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前巻から時間が流れ、若返りの呪いがかかっているブランカは19歳の精神に11歳の体となっていた。
今回もリリアナは強いです。目次を見てな、なんだと! と思ったのは言うまでもなく1リリアナの婚約者が非常に胡散臭いですね。しかしそれを越えて好みを突っ走るのはブランカの妹姫・レオノーラ。
優秀な姉を持ち自身は王族としては比較的劣っているものの健気ないい子だったのだが、1回キレて思うが侭に口走り突っ走り帰るところが分からなくなった、そんな非常にときめく子です。とても妹です。
あと展開がスピーディーだなあと思う。圧縮展開だなあとは思わないんだけど、あれもうそこ? みたいな。
とりあえず中身はどうあれ見た目的にセロがロリコンまっしぐらにならない程度になんとかなってほしいものです。
ペルドゥラルとレオノーラはデュラララの誠二と美香から中二だったりヤンデレ成分を引いて代わりにそんなに甘くないものを突っ込んだ感じだ。ブランカがセルティである。
「ご安心ください。死体さえ見つからなければ完全犯罪は成立します」
(P29)
- 1章のタイトルはリリアナの婚約者 なのである。 [↩]
愛とか家族とか友情とか救いとか、誰のそばにもあるものだけどそれを語るには気恥ずかしかったり面倒くさかったり、たとえばそれだけで小説のテーマになってしまいそうなことを主題において対談する。
そんな重くもなれるテーマですが、対談のノリとしては割と軽いものです。
救い・記憶・孤独・読書の項が好きだな。穂村さんはかわいいな。
いや40過ぎの男性に可愛い言うのはどうかと思うが可愛い人だよね。
お金の単位が「当直何回したらこれが買える」とか「単発原稿何本分」とか、やっぱりそんなもんなんだと思う。
鞄うらやましいな。「マイクロウェーブエンジニアには1種の職業病があって男の子が生まれなくなる(P105)」とかあってなんなのそれ、ていうかマイクロウェーブエンジニアって名前の響きが電子レンジっぽいこと以外なにをする仕事なのかまったくわかんないんだけど! とか興味がむくむくと。
最後の語りおろしが「読書」で、○○の洗礼は受けてないの?→受けてないんだよ っていう流れがあって、
スレイヤーズ読んでないの?→僕がラノベを読み始めたのは25からなのでって誰かの声がしましたよ。
ラノベ読み的パロディとしてやるならもちろんテーマ「ライトノベル」だよね。
「君にとってライトノベルってなんなの?」ってお互いの定義確認からはじめるの。
年に数回ある風物詩だよね「ライトノベルの定義について」
巻末についてる煩悩108リストの穂村さんのほうが俗いっていうか非常にかわいらしい。
春日 自分を救ってもらいたい人というのは、何がマズくてどう救ってもらいたいのかを言語化できてないわけ。できるぐらいだったら苦労してないよね。だから、そこをうまく言語化されると、安心するし救われるんだろうね。(略)子どもにとってはそれを話題にのせるだけでもすごく大変なことなんだよ。
(P46)
オリーブ少女って要するに今で言うところの森ガールなのか。
名前は聞いたことあるけどどんなのかは知らないんだよな。
章ごとに視点が変わる長編で、名古屋が舞台。
ミツコは80年代後半から90年代のオリーブ少女に憧れている中学3年生だ。ある日13歳離れた姉チエコが突然東京のアパートを引き払って名古屋へ戻ってきた。チエコを追いかけて恋人、矢野もやってきた。
矢野はミツコは憧れる"オリーブ王子"そのもので、要するに今で言うところの草食男子である。いや本当に草とか霞とか喰って生きてそうなもんである。お金に困ってなくてなんか優雅な生活で、まるで生活臭がしない。
面白いのは面白いけど普通っぽい。読後感的には「コバルトで昔あった感じの現代ものを再度やってみた」ていう感じ。
晩婚化が進み、二十八歳なんてまだまだ娘さんじゃないのといった風潮があるけれど、あくまでそれは都会での話だ。大いなる田舎、名古屋ではそういうわけにはいかない。名古屋で二十八歳といえば、「もう二十八歳」なのである。
