「タチアライ。お前はサーカスの座長だ。お前の書く物はサーカスの演し物だ。我々の王の死は、とっておきのメインイベントということだ」
(P178)
「さよなら妖精」「真実の10メートル手前」の大刀洗万智、新聞社を辞めたばかりの2001年に海外旅行特集の仕事を受けネパールへ飛んだ。同じころ、王宮では国王をはじめ王族殺害事件が勃発する。大刀洗もまたジャーナリスト、現地で取材を始めるが、その矢先に大刀洗の前に死体が現れる。
「伝えること」で苦悩し辿りついた真実がそういうところに着地にするのかと。凄いものを読んだ。ミステリは心が洗われる。
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