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少年陰陽師  異邦の影を探しだせ (角川つばさ文庫)

つばさ文庫版の少年陰陽師を読んでみました。
つばさ文庫版のスレイヤーズはかなり別物になっていたようですが(→うららさんところ参照のこと)こっちはほぼそのままでした。というかあまりにも違和感なさ過ぎて笑った。

変更点はルビの大幅増量と若干漢字をひらくのと、イラスト全般。
イラストはオール描き下ろしでした。同じシーンを描きなおしているのもあるし、新しく描いたのもあり。
ちなみにビーンズ文庫は全8ページでしたが、つばさ文庫版は14枚ありました。単位が枚なのは1ページぶち抜きもあれば1ページの半分の大きさ1のもあるので。

漢字→ひらがなについては雰囲気重視なのか「これがひらかれる(ひらかれない)のか」というのが結構ありました。たとえば「鼈2」はそのままで、「探さなきゃ」がひらがなになっている。
「怨霊が闊歩している」とかもそのままですが、これはひらがなにしたら字面が不細工になるし、そうすることでかえって意味が分からなくなるのではと思うのです。
それなら他のことばに置き換えたほうがよくね?→一部だけ置き換えるならバランスが悪くなるから全体的な修正が必要にならないか→元々子ども向けに書かれている作品をさらに低年齢層向けに書き換えるとか誰得(゚д゚)→これはこのままでいい! という結論に至った。

  1. 縦に半分とか横に半分とか []
  2. すっぽん []

圏外へ

サイコロみたいな本だ。
とある小説家の話。明記はされてないけどおそらくミルリトン探偵局と世界観を同じくする本。
年がら年中小説のことを考えているカタリテ1が色々考える話。
ThinkとかBoleroよりはこっちのほうがちょっと未来の話である。音ちゃんが二十歳である。
メタだったり現実と幻想の境界があいまいだったりする。

言葉が休暇を取るとか「自分が書いた小説が現実に現れて舞台が始まる感じ、でも描写のあまりのしょぼさに嘆く」とかいいなあ。我々は今読点の中にいるんですとか。
あと「そろそろワタシもいい加減話し疲れてきた」の章が好きだ。
カタリテとそのカタリテがつくりだした登場人物の療養所のターン。
カタリテは自らが創作した登場人物に出会うことになる。その登場人物曰く、カタリテから独立して別の新しい生活を始めなければいけないことになったという。

あらすじを書くのがとても難しい本ですが、一言で言うなら「いつもの吉田篤弘です」に尽きる。
おもしろかった。

ものすごくしみじみした顔で「ああ、それはね」と微笑すら浮かべる。「音ちゃんも大人になったら分かるよ」とかナントカ。ぜんぜん分からないんですけど! すっかり大人になったのに。というか大人になってしまったおかげで、もうさっぱり分からない。

(P115)

ちなみに同じ世界観にあるのではという本がこちら。

Think—夜に猫が身をひそめるところ (ミルリトン探偵局シリーズ 1)Bolero—世界でいちばん幸せな屋上 (ミルリトン探偵局シリーズ 2)

文庫版もあるけどこっちのほうが表紙好きなので……

  1. 小説家である。妻子がいる []

真夜中の太陽〈上〉 (小学館キャンバス文庫)
真夜中の太陽〈下〉 (小学館キャンバス文庫)

あとがき曰く野梨原花南初の文庫作品1らしい。94年の作品。
またキャンバス文庫を読むことになるとは思わなかったわけですが、内容的には「隻腕の神の島」とか「風の歌 星の道」とかあったころのスニーカー文庫にあっても不思議ではない感じです。
たぶんこれは作者名伏せられていたら多分分からないと思う。ちょっと雰囲気が違う。軽快に人が死んでいる。
下巻はもしかしたら……? とか思うかもしれないけど上巻は無理だな。

奴隷のジーク、ジークに憑生している竜のキュート・亡国ファラティリオンの姫ルビィの話。

雰囲気が違うと思ったのは2つあって、ひとつは恋愛とか親子愛とか隣人愛とかなんでもいいけど「あなたが大切なんです」成分が比較的少なめだったのと、あとがき曰くの「女の子は気弱で泣き虫」なことだ。今まで読んできているのは「女は度胸」を地で行くようなひとばかりなんだよな。

