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ハケンアニメ!

覇権アニメを狙う人たちの物語。
覇権っていうと俺妹やってたときのアニプレックスゆまさんを思い出すなあと思ったら巻末の謝辞のところにいた。

スロウハイツとか凍りのくじらほどではないにしろエンタメで生きてきた人間にとって第一章はほんま殺す気かと。

リア充って現実や恋愛が充実している人間を揶揄して指す言葉があるけど、リアルが充実していなくたって、多くの人は、そう不幸じゃないはずでしょ? 恋人がいなくても、現実がつらくても、心の中に大事に思ってるものがあれば、それがアニメでも、アイドルでも、溺れそうな時にしがみつけるものを持つ人は幸せなはずだ。覇権を取ることだけが、成功じゃない。

(P105)

「----ともかく、もとからある景観を壊してまでアニメの何かを置こうって考えるのは本末転倒ですよ。ファンは、場所さえわかれば、あとは自分の見方で世界観を補いますから(略)実写の時と違って、アニメファンが見てるのは、ここそのものじゃなくて、自分の中にある景色ですから、現実の景色はそれを映すときのスクリーンみたいなものというか」

(P284)

タイバニとうたプリの特定しましたの流れを思い出す。

殺させてもらえなかったといってトウケイを去った王子が生きる話を書いたところでその年月に転がるしかない。人の変化は美味い。

うちは聖地巡礼じゃないですけど東京から遠く離れた地で、アニメで町おこしじゃないけど年2回で何万人という規模で人が集まるマチアソビというイベントをやっています。まだなんの告知もない時点からホテルが埋まったりして人の熱意はいろんなものを動かしているというのを目の当たりにしています。すごい本を読んだ。

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

本編の前日譚。グソンの生い立ちと朱ちゃん着任前のかがりくんメインの話。
グソンの過去はまじえぐいです。同じジャンルの箱にはされ竜が入ってます。まじ色相濁る話なのでアニメ版のサイコパスがぐろいと感じる人は読まないほうがいいレベルー。多くの犠牲の上で生かされてしまったグソンの話です。王陵璃華子がちらっと出てたのが嬉しかった。でもグソンやべえ。
女神(シビュラ)に徹底的に無視された存在だという填島が出てきた辺りはちょっと癒しのターンだった。ここまで救いとかなんもないからな。

かがりくんの話は本編の1年前でグソンの話に比べたらなんと平和なことか。1年前なので管理官ギノさんいるしこーがみさんいるしまさおかのおっさんも普通にいます。料理大好きかがりくんが生まれる話です。クッキングアイドルは一人の料理人と出会うまでは食事とは栄養補給の手段で流動食とか簡易なもので構わないと言っていた頃がありました。そんな話です。

分量としては6割グソン4割かがりくん。

おこぼれ姫と円卓の騎士 恋にまつわる四行詩 (ビーズログ文庫)

サブタイトル的に短編集かと思ったら「薄めの本編」といっても通るぐらいの長さの中編と掌編が3つ、ちなみに中編はウィラードとアイリーチェの出会いの番外編で、おこぼれ姫シリーズ最大に甘い話です。あっそういえばこれ少女小説レーベルから出てるやつやったわ! って思った。
でもウィラードがメインということもあって、「おまわりさんこいつです!!!」レベルもハンパないです。
あと騎士学校の話でアイリーチェが元旅芸座の踊り子ということもあって、ダンス成分が多い話です。ドレスもあり、剣舞もあり、おいしいです。
あとの掌編がアストリッドのワルツとかレティとデュークの(一方的な)出会いの話とかノーザルツの話。おもしろかったです。

f-clan文庫で刊行された相棒とわたしの同人誌版の新刊です。

惚れて通えば千里も一里 大阪インテありがとうございました〜!!!

とらとか通販をしてるみたいです。なんか全3巻となるようで、え、まだ続きあるんだ!? ってなった。
商業出版は絶版になってもブックオフっていう手があるけど今回は同人だし重版はまずないと思って、気になる人はとりあえず買って積んでおきましょうね。
とりあえずフォルク推しなんですけど。読んでてぎゃあ! きゃあ! ってなった。
最近「ずっとこのままでいたい」と「このままじゃいられない」と「もう1歩先へ進みたい」が私の中でとても流行っているんですけどまさにそんなかんじでしたごちそうさまです。

デュラララ!! 外伝!? (電撃文庫)

デュラ外伝。あちこちに掲載されてたり収録されてたやつ。デュランプとかちょう懐かしいわ。
予想外の喜びは「黒髪中学生シズちゃん」と「成人式のシズちゃん」と「ワゴン組メイン」の話があったことです。
難解いざや城は麒麟川島の声で再生された。くどいわ! って突っ込み入った。

あとアニメ2期放送が割と早くてびっくりした。来年早々からはじまるんだな……

知らない映画のサントラを聴く (新潮文庫)

