カテゴリー「 単行本 」の記事
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TRICK青春版である。映画公開にあわせて発売されたということだけどなにかしらのノベライズということではなく完全な新作。しかしこの表紙、上田の存在感がありすぎである。
中学生山田奈緒子は先生に誘われて同級生数人と一緒にN県の踊螺那村に向かうことになる。そこで出会ったのが世界的に有名な物理学者になるべく武者修行中の上田次郎である。踊螺那村には突然消えてしまった「帰空城と玲姫」の謎と埋蔵金の噂があった。
そして名乗りこそしていないがどう見ても矢部としか思えない警官も出てくる。
ドラマより10年ほど前が舞台だというのに山田と上田のやりとりといったらまるで変わりない。
地の文に時々現れる「編集部注:」がくどく感じられる時があるんだけど、すごくTRICK愛に溢れた本だなあと思います。
各種お酒(日本酒ビール焼酎泡盛ワイン)の歴史・作り方(白黒ながら写真付)・酒造りに携わる人にインタビュー。児童書コーナーにあったので内容は簡単な感じで、でも面白いです。
もやしもんみたいな感じだ。
ちなみにもやしもんの発売日は7/6です。
もやしもん 9—TALES OF AGRICULTURE (イブニングKC)
観戦記が占める割合が比較的多いものの、印象に強く残っているのは私も大好き「建もの探訪」関連エッセイである。「おはようございます渡辺篤史です」は土曜出勤だと見られず日曜日のBS朝日での放送も見られないことが多い1
「ご覧ください、水平線を一望できるこのダィカィコゥ」とか「いいねぇ?」とかまじで音声再生される。
渡辺さんが異常にテンション上がっているのはイスを見たとき、あとペットを見たとき、子どもを見たとき。
あの超笑顔で獲物に近づくところがとても好きだ。
北京五輪のときとか大阪市主催若手文学賞のときの「関西弁のおっさん」描写がツボにはまりすぎて死ぬかと思った。
少し高めのパソコン用チェアを買って対策を講じても、たった1脚のイスがすべてを解決してはくれない。確かに、人間工学に基づいたデザインは、腰の調子が悪くなるスピードを緩めてくれる。しかし、決して回復はしない。どんな高価なイスに座ろうと、腰への負担は必ず存在するのである。
(P20)
- お昼にやっているので外出している可能性が非常に高いのだ [↩]
「あなた」と「私」、メイン二人の人名が出てこない重めの恋愛小説。幸福感希薄。
2人だけしか登場しないわけではないけど「名前」を持っている登場人物はとても少ない。
「あなた」は妻がいる身で、年も大きく離れている。
「不倫の割に、兄妹みたいだったり初々しい恋愛だったり純愛」だったりしない。結構どろっとしている。妻ある身が手を出しかつそれを受け入れるっていうことはそういうことだよな! と思った。けして明るくはないがよいと思う。
「もっと、絶望しろよ」である。
「土曜ワイド劇場的な不倫」ではなく、かといって「ふつうに恋愛でもいいんじゃないかと思うぐらい配偶者の存在感が希薄」なのでもない境界線というと、これとか三浦しをんの「天国旅行」収録のあれぐらいが私にとってはいいのかも。背徳感とかはいらないけど不安と後ろめたさはほしいよなー。
あれ、この絵Pixivで見たことあるぞ!1っていうのが読むきっかけでした。
2140年、人間はついに不死を手に入れた。
ロングプラスという薬を定期的に摂取することで臓器の細胞を活性化させ、死を遠くへ追いやったのだ。
人が死なない現代では新たな命というものが最早不要である。世界は人にある宣言への署名を強いた。
"子どもが欲しければ自分が永遠に生きられる権利を放棄すること"
それでも違法に産まれてくる子どもは後を絶たなかった。
いい国に生まれたとしても子ども達は収容所に集められる。そこでは名前以外なにひとつ自分のものは持てない。「勝手に世界に押しかけてきた許されざる存在には、せっけんの1つでさえも与えなくてよい」というのが基本だ。姓さえも奪われる。統一してサープラス(余計な存在)という姓になる。
懸命に働き、サープラスのうちでももっとも上位の存在アセット(一番使い物になる働き手)になろうとしていたアンナはある日ピーターと会った。サープラス・ピーター。彼はアンナの両親を知っているという。
ピーターはこんなところにいては駄目だという。サープラスはサープラスらしくしていればいいのにというアンナは徐々に変化を遂げていく。
読みながらすごくどきどきした。舞台設定の話が多いけどそういうのは好きだ。たまらない。
読書メーターのコメントを読むと、「話のオチの予想はついていた」が割といて驚く。
「○○が××なのは△△の時点で気がついていた」というのは「数多く読んで話のパターンを蓄積している」みたいな経験の有無の差なんでしょうか。海外作品はほとんど読まないのでその辺はまったく分からないんですよね。
手放しでは喜べない陰りのあるハッピーエンドのおはなしでした。
- しかもブクマに入れてあるぞ! [↩]