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贖罪 (ミステリ・フロンティア)

空気が綺麗なこと以外は特に特徴の無い平和な田舎町。お盆のある日、少女暴行殺人事件が起こる。5人組だった少女、紗英・真紀・由佳・晶子・エミリは小学校の校庭でバレーボールで遊んでいる中作業服の男に声をかけられる。
プールの更衣室の換気扇点検に来たけど脚立を忘れた。誰かひとり手伝ってくれないか
にこにこしながらそう言ってきた男に子供たちは立候補するが男はエミリちゃんを選ぶ。

そして時間は流れ町内にグリーンスリーブスの音楽が流れ子供たちが家に帰る午後6時。
エミリちゃんはまだ帰ってこない。4人は探しに行き死体を発見する。
見たはずの犯人の顔を思い出せない4人、エミリ母に投げつけられた言葉。それから10数年後の話。

「告白」と同じ独白形式で進んでいく。
読みながら恩田陸のユージニアをはじめて読んだ時のような不吉で不安な感じを思い出す。

読んでてこの「麻子さん」ってだれ?とまず思う。
今回はエピローグは前2冊と比べて救いがある終わり方をしているけど、各話の終わりは後味の悪いどす黒い終わり方なので1章ごとに本を放した。この手の本は一気に読むとすごく疲れる。あと決して寝る前に読む本ではない(知ってるのにやった

そういえば普段は気に止めてないんですがうちにもフランス人形的なものがあったのでぞぞっとした。
わたしが生まれたときにはもうあったと思うのでもしかしたらママ上が嫁入りの時に持ってきたものなのかも。

表紙は最初の「フランス人形」で4人がエミリちゃんの家で食べてたタルトなのかなとおもった。
裏表紙にエミリちゃんが隠したルビーの指輪がある。

雨の塔

かつくらでみた時紹介に「大人のための少女小説」ってあったせいか「中高一貫教育の女子校からあがった」 という描写を見ているのに高校生ぐらいに脳内で設定して読んでいた。読んだ後読書メーターでみてはじめて気がついた。
登場人物は女ばかりですが、女子高的などろどろ感はないです。でもマリみてみたいなキャッキャウフフした話でもないです。あと百合百合で呼び方が基本苗字呼び捨て(珍しい)

岬にあるその全寮制の学校に入るには資産家なら簡単だ。
提携高校からの入学で戸籍上の性別が女ならあとはお金を積めば入試の必要なく入学でき、寄付を惜しまなければ4年後には好きな大学の卒業証書が手に入る。欲しい服やバッグや雑貨や食べ物はなんでも最新のものが手に入る。しかし情報と自由は規制されている。テレビや新聞や雑誌はなく携帯電話の電波は届かない。寮生のもとへ届く荷物は事務局に中身を確認されてから渡される。本州と陸続きのその島は普通の島より何倍も世間から遠い。

主な舞台となるのは3つある寮のうちもっとも海に近い塔。ランクは一番低いらしくしょぼい内装で2人部屋。そこに放り込まれ同室になった2組4人、矢咲・小津・三島・都岡の話。

頭から暑いお湯を浴びながら、矢咲は記憶の中に断片的に湧いてくる夢の続きを消そうとした。こんな遠くに来ているのに、思いの呪縛からは逃げられない。距離が離れることによって、その人の記憶も薄れれば良いのに。いくら忘れようとしても、どれだけ消そうとしても、思いは色濃く記憶に刻み込まれているため、ふとしたときにいきなりそれは現れる。

(P45)

なんで。腿の上でずっしり感じる重みに三島は思う。なんでお勉強なんかするの。どうせここに住む子たちはこれまでもこれからも同じ運命。勉強なんかしなくたって今までの学校にいることはできたし、この先も生きてゆけるし、生きていたくなくても、他人の手によって生かされる。

(P86)

ヴァルプルギスの後悔〈Fire2.〉 (電撃文庫)

普通に面白くてびっくりした!
イナヅマとか飛鳥井仁とかパールとか寺月恭一郎(の秘書)とか懐かしいキャラが出すぎだ。
しかしわたしはこの頃のブギポはとても好きなのでジィドとかリキティキタビとかよりよっぽど記憶に染み付いているのである。

炎の魔女やばい!とか綺がすごく主役だ!とか色々ときめきすぎた。
今まで超謎だったことが明かされたりそれはそういう……!?とかいう展開になった。主に魔女的に。

ラストで未読の「ビートのディシプリン」1一行が出てきた。多分今後ちょっと多く出てきそうな予感。いよいよ読むときが来たようだ……!