竹宮ゆゆこだった(ざっくりした感想)
あらすじは「お前は何言ってるんだ」っていう感じなんですが話の内容を強引にまとめるとあんな感じです。
23歳無職の枇杷と親友の朝野の小学校の時のまずよくて、プールいいなあっておもった。でんぐり返り、やってたわー。
枇杷と朝野の物語がもうほんとうにきれいなんだよ。でも23歳の枇杷は現実で時々スコップもって殴りに来てた。側溝組には空の広さも眩しい。
二人なら永遠になれるはずだったとかなーーーーー。
喪失と断罪と贖罪と代替品で。枇杷と昴は朝野を中心においてその周りをまわって相互補助みたいな感じで、読んでるほうもすごいぐるぐる回ってる感じあった。

枇杷の「私は家族のためにいろんなことをやってきたのに」っていうことが実はいなくても世界は問題なく回っていて、久しぶりに会った義姉は心配もしてないと思ったらちゃんと居場所を明らかにされていたとか、うまく言えないけどー透明人間(いなくなっても誰にも気づかれてないと思ってたけど朝野がいなくなってもだれかはちゃんと見つけてくれていた)みたいななにかが要するに「めっちゃゆゆこっぽい!!!!!!!」っていうところに落ち着きました。

安達としまむら (3) (電撃文庫)

クリスマスの次はバレンタインです。チョコレート交換しようからはじまるだいたい10日間ぐらいを2人の視点から語られます。昨日喰う寝るふたり住むふたりを読んだせいか、同じ出来事を別々の視点から語るというのがとてもおもしろいなあとおもうのですが安達のだんだんあかん感じがよい。しまむらにこれしてよって言われたら断れないんだろうなとか案件。借金の保証人とかにはなるなよ。
昔の友達と一緒に行動するときの疲れる感じは10代じゃなくても今でもずっと続いていくんだよなあ(わたしは「私の職場にいる人のおもしろい人(わたしは知らない人)」の話を延々聞かされたり年金の話だとか将来の話だとか嫌だから飲み会のセッティングも逃げ続けている
あの、しまむらからも(安達は)特別であってほしいという安達の重さなー。「バレンタインに好きな人にチョコレートを渡す」という大事件以外まったくもってふつうの日常で別に大がかりな事件が起こるわけでもなしこの微妙ーーーな距離感を描くのがうまいなーーーーとおもいました。

あやかし飴屋の神隠し (メディアワークス文庫)

紅玉さん・現代・お祭り・メインか少女じゃなくて男です。妖怪も出てきます。神社には妖怪が付き物なのでしょうがない。
私が祭りというとまず想定するのが阿波踊りでその次がえべっさんでな。
縁日の一角にある飴屋を営む叶義と牡丹。あやかしを見るをもった青年と作れないものはないという飴細工師である。キャラ飴を作ったりする中で妖怪飴もつくる。悩み相談的な、妖怪退治的な、なんかそういうのとあと才能の話。
雰囲気的には夜市とあまつき。全四話っていう感じで最初の一話ぐらいは攻撃力低いなー(でも生活に困難をきたす程度の腱鞘炎は俺覚えがあるので胸が痛い)と思ってたら真綿を持ち出してきてやっぱり鈍器もって殴りかかってきたのでいつものやつだーーーーーーーーーーー! ってなった。

皮肉屋の青年でなまえが叶義っていう時点でこいつは吐血しないなと思った。違いない。
私基本的に才能の話っていうか持ってる人とと持ってない人の話が好きなので……あと一宿一飯の恩義とか生きろとか。

「行く手を阻まれても、背中をどんなに押されても、ゆらいだりしない、フラットな気持ちが……一番強いんじゃないかとは、思います」

(P97)

陸と千星~世界を配る少年と別荘の少女 (ファミ通文庫)

1冊完結の一夏の恋の話ですね。昔のコバルトで読んだことある感じの心理描写で1冊という感じの言い方悪いんですけど綺麗で地味な話です。

登場人物は中学生数人と家政婦さん、それからネグレクトの両親。
陸には若くして陸を生んだけど男にだらしない母。
千星には昔々から冷え切った仲の両親がいた。千星がこの別荘がある地にやってきたのも両親が離婚の話をする間に追いやられたためだ。陸と千星は最初はとばされた麦帽子を拾って、2度目は陸が早朝の新聞配達のアルバイト中に出会った。毎日顔を合わせるが恥ずかしさもあって特に何かを話すこともできない。

出す宛のない手紙を書いて、笑うことしかできず泣けない千星とろくでもない母親に絡まれて無表情のまま感情を動かすことをできない陸の交流です。

うちの執事が言うことには (角川文庫)

年若い当主と執事の物語。若干のミステリ要素。短編集。

烏丸家27代当主についた花穎は若干18歳。父真一郎は当然の引退声明とともに前執事鳳をつれて旅に出てしまった。
花穎につくことになった執事は衣更月というこれもまた若い青年である。花穎は鳳が自分についてくれることを楽しみにしていた分がっかりした。衣更月もまた鳳が執事ではなくなり自分が使える主人が年若い青年でがっかりしていた。
わたし小説で執事というとジーヴスを連想するんですけど若い主人を助ける有能な執事というのではなくて、一緒に成長するというのはよいと思います。まあライトなんですけど。
そしてこの2人が心酔する鳳さんがスーパー執事(今出世して家令)なんですよ。まあだいたいパーフェクト執事です。よい執事です。

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