変えようと外出した)

確か何かの対談系で津村さんが前に勤務していた会社がパワハラ系でっていうのを読んだ覚えがあるんですが、その時の体験はいってるのかなと思った。とにかく生々しい。そこに優しさなどない。脱出できれば勝ち、みたいな。こわいこわい。決して面白い本ではないんだけどすごい本を読んだ。

社会人必読なんて書かれているけどけっして「明日から頑張ろう☆」みたいな本ではないし、「働くってしんどいことだ」っていう感じで日常的に激務でフィクションぐらいは優しいものが読みたいっていうひとは読んじゃ駄目だと思う。