ダリアがレティシア海賊団@Chonicle 2ndにみえました。ダリア姐さんはよい。

  1. それまでは新書レーベルで。 []

風の導士候補生の試練

花丸ノベルズって書いてあるからBL? BLなのか? と若干戦々恐々として読んでみたらニアホモですらなく、普通に成長物語でした。恋愛成分はなく登場人物は主に男です。
風の導士候補生に選ばれた13歳の少年2人が試験に合格するため旅に出る話。
あとがき曰く「長い話のうちの1冊」「続きを書きたい」ということなのだけど、これが16年前の本でその後続編らしき本も出ていなさそうな感じなのでお察しくださいということなのだろうか。

基本的に魔法魔法してるんだけど科学とか発明品とかが発達しようとしている世界はいいなあとおもった。

普通じゃない。—Extraordinary.

御厨しいなはイングリッシュガーデナーを目指す普通の女の子だった。
そろそろ就職の時期である。ある日突然植物の声が聞こえるようになった。
mixiで連載されてそれから本になった作品らしい。どおりで作中にmixiが結構出てくるはずだ。

紆余曲折があるわけでもなく挫折らしい挫折があるわけでもなくトントン拍子に話が進んでいく。
「流れに乗ったら行けるところまで行ってみたらこういうところに辿り着いた」という感じだった。
読みやすいのは読みやすい。でも「おっ」と思うところがなかった。

ラストの植物と話せなくなった理由に驚く。
社長の「資金さえあれば実現可能な妄想」と「植物が喋ることが妄想」と言われるのはまるで意味が違う。それは夢見がちな人か精神的に病を抱えている人ほど違う。植物が喋ることが幻想展開なのだからもうちょっとファンタジーな展開にしてほしかったなあと思う。

ところで妄想といえば87ページあたりは意味不明すぎる。mixiでやってるときになにか企画をやっていたのだろうか。「こういうのあったらいいなあっていうあなたの妄想をお待ちしております」みたいな。

フラメンコのすべて

フラメンコに関する起源・歴史など。歌(カンテ)・踊り(バイレ)・ギター・(トケ)にわけて語られる。
あとはフラメンコをとりまく世界とか衣装とか資料集とか。

親分とシャイタンに呼ばれて読んでみる。SH的にはレコンキスタ・コンキスタドールとかその辺が書かれている。ロマとモリスコ1の共生とかアンダルシアとか。カルメン・アマーヤの写真が載っていた。生きながらにフラメンコの伝説となった人とあった。白黒写真なのにすごく綺麗な人だった。

  1. レコンキスタのあたりでキリスト教に改宗したイスラム教徒 []

うみねこのなく頃に Episode1(上) (講談社BOX)

BOX版うみねこEp1。Ep1をやったのはもう遠い昔のようです。
実際かなり昔ですがその間にアニメとかコミカライズとか色々見てるのでその辺がもうごちゃ混ぜです。
ラストには「全面改稿し小説化したもの」となっていますが割とそのままのように思います。
わたしは原作ゲームを熱心に読み込んでいるわけではないので多少の修正レベルなら変わっていても分からないのですが、一目でわかる「見覚えのないシーンが追加されている」ということはないと思われます。

縁寿とかゴールドスミスとか雛見沢症候群的なあれがEp1時点で出ていることに驚くなどした。
ちなみに上巻は惨劇の直前までが収録されていた。

「今日も旦那の帰りが遅い」話。日記と狂気と人妻と。
妻・坂田三津子30歳、世田谷区の一戸建て(借家・マッチ箱程度の広さ)に住む専業主婦。
夫・坂田忠春34歳、一流と呼ばれる企業に勤め出世もしている1が残業休出が度重なっている

三津子は今日もごはんを作って春さんの帰りを待つ。23時を過ぎたけどまだ帰らない。日記を書く。
世界は自分と春さんでほぼ閉じている。ある時は通い猫がいたけどいなくなってしまった。
日記と現実の描写が交互に来る。徐々に精神面に変調をきたしていることは日記の記述で窺える。
再会した友人の紹介で春さんの薦めもありラジオ局へバイトに出る。2
「孤独」と「バイト先に届く読者はがき」で人知れず育つ狂気。

