上映環境がすごく悪かったんだけど頑張って見に行った。小さいスクリーンだけど結構人はいて、割と高齢な気配がした。
あの空気感をこんないい感じで強めた上で再現できたなと思うぐらい、多少の改変を含めつつ原作重視映画でした。
何いうても原作うららさんはちょっともさっとした女子だけど映画うららさんは芦田愛菜ちゃん(かわいい)し漫画雪さんより映画雪さんは若く見える。でも雪さんにおすすめ漫画を聞かれて1冊ずつ説明して(ただし早口)最後にあとこれもとめっちゃ差し出すうららさんはめっちゃオタクだったし、あの宮本信子さんはとても「品のある老婦人」だった。
BL漫画のシーンがたびたび挟まれるけど露骨な性表現はないので安心してほしいしそこに朗読の要素はない。
良かったシーンを箇条書きで書いていく。
この映画〇年前のわたしと×年後のわたし両方いるなあと思ったんだ。
うららさん作中で事あるたびにめっちゃ走ってる。雪さんと漫画の話いっぱいしてるのかなあ毎日いきいきしてるなあと思うと同時に、芦田愛菜ちゃん走るフォームがめっちゃ綺麗。こんなことを思ったのは日曜劇場「天国と地獄」の綾瀬はるか以来。
あれだけ揺れ動く感情を表現できるまなちゃんすごいぞ。
分かりやすい緩急あるドラマチックな展開というのはないんだけど(それは原作にもない)、季節の移り変わりとか、ノートに書かれたたくさんの絵とか、「これを本にして売る。正気か?」と問いながらアナログで漫画を描く(スクリーントーン貼ってた!)。そして入稿する。しばらくしてすごく見覚えのある茶色い包みがうららさんと雪さんの前にある。エモーーーー。
あとうららさんの漫画はちゃんと終始「絵を描き始めた」レベルなのが良かったです。スタッフロールであれを描いたのは鶴谷香央理さん(原作者)と知りプロってすごい。
そういう日常と、日常の変化が丁寧に描かれてる作品っていいなあと思いました。
紬を演じている高橋恭平くんよかったね。まあいうてみれば「主人公の幼馴染(彼女あり)」という結構がっつり絡んできそうなのに立ち位置絶妙だったな。さりげなく気にしてる感じ。紬の彼女の英莉ちゃんがすごく好きな顔だった。紬がうららさんの部屋でうっかり見ちゃったBL漫画から、本屋で「こういうの見る?」って聞かれた英莉ちゃんが密やかにBL沼に落ちてるのがおもしろかった。世界一初恋買ってた。
コミティア帰りのコメダ先生が雪さんに見せていた戦利品は「今日読みたいから手持ちで持って帰る本」だと思ってしまい。
あのシーン映画オリジナルだから雪さんが「この本を作ったんです」ってさも自分が描いたかととれるような発言をしていて、お、印刷費を出したのは自分だ発言か思ったけどサイン会のところで描いたのはわたしの友達です発言があってよかった。
わたしは友達の代行で森薫さんのサイン会に行ったことがあるんですけど、目の前でキャラクターを描いてくれて場合によっては結構しゃべるサイン会でなんか懐かしくなった。
いい映画だった。