(P173)
一番引っかかったのここだ。名古屋が田舎だというのなら四国とか「断崖絶壁の孤島」だよね。
愛知県って広いカテゴリで言うなら知らないが名古屋は都会だよ。
もし東京と比べてるならそれはどこでも田舎になるだろうし、名古屋じゃなくても28歳はどこでも「もう28歳」だと思う。おひとりさまに優しいのなんか東京のごく一部なんじゃないの。
あと星山書店とかいってないでそこは星野って書けばいいのにとか思った。
ほかは番組名とか注釈が必要なぐらい1名古屋ローカルネタが頻出してるのに。
「あれは読んだのであれば今度はぜひあれも読んでほしいなあ」というあの会話のあたりはなんだかいたたまれない気分になる。
登場人物紹介に「沼ガール」という文字が目に入り何だそれはと思ってぐぐってみたところ「自虐的森ガールもしくは『森に住んでそうっていうかお前は森より沼にいそうだよね』と言われる」≒「沼ガール」らしいです。
森ガールがさらに進化すると魔女ガールになるらしいです。なにそのドルイド。
- 実際注釈がある [↩]
エッセイである。めちゃイケを見るので光浦さんはほぼ毎週見るのですがまとまった量の文を読むのはこれが初めてだなあ。前に読書特集で1ページ分ぐらいは読んだのですが、なんかおもしろい。
いちばん最初の話が飯島愛の話なのでなんかいいようのないしょんぼり感がある。
この本はmini1に07年から連載されていたエッセイなのでそういうこともある。
ていうかよゐこ有野がすごくいいやつである。有野が絡む場合のみにおいて光浦さんがくものんにみえる2。
ラブマゲドンの回はちょうどそのときのロンハーを見ていたのであの時こんなことが……! とおもった。
いざ、演劇をやろうとしてビックリしました。まあ、演劇っちゅうのは、儲からない。儲からないどころか、ひどい赤字になるんですね。チケットが完売したとして真っ赤っ赤なんです。見積もりの段階で、もう涙が出そうです。全然、セットも衣装も贅沢な発注してないんですよ。なんなら足りないぐらい。
(P178)
ここにもシアターの片鱗が。
芸人は、人からバカにされやすくなきゃいけない、と最近思うようになりました。バカにする、というと言葉は悪いですが、いじりたくなる、かまいたくなる、これこそリアル好感度ではないか?と気付いたんです。
(P140)
「運なんてもんは尽きることはないねん。石油と一緒で掘ったらどんどん出てくんねん。石油と一緒やないで。使っても尽きることないねん。運は、どんどん掘って、どんどん使えばええねんで。自分で掘らなあかんでぇ」(略)なんてザ・鶴瓶。
(P161)
なんか風の歌 星の道とか卵王子とかあったころのスニーカー・富士見ファンタジアを思い出すような懐かしい匂いがする。あげた作品が両方冴木忍ですが他意はありません。
シュルベル王国の小さな農村で育った少女リディアの心配事は、開戦の噂より収穫祭に着て行く服、お母さんの体調と薬代、それからある日突然腕に浮いた痣。
ある日他領の騎士が乗り込んできた。すべてはリディアの腕にできた痣のせい。
それはシュルベル王国爵位の最高位である4名しかいない公爵家の継承者であることを現わす紋章である。平民として育ってきたリディアは15歳にしてガーネット領主リンドヴァル公爵として生きることになってしまった。
惜しむらくは「展開が非常にスピーディ」×「視点が途中でころころと変わる」×「登場人物が多い」のため
たまに「今どうなってるのか」分からなくなること。各登場人物思惑・陰謀が渦巻いてて非常に楽しいんだけど、リディアと同じかそれ以下の世界の知識しかないのに、リディアより多い知識と登場人物情報もたされてでも展開は止まることなくぎゅんぎゅん進んでいく。
登場人物紹介はあるけどイラストと名前しかないんですよね。顔イラストとかあっても漫画じゃないんだからそれじゃ登場人物紹介の意味がない。
せめて1文ぐらい文での説明ください(゚д゚)人
とりあえずジュリアンと王様が好きだ。
※追記:登場人物紹介文はCノベの仕様的にないらしい。
表紙のセシア(だよなあ、これ)が随分と男らしい顔つきをしている3巻。
今回は女装少年も出ているのでいい感じに倒錯しています。
変態という名の紳士御用達1の上半身裸執事はなんか実際にイギリスに存在しなかっただろうか。なんかニュースでみたことあるような覚えがあるなあ。
ディドルディドルなマザーグースにフリンギーの月の王を思いだす。元ネタはマザーグースなのかなあ、と思う。
冬毛ウェスタンラリアートとかその狂った言語センス(すごく褒めてる)が好きだ。
アリス周りが好きなんだけどもうでないんだろうなあと思う。
ていうか全部読み終わってあとがき読むとそこだけすごく違和感が……。というのも
「あらすじ帯含め本のどこにもその兆候がないのに、あとがき読むとこの巻で最終巻っぽい」
雰囲気をかもし出しているんですよ。続き出るよなあ? 新章突入前のいったん風呂敷畳みでいいんだよなあ。
ところで3の兄君は髪の毛を固めるとグレヴィール2になると思いませんか。
子ども向けでふれてみよう日本の古典その2、更級日記。
“文学少女”と美味しい噺をみてたらとても気になったので原典を1当たることにしたのだ。
更級日記は菅原孝標女の回想録で、源氏物語が読みたくって読みたくって色んな人や仏様にお願いしたりするのである。
ただひとり、几帳のかげで、だれにもじゃまをされずに、本が読めるなんて、皇后様になったようで、うれしくてたまりません。昼は、昼じゅう、夜は、目がさめているあいだじゅう、明かりのそばからはなれずに、わたくしは本を読みました。
(P63)
さきののぞみとしては、うんと御身分の高いお方で、お顔といい、お姿といい、あの『源氏物語』のひかるのきみのようなお方が、一度でもいいから、わたくしを愛してくださればいい。
(P96)
少女のときのわたくしは、あこがれや、のぞみに胸をふくらませて、このよにあるはずのないことをあるように思い込んだり、できそうもないことをきっとできると思い込んだりして、くらしていたのでございました。
(P130)
平安時代の本読みも現代の本読みも大してかわんねー。
なお“文学少女”と美味しい噺ですが基本的に「文学少女と神に臨む作家(下)」読了前提のコミカライズです。原作まったくの未読者には向かないどころかネタバレパンチの嵐なのでご注意ください。
ふだんはラノベのコミカライズには手を出さないんですが、原作をなぞった展開などではなく文学少女の今日のおやつ+主に「文学少女で日本・世界の古典を解説するよ」なところがとても気に入ったので買いました。
- 子ども向けで [↩]
テーマは「タイムトラベル・ロマンス」 よいアンソロジー。
収録作品は梶尾真治「美亜へ贈る真珠」 恩田陸「エアハート嬢の到着」 乙一「Calling you」
貴子潤一郎「眠り姫」 太宰治「浦島さん」 ジャック・フィニィ「机の中のラブレター」
非常に名作揃いだと思います。
3回ぐらい読んでいるはずの「エアハート嬢の到着」が今までになく胸キュンでした。どういうことだ!
失はれる物語に収録されたり映画化漫画化いろいろメディアミックスされていた「Calling you」はともかくとして富士見ファンタジア文庫の眠り姫がこの本に収録されているのがとてもサプライズ的存在。
元本は6年前に出版されたもので新刊書店で手に入るのは極稀なパターンではないかと思うので、記憶と古本屋に埋もれていくのではなくアンソロジーにあらたに収録されるのは良いことだ、とおもう。
富士見ファンタジア版眠り姫も非常によい短編集なのでこの本で興味を持たれた方はぜひどうぞ。
「ラノベの短編集」というとまず長編シリーズありきで番外編の集まりっぽい感じですが、眠り姫については独立した短編集です。
この本は「10代から楽しめる読みきり小説」ということでラノベ作品も収録されやすいのかなあと思います。
今月末に不思議の扉 時間がいっぱいというのが出る予定なのですが、こちらには谷川流作品が収録されます。
あと、「美亜に捧げる真珠」はKOKIAの「大事なものは目蓋の裏」
「エアハート嬢の到着」はSoundHorizonの「エルの肖像」がよくあう! とおもいました。