カテゴリー「 小説 」の記事

368件の投稿

夏のくじら

懐かしい……!
東京で育った篤史は高知大学進学を機に祖父母の家へ移り住んだ。
町内会でよさこいチームを復活させることになり、それに参加することになる。

土佐弁もよさこいの練習シーンから本番からいろいろ出てくる。
私は本場のものこそ見たことありませんが、大学時代は2年ほどよさこいを踊ってました。
とても懐かしい。
(ちなみに阿波踊り王国にあってよさこいを選んだのは「この機会を逃したら一生縁がないと思うから」です)
読んでて、鳴子の音がなんか聞こえてくるし、歌も聞こえてくるし実際ちょっと踊ったりしておりました。

振りはそれらをふまえ、はじけるような元気のよさをちりばめながらも基本、隊列美を尊重する高度な群舞をめざしていた。腕を差し伸べたときの鳴子の角度、くるりとターンするときのスピード、決めポーズの時の腰の高さまでひとりひとりダメ出しされる。

(P165)

懐かしい懐かしい!と思ったシーン。
毎日3時間とか普通に練習してたなあとか、いざ指導する側に回った時の難しさとか、いかにして目立つかとか(←とても重要)カチャーシー踊ったりとか(エイサーチームもあった)大学時代を回顧してみるのです。

県内どっかでよさこいサークルとかないだろうか(ないよなあ。

初恋素描帖 (ダ・ヴィンチブックス)

ショートショート。14歳の初恋1クラス分。か わ い す ぎ る 
とても好きなのが佐原さんと武田君で!

「え、なに、告る気?『わたし、もじもじ……ずっと武田のこと好きだったの!』みたいな」
(略)
「アンタなんかに告るわけないじゃん、ただアレだもん、今度の学祭に漫才コンビ組んで出ない? って言いたかっただけだもん!」

(P139?140)

佐原さん視点と武田君視点両方読めるとか死ぬ。青すぎて死ぬ。

佐々木さんも好きだ。

私はこうして小さな幸福を貯めるのだ。部活で会うだけの西村先輩との会話、きれいに切り取ることができた空と先輩の絵、そういうのを記憶に貯金する。家に帰ってからなんどもなんども確かめる。食事の後片付けをしながら、ブラウスにアイロンをかけながら、ずっと思い返している。
それだけでいい。

(P79)

告白しないままに終わるオチかとおもったら何だあの切ないオチ。
ほしいものはなんでもあげる みたいな。

インパクトがありすぎた一文は

美しい。美しすぎてのたうちまわりたい。

(P113)

名前が鍵太郎だったためにうっかり生徒会@富士見ファンタジアの鍵が頭をよぎっていきました。
森君も好きだな。こっちが本当の夏だ!とかいってるところが。
これの原形になった(らしい)豊島さんのリアル中学生の時の日記読みたい。日記なのに3人称。



タルトタタンの続編。ビストロ・パ・マルの愉快な仲間たちの話。
このシリーズに関しては謎とかミステリとかいうよりは「そういえばこの前あった不思議な話なんだけどね」ていう日常の雑談ぽい感じのほうが似合ってる。
で今巻はタルトタタンに比べるとさらに柔らかい内容になったような。
でも氷姫はなんか別のