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死神姫の再婚 -始まりの乙女と終わりの教師- (B's-LOG文庫)

ついに迎えた! しかも古式ゆかしき朝チュンで
よいものだ! それはよいものだ! しみじみとトレイスの気分が味わえる。破廉恥! 
読みながら布団の上を360度回転した。再婚おめでとうございます。今後もワールドイズ嫁で1

92〜93ページのあたりが好きです最近なんかガーンとツボが練成されている。ハイタッチis燃え。

「死なないが嫌な気分になる粉」と成分を考えていて「1週間履き続けたブーツ」ということでどうか、という結論。

割と序盤の言いあいをしているカシュヴァーンとトレイスとかこいつらばっかじゃないのかと思いつつ可愛い。
トレイスは徐々に変人度というかカシュヴァーン馬鹿が上がっていったなあ。
今回はルアークとジェダの「息子」で「お母さん」ぶりがあちこちにあったのでにこにこしていたんだけど、ジェダが! 
なんかこのひとは本当に真面目で、真面目なだけに不憫な人だな。まじ尖兵。
1号3号とか、岸田メルさんここ最近ずっと「いい仕事をしている挿絵大賞」すぎる。

特典SSの「トレイス画伯の初夜指南」もあわせて読んでしみじみ。

口付けに及ばんばかりに盛り上がる二人を、間合いを計る暗殺者のまなざしでジェダがじっと見つめている。今にも手が出そうになっている彼をセイグラムが制した。
「ジェダ、まだ動くな。奴が逃れられない罪を犯してから仕留めろ」
「はッ」
「……セイグラムさん、やっぱりジェダさん返してくれない?」

(P162)
  1. せかーいでいちばんめーがーみーさーまーで []

ギデオンの恋人 (講談社X文庫?ホワイトハート)

なんかタイタニック1を思い出すなあ、映画的と思ってたらあとがきを見るとそんなにまちがってない気がする。これを書いた後わけあって「氷雪王の求婚」の感想エントリを見たんですが、そっちもタイタニック! って書いてて自分の比較対象の貧困さにがっかりだ! 最初にネタをがっつり割られるのは「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」も同じなんだけど、なんかすげー映像的なのだ。

老メリッサのモノローグから物語ははじまる。
ここから老メリッサ→若い頃のメリッサ→幼い頃のメリッサと映っていく。
メインは「20世紀初頭、第1次世界大戦のイギリス辺り」を下敷きにした感じのアンゲリア王国。

裕福な生まれのメリッサは子供がプレゼントをもらえる「聖ユースタットの祝祭」のときに欲しいものを書く代わりに「サーカスへ行きたい」と書いた。困り果てた母は伯父に相談し、メリッサは無事サーカスへ行けることになった。
メリッサはサーカスでことばを喋る不思議なライオンと無口な綱渡りの青年リンドウと出会う。
デビュー作は「もし禁書のインデックスが女子高生だったら」だった2んだけどこれはよいラブストーリーだった。

  1. ディカプリオ主演のほう []
  2. 面白かった。価値観まじゆるぎねえ []

アルケミストの誓約 白金の王女の夢物語 (B's-LOG文庫)

騎士と王女 饒舌な幽霊 蒸気機関車 錬金術と数秘術 そんな感じです。
タイトルは王女ですが主な視点は青年です。キーリが好きな人は好きなんじゃないかなあと思う。

新しい技術・蒸気機関から派生した新しい科学のようなもの「数秘術」と、旧来からの技術・いわゆる魔法「錬金術」が激突した世界を揺るがす戦争から2年経った。
錬金術側「コローニアの英雄」と謳われたウィルは現在中立国で小説家を志しつつひっそりと暮らしている。
このウィルがハーヴェイっぽい。いや「生きること」そのものに対しての偏差値はウィルのほうが明らかに高いのだけど。雰囲気が! 読み終わった後無性にキーリが読みたくなった。あれも蒸気機関が走っている……。

で、数秘術の国ブラッキアリにコローニア王族で引きこもり・説明不足・錬金術師のアンジェリンが亡命してくる。
ウィルには「英雄」以外にももうひとつ秘密がある。「幽霊が見える」こと。そしてアンジェリンには執事の幽霊がついている。彼、エルネストはアンジェリンを溺愛し、アンジェリンに近づく男は屑だと思っている。非常に多弁な男である。

エルネストは挿絵があるにもかかわらず脳内では外見ロノウェ1中身ルパート様2で再生された。アルフォンソは胡散臭い眼鏡でよい。とてもよい。ウィルの書いた小説が読みたい。調理済みの鶏肉の血抜き戦争……洗濯ばさみのロマンス……。どこのAmazonに行けば買えますか。

それまで目にする機会がなかった「数秘術師」をよく聞いた2月でした。いやアンチリテラルは未読ですが。

章タイトルとか変則挿絵とか、この手間隙かかってる感あってかわいい。

(上)(下)って解ってるから安心して来月を待てる。
変に期待を持って「こ、これで終わりなのか……」なのかとしょんぼりしない。
楽しみだな。

小さいころから聞き慣れた国歌が頭の片隅から響き始めて、すぐに全身を震わせる。骨がかゆい。指がむずむずする。心臓が震える。まるでわくわくしているときみたいに。ただ単に音に反応して震えているだけなのに、身体は勘違いする。俺は興奮してるんだ、って。俺は戦いたいんだ、って。戦いたい。戦いたい。殺したい。頭の隅で誰かが怒鳴っているみたいだ。
うるさいな。本当にうるさい。気持ち悪い。
俺は一体何者なんだ。俺の体はどうなってるんだ。俺の魂はまだここにあるのか。ないのか。

(P14)
  1. うみねこのなく頃に []
  2. 俺と魔王の47戦 []

待っている怪談 白い本 (ポプラポケット文庫 児童文学・上級)

主人公の子が「怪談の本」を読み始めて作中作を挟みつつ、現実となんだかリンクしていくのがこのシリーズなんですが、今回はちょっと切ない系。いわばちょっといい話系のホラーだと思います。

両親とも予定が入ったので「ぼく」が先にペンションへ行き、その行きの電車の中で女の子と出会う冒頭。
「ぼく」はなんだかよくわからない不思議な事態に触れていくのです。
怪談は「夜の訪問者」と「白装束」が好きだな。

この前巻頭カラーだったのをぺらっとして電撃がばりばりばりと走ったので
1巻購入→読んだ後ごりっと購入。そんないつぞやのとなりの怪物くんのようなことをやりました。

校務員×女子高生です。青年×少女です。青年×少女です(大事なことなので2回言いました

紅林照は唯一の肉親である兄を亡くし、今は奨学生として高校に通っている。
「頭のいいアホ」というか「アホキャラだと思っていたけどそういえば賢い子だったよね」とかそういう感じの子なのですが、彼女には兄からもらった携帯電話があって、それにはDAISYという「兄の友人」ということ以外は何も分からない人物からのメールが届くのだ。あしながおじさんみたいなもので、DAISYは照の心の支えです。

ある日照は学校でうっかり窓ガラスを割ってしまい、金髪の校務員黒崎に「弁償できないなら体で払え(#゚д゚)ゴルァ」と校務員の仕事を手伝わされることになり……という。
学園生活に終始するのではなく、「ハッカー」「DAISYを騙ったウィルスメール」「DAISYの正体・生まれ」とかが結構多いです。たまに流血沙汰です。ギャップ萌えというかですね、二面性とでもいうかパァンとなります。
いやなんですか、「メール」っていい文化ですね!

最近ついったーでたびたび「黒崎ハゲろ!」って言ってたのはこれを読んでいたからです。

ちなみに1話ではかなりあれげな生徒会長ですが彼女はぐんとすごいいい子になるので、うわこの子無理だわと思わず、長い目でみてあげてください。

2011年2月現在8巻まで出ています。全部買っても3000円ちょっとです。
電撃5冊分ぐらいです。ビーンズ6冊分ぐらいです。
ちょっとずつ読むか、まとめて読むかはさておき4巻止めはおすすめしない!
あと裏表紙にあらすじがあるのでみちゃだめ絶対。

「黒崎ハゲろの会」「奏兄ちゃんまじ最高」友の会は入会者募集中です。ええ。

電撃デイジー 1 (Betsucomiフラワーコミックス)電撃デイジー 2 (Betsucomiフラワーコミックス)電撃デイジー 3 (Betsucomiフラワーコミックス)電撃デイジー 4 (Betsucomiフラワーコミックス)電撃デイジー 5 (Betsucomiフラワーコミックス)

電撃デイジー1-8巻 セット (Betsucomiフラワーコミックス)

不思議な羅針盤

大きいサイズ1のソフトカバーでエッセイ。
ひとつの章が長く家守綺譚より長いぐらい。話題もその中で入れ替わる。小説みたいだ。

「栗花落」で「つゆり」さんという苗字の人がいるらしい。梅雨入りの略かも? ということで。
新聞の集金のおじいさんの話が好きだ。

  1. 文庫本横置き2冊分ぐらい []

カミングアウト (徳間文庫)

心の中に秘密と悩みを抱えて生きる人の連作短編な1冊。
引いて終わる引いて終わる引いて終わるで最後にまとめてどーん(゚д゚)という感じで。
援助交際をしている女子高生、女しかいない職場で普段はロリ趣味を隠しているOL、母として妻としての今後が見えなくなったある専業主婦、独身婚歴なしのサラリーマン、定年間近で亭主関白の夫を持つ妻。

女子高生さちみの話は鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈1〉の1話、キズナの話をもっと深刻にした感じだなあと思って読みすすめる。キズナはいかに本番に行かないように引きつけるかが目的だけどさちみはそれ以降にも進行している。コインロッカーをクローゼット代わりに何人もの自分を使い分けている。さちみはいろんなところで顔を出す。すごく心配になる感じの子だ。
そして他人事じゃねえ! と思うのがリョウコ。すごくいい子だ。

「神話」の話とか、いいなあ。

解説には銃姫とかパルメニアにもがっつり言及されている。

ミステリマガジン 2010年 08月号 [雑誌]

高殿円特集が組まれているのはこの号か……。

(でも、好きなんだもの。なにも悪いことをしているわけじゃない。自分の働いたお金でやりくりしているのに、ただ好きでいることだけで、どうしてこんなに後ろめたさを感じなきゃいけないの。どうして!)

(P129)

デュラララ!!×9 (電撃文庫)

むっつりエロティカル少女クルリが表紙。本では帯で隠れているブルマがどーん。
「折原臨也さんようなかなか調子に乗ってくれてるじゃないか」と麻袋をかぶせられた男が薄暗い空間で暴行を受けているシーンからはじまる。いやこれ麻袋の下は誰なんだろう誰が入ってるんだろう。まさか臨也は入ってなくね? 情報操作された誰かが入ってるんじゃね? と思ってたら
P271でまじでぎゃーーーーーーーーー(゚д゚)
「裏の裏は表」感を心ゆくまで味わった。

メッセンジャーの名前いじってるセルティ笑った。なにこの満喫している人。
中学生臨也は恋だの愛だの 1かの子様と同じカテゴリ。

シズちゃんがイイヤツすぎる。あとこの巻の臨也は久しぶりに黒幕づいてる。
カラーページはぼっちなのかどうか考察で笑った。

「なるほど。よく解った。死ね。英語で言うと、S、H、I、N、E」
『ローマ字じゃんSHINEて、輝いてどうするんだよ』
「体内で核融合起こして輝き死ねっつってんだよ。灰になれバーカバーカ」

(P194)

スイート スイーツ ショコラ (徳間文庫)

タイトルはスイートですが内容はビタービターですよ!
毎日学校を抜け出して外でお昼を食べている佐々木愛子と石焼いも「スイーツインゴット」
数年で離婚することとなった松戸正綱の元妻との出会いと結婚と別れにいたるまでの顛末「にほひ」
智代とショコラティエになる夢と留学を諦めざるをえなかった事情、就職した洋菓子店「スイート スウィーツ ショコラ」

それぞれゆるくリンクしている作品で、「人生、思い通りにはなんねーぞ!」という事態にいる人々である。
まだ高校生の佐々木愛子でも「来年は受験」という閉塞感へ突き進んでいる。
「あの時諦めなかった」という事実が欲しい、みたいな「3月のライオン」の1シーンを思い出す。
にほひはP121で短編終了してたらまじ黒めだなあ。嫁を失った原因の肉がやっぱりこんなにも美味い。スイートスイーツショコラは本当にどっか深刻に悪いとかじゃないよなあ。

終わる世界のアルバム

ある日突然前触れもなく人が消えてしまう、そして「消えてしまったこと」が認知されず「元からいなかったもの」として記憶と世界が修正されてしまう世界の話。

塩の街とか外道王子を思い出した。
塩の街よりずっとずっと感傷的に叙情的にした感じのしんみり系。

人が消えていく世界で、写真を撮ることでそのひとの記憶を残しアルバムという墓標を作る主人公の僕。
「人が消えていることをただひとり認知してしまう」事実から自分を守るように人から距離を保っている。

滅びに向かう世界の話をするのではなく、その中で暮らす少年少女の話が語られる。
喪失と別れと繊細な動きが描かれている。誰か消えていないか教室の机の数を数えるくせがついた僕はある日机が一つ増えていることを知る。僕に写真をとられることを極度に嫌がる奈月と幼馴染みの莉子。

序盤で出てくる先生とかカメラ屋の親父さんとかはもうちょっと長く出ていて欲しいなと思った。
そいて恭子かあさーん、ととても思った。突然消えるのではなく、もうすぐ消えることを知ってしまった僕の胸のうちは、と思った

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