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不思議な羅針盤

大きいサイズ1のソフトカバーでエッセイ。
ひとつの章が長く家守綺譚より長いぐらい。話題もその中で入れ替わる。小説みたいだ。

「栗花落」で「つゆり」さんという苗字の人がいるらしい。梅雨入りの略かも? ということで。
新聞の集金のおじいさんの話が好きだ。

  1. 文庫本横置き2冊分ぐらい []

カミングアウト (徳間文庫)

心の中に秘密と悩みを抱えて生きる人の連作短編な1冊。
引いて終わる引いて終わる引いて終わるで最後にまとめてどーん(゚д゚)という感じで。
援助交際をしている女子高生、女しかいない職場で普段はロリ趣味を隠しているOL、母として妻としての今後が見えなくなったある専業主婦、独身婚歴なしのサラリーマン、定年間近で亭主関白の夫を持つ妻。

女子高生さちみの話は鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈1〉の1話、キズナの話をもっと深刻にした感じだなあと思って読みすすめる。キズナはいかに本番に行かないように引きつけるかが目的だけどさちみはそれ以降にも進行している。コインロッカーをクローゼット代わりに何人もの自分を使い分けている。さちみはいろんなところで顔を出す。すごく心配になる感じの子だ。
そして他人事じゃねえ! と思うのがリョウコ。すごくいい子だ。

「神話」の話とか、いいなあ。

解説には銃姫とかパルメニアにもがっつり言及されている。

ミステリマガジン 2010年 08月号 [雑誌]

高殿円特集が組まれているのはこの号か……。

(でも、好きなんだもの。なにも悪いことをしているわけじゃない。自分の働いたお金でやりくりしているのに、ただ好きでいることだけで、どうしてこんなに後ろめたさを感じなきゃいけないの。どうして!)

(P129)

デュラララ!!×9 (電撃文庫)

むっつりエロティカル少女クルリが表紙。本では帯で隠れているブルマがどーん。
「折原臨也さんようなかなか調子に乗ってくれてるじゃないか」と麻袋をかぶせられた男が薄暗い空間で暴行を受けているシーンからはじまる。いやこれ麻袋の下は誰なんだろう誰が入ってるんだろう。まさか臨也は入ってなくね? 情報操作された誰かが入ってるんじゃね? と思ってたら
P271でまじでぎゃーーーーーーーーー(゚д゚)
「裏の裏は表」感を心ゆくまで味わった。

メッセンジャーの名前いじってるセルティ笑った。なにこの満喫している人。
中学生臨也は恋だの愛だの 1かの子様と同じカテゴリ。

シズちゃんがイイヤツすぎる。あとこの巻の臨也は久しぶりに黒幕づいてる。
カラーページはぼっちなのかどうか考察で笑った。

「なるほど。よく解った。死ね。英語で言うと、S、H、I、N、E」
『ローマ字じゃんSHINEて、輝いてどうするんだよ』
「体内で核融合起こして輝き死ねっつってんだよ。灰になれバーカバーカ」

(P194)

スイート スイーツ ショコラ (徳間文庫)

タイトルはスイートですが内容はビタービターですよ!
毎日学校を抜け出して外でお昼を食べている佐々木愛子と石焼いも「スイーツインゴット」
数年で離婚することとなった松戸正綱の元妻との出会いと結婚と別れにいたるまでの顛末「にほひ」
智代とショコラティエになる夢と留学を諦めざるをえなかった事情、就職した洋菓子店「スイート スウィーツ ショコラ」

それぞれゆるくリンクしている作品で、「人生、思い通りにはなんねーぞ!」という事態にいる人々である。
まだ高校生の佐々木愛子でも「来年は受験」という閉塞感へ突き進んでいる。
「あの時諦めなかった」という事実が欲しい、みたいな「3月のライオン」の1シーンを思い出す。
にほひはP121で短編終了してたらまじ黒めだなあ。嫁を失った原因の肉がやっぱりこんなにも美味い。スイートスイーツショコラは本当にどっか深刻に悪いとかじゃないよなあ。

終わる世界のアルバム

ある日突然前触れもなく人が消えてしまう、そして「消えてしまったこと」が認知されず「元からいなかったもの」として記憶と世界が修正されてしまう世界の話。

塩の街とか外道王子を思い出した。
塩の街よりずっとずっと感傷的に叙情的にした感じのしんみり系。

人が消えていく世界で、写真を撮ることでそのひとの記憶を残しアルバムという墓標を作る主人公の僕。
「人が消えていることをただひとり認知してしまう」事実から自分を守るように人から距離を保っている。

滅びに向かう世界の話をするのではなく、その中で暮らす少年少女の話が語られる。
喪失と別れと繊細な動きが描かれている。誰か消えていないか教室の机の数を数えるくせがついた僕はある日机が一つ増えていることを知る。僕に写真をとられることを極度に嫌がる奈月と幼馴染みの莉子。

序盤で出てくる先生とかカメラ屋の親父さんとかはもうちょっと長く出ていて欲しいなと思った。
そいて恭子かあさーん、ととても思った。突然消えるのではなく、もうすぐ消えることを知ってしまった僕の胸のうちは、と思った

はたらく魔王さま! (電撃文庫)

魔王をプロデュース!? が強面で気弱で無職の父ちゃんが魔王(正社員)になる話なら
これは異世界へ漂流した魔王とその従者が東京でバイトをしつつ正社員を目指す話です。
あと魔王を追いかけて地球にやってきて、やっぱりテレアポの契約社員として働きながら以下略の勇者も出てきます。

エンテ・イスラを征服しかけたが勇者に追い詰められ、命からがら逃亡した魔王サタンと悪魔大元帥アルシエルが漂着したのは東京都原宿駅付近。エンテ・イスラへ帰るためには魔力を回復させる必要がある。
それまでふたりは善良なる市民として暮らしていくことを決めたのだ。残されたわずかな魔力で催眠術を使いながらサタンとアルシエルは生活の基盤を整え始める。
具体的には戸籍を作ったり、片言の日本語で交渉しながら保証人不要のアパートに住み始めたり、病院へ救急搬送され高額請求されて「健康保険、まじ大事」と銀行口座を開設して口振手続きをしたり、日雇い派遣へ行く。
この異世界から来たのに「地面に足ついてる」感。
「うちにテレビはありません」とかいってNHK集金人にお帰りいただくシーンとかわたし結構好きだ。

このふたりが住んでいる「ヴィラ・ローザ笹塚」の大家がすごい。どう見てもエスターク。
最初地の文だけで後半で挿絵でも出てきたけど安心と安定の「想像通り」。カラーになったらもっと凄いと思う。

魔王様、現職はマックのバイト店員でなかなかに優秀な子で。
元魔王なんですが郷に従えば郷に従えというか凄く人間じみている。にんげんにくしーというかんじではない。
よいあほのこだなー。

恵美が梨香の家に転がり込んだ時の「震災」の話に驚く。
ここでそれが出るのかーっていう。

本に埋もれて暮らしたい (桜庭一樹読書日記)

桜庭一樹読書日記第4巻。製鉄天使のサイン会とか伏とかばらばら死体の夜とか準備段階のGOSICKとか。
製鉄天使と伏はまだ未読である。発売日付近に買ったのに!
読書日記は毎月のお楽しみとして読んでいるけど雰囲気が変わってまた新鮮な気分……と思いながら読む。
がっつがっつと本を読んで暮らしたいものだ。

巻末付録の女子会を読みながらいいなあと指をくわえる。

桜庭 一つのジャンルを、がーっと読んで詳しくなるんじゃなくて、全体のバランスを取りながら、小説という文化全般をうっすらとよくわかりたい、というか。

(P292)

わたしも多分こっちだ……というかこっちでありたい。
ただし国内に限るなんですが。

レンタルマギカ  魔法使いの妹、再び (角川スニーカー文庫)

久しぶりねの短編集。
いつきの妹が再来したり、穂波と猫屋敷の今とか、その昔のメイザース家。
今巻はアディリシアまじヒロイン。わたしまじ猫屋敷がいればもう満足なんだけど。
3話目よかったよね。エレオノーラ。気高い。

あといつきの父ちゃん喋ってる!って思った。もうこの人ラスボスでいいんじゃね

「困ったわね。こんなに痛いのに、こんなに辛いのに、凄く嬉しい。嬉しすぎて今にも泣いてしまいそう。--あなた、本当に、私を愛してくれていたのね」

(P258)

身代わり伯爵の花嫁修業  III 禁断の恋の手記 (角川ビーンズ文庫)

溶けるようにやってるんですよ。そんな花嫁修業はとりあえず終了の巻。でも結婚式はまだ。

シアラン亡命組の再登場。久しぶりだわー。
今回は「まるでミレーユの観察日記のような文が雑誌に載っておりそれがいま公都で人気を博していると聞かされる。ミレーユはその作者を探したり、男装で第5師団でアニキアニキ言われたりリヒャルトの従兄が「ミシェル」にちよっかいを出したり、相変わらずといえば相変わらず。
フレッドがきらきらしてたりミレーユが兄貴と慕われていたりリヒャルトがデレデレしていたり、まあ通常営業。
好きな挿絵はP197です。(゚д゚)シュパーン ロジオンはよいバカだった。あと3年後が楽しみだ。

シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)

「シアターフラッグ」に新たな危機。
まあ小競り合いとか、もし300万耳を揃えて返済できたとして、そのあとも劇団としてやっていくためのあれこれとか、元劇団員からのあれこれとか。
前の巻は割と劇に関してと兄弟愛! という感じだったけど2巻は恋愛寄りである。とても。
読んでて楽しいのはゆかりと小宮山なんだけど、好きなのはスズと茅原。特に茅原。
一気に時間が流れている。
次が完結か。また来年かその辺に出てくれるといいなあと思った。

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