237ページがうわぁぁぁあああ(゚д゚;)となった。ページめくってさらに怖くなった。
全面的に文字が塗りつぶされている。機械的にべたっと塗りつぶすんじゃなくて書き損じをぐちゃぐちゃっと塗りつぶしたみたいに。不吉な微妙に文字が見える。うわぁあああ((((((゚д゚;)))))となる。

正直、9/21喧嘩後春さんは死亡しているものだと思った。
狂気と電波に彩られた三津子の地雷を春さんが踏む。三津子、春さんを殺す。
三津子はそのことを忘れて今日もごはんを作って帰ってくるはずのない春さんを待つ。
9/28の「下ごしらえの段階の夕食」は春さんバラしてる((チャイニーズスープの影響))。
おしまいの日は「殺したことを認識した日」「主に春さんでできている三津子の世界終了のお知らせ」
だからもう1枚めくって10/1に春さん視点があることにとても驚く。え! 何で生きてるの? みたいな。

にゃおんの体に群がる白い虫を想像して脳が死ぬかと思った。読み返してみたら確かににゃおんはここで死んだんだろう&死体回収という描写はあったけど半泣きでねずみを始末しているもんだと思っていた。

  1. 最年少課長 []
  2. この時点で相当病んでる []

あした咲く蕾

短編集。7編収録。
わくらば日記と似た感じの「普通とはちょっと違う異能の持ち主」が出てきたり「追憶する語り手」の話が多いです。時代設定はいくつは特定されており大体昭和30年代?60年代です。
最近ブギーポップ再読してるので「MPLSとわたし」とか思いました1

なかにはちょっとええ話で終わるのもありますが、しんみり物悲しい雰囲気の思い出話というのもあります。死別前提の話も含まれています。

好きなのは「カンカン軒怪異譚」「空のひと」
チャーハンおいしそうだった。空のひとはファミコンのシーンにときめいたので2

近くのボウルに入れてある卵を二つ取ると、彼女は片手で同時に割り、煙が立ち上り始めた油の中に放り込む。(略)油を吸った卵が膨れたところで刻みネギを入れ、さらに油を足して冷ゴハンを入れ、鉄のお玉で勢い欲炒め始めたのだが——そこからがまさしく彼女の独擅場だった。まるで片手に持った中華鍋が太鼓で、手にした鉄のお玉が撥であるかのように……あるいは中華鍋が親の仇で、お玉が復讐の棍棒でもあるかのように、カン! カン! カン! と打ち鳴らし始めたのだ。

(P82)

小学校低学年男子児童の腿くらいありそうな二の腕がブルンブルンと高速に上下し、火がつくほどの油は入ってないはずなのに、時おり中華鍋全体が炎に包まれる。

(P83)
  1. そしてわくらば日記はAlways 3丁目のMPLS []
  2. 接続部をフーッとするとか []

今朝子の晩ごはん—環境チェンジ!篇 (ポプラ文庫)

ブログの書籍化4冊目。2008年7月から12月まで収録。1週間ぐらいかけてちまちま読んだ。
内容としては今日の晩ごはん・政治経済・歌舞伎など・亀の話が多いです。
収録されている期間であったニュースといえばオバマ大統領が誕生したりオリンピックやってたり福田首相突然辞任&麻生内閣発足とか筑紫さんがお亡くなりになったりその辺でかなり動いてます。
麻生元首相については全面的にフルボッコでした。

自然薯の畑栽培の話をやっていて、この前満点青空レストランでやってたなあと思う。
今は山に行かなくても畑で栽培できてて、1分ぐらいで掘れてしまうそうだ。
私が見たのは容器栽培とかいうやつで、縦に伸びるんじゃなくて横に伸びる。あと容器が段になってて、トタン板だったかを除けたらまた下にっていう感じの。土とか育成環境とかはかなり山に近づけるようで。
山でとった自然薯とはまた味が違うけどすごくおいしいらしい。
ていうかあの番組急に新装開店とかいってベッキー最初からいなかったみたいになってるけどなんでだ。

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