以下3巻が出たとき用に2巻のあらすじを書いておくー。

  1. 刊行中は「ブギーポップが出てこないブギポなんて!」ということでスルーした []

ソードアート・オンライン〈2〉アインクラッド (電撃文庫)

短編集。
キリトがまだギルド組んでた頃とか絶賛ソロプレイヤー中のときとかの話。
絶対的に女性が少ないといわれるアインクラッドでどこぞの上条さんも真っ青なフラグ立てっぷりです。

心の温度であーっ⊂´⌒つ。Д。)つとなる。
多分3年ぐらい前に読んでたら背中のかゆさを超我慢しながら読んでるなあ。
その昔やっていたMMO1で自キャラが製造系の職2で名前がリズ。斜め上の同名さん。
赤鼻のトナカイよりも勇気が3秒で打ち砕かれるこっちのほうが切なかった。

  1. RO []
  2. 錬金術師。ちなみに派生職のもうひとつがリズベットと同じ鍛冶屋 []

多読術 (ちくまプリマー新書)

インタビュー形式で進んでいく。
ゆっくり読もうぜとか多く読もうぜとかそういう方向の本ではなくて今までの読書遍歴とか読書スタイルとか本との付き合い方が語られている。読書術的な本は好きで色々読んでたけどこれはよかった。

狼と香辛料〈12〉 (電撃文庫)

side colorsを間に挟んでいるので半年振りの本編。前の巻何してたっけ……とぱらぱらめくった。
とりあえず今必要なのは北の地の正確な地図だと、ロレンスは羊の偉い人に港町ケルーベ1で絵画商をしているハフナー・ユーグと銀細工師フラン・ヴォネリを紹介される。
フラン曰く北の地の地図は描けるものが少なく非常に貴重なもの。リュミオーネ金貨50枚、さもなくば自分の調査を手伝え、ということだった。そして一行がやってきたのはタウシッグという村。この村には「天使が降り立った」という伝説と「魔女と呼ばれた修道女が住み着いた」という噂がある。

この巻は読むのに何だかいつもより時間がかかった。鹿肉食べたいわー。
天使の伝説の秘密。修道女が魔女と呼ばれるようになった経緯。そんな感じ。

  1. ケルーベは8巻9巻の舞台の街 []

水曜日の神さま

エッセイ。
3部構成で話は旅関係が多めです。1部は「旅と読書」とか「旅とごはん」とか「貧乏旅行」とかで、2部は硬めで長めの旅行記。3部は本の話や日常の話やタバコとか割りとごった煮風。

日曜農園

市民農園の抽選に当たって作っていた畑を残してお父さんが失踪した。
お母さんは仕事のかたわら筋肉を作ることに夢中になっている。マッチョになりつつある。
萌はお父さんが残した畑を耕すことにした。お父さんが残したもうひとつのもの、お父さんが開いたサイトと日記と園芸知識を頼ってくるメール。萌はお父さんのふりをして時々更新したりする。

面白いんだけど謎が謎のままに終わるのが多くて「何でここで終わるんだ!」っておもった。

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

ラブ(クラフト)コメディです。クトゥルーです。
クトゥルーネタはまるでわかりませんが、他に多く仕込まれている漫画だったりゲームのネタと同じように「元ネタがあるもの」と知らなければそのまま流れていきます。分からないからといって別に困らない。
狼さんがルルイエルルイエ言ってたのはこれか!とかおもった。

7 days wonder—紅桃寮の七日間 (TEENS’ ENTERTAINMENT)

お題小説とか競作小説とかそんな感じの一冊。電撃コラボを知っている人はそれを思いだすとよいかも。
共通設定:「舞台は紅桃寮・404号室が開かずの間・7日間限定」
YAなので文字が若干大きめで振り仮名が多めです。

聖母の掌底突き/谷原秋桜子
佑介は親の都合で夜逃げすることになった。親と別れとりあえずの逃避行先は入学式の1日しか登校していない高校。運よく寮に滑り込めたのだ。ただとなりの404号室はいわくつきの部屋のようだ。

谷原秋桜子作品読むのはデビュー作以来だなあ(´∀`)

桃園のいばら姫/野村美月
これが一番好きだー。女学院中等部です。まさかの百合でヤンデレです。
ノエルに会うために紅桃寮へ入寮した雨音といばら姫と呼ばれファンクラブまである美少女ノエルの話。
最初のほうは宵子が遠子先輩に見える罠。細い割に良く食べる。

この枝を目に刺したら、すごく痛いに違いない。でも、ノエルの信頼を得ることができるなら、目くらい喜んで差し出そう。愛する人のために、体の一部を失うくらい、ささいなことだ。なにを捧げてもいい。ノエルの心が欲しい。ノエルの特別になりたい。甘い震えが全身を包む。

(P103)

三月の新入生/緑川聖司
男子高の寮、3月末にフライングで入寮してくる新入生の藤川春樹とたまたま居残っていた人々の話。
404号室が転落死した人の謎をかんがえる。

あとこの話は寮のここには何があってこの階にはこれがあるという説明があったのでときめく。

マジカル・ファミリーツアー/加藤実秋
家族旅行のため箱根にあるマスコミ健保組合保養寮にやってきた一家と同じころやってきた別の一家の話。
これが一番お題とは無縁な感じがする。別にその設定なくても問題ないって感じの。
開かずの間の件も怪談怪談いうけど真相を知ってみれば「現実はそんなもんだよね」っていうみたいな。

「いっぺんでいいから、本気で悩んでみろ」
「また格闘家の名言? 場を考えろよ。空気読めよ」
思わず大樹がつっこむと、由美子は首を横に振った。
「ちがう。ドラえもん。コミックス34巻『のび太もたまには考える』より」

(P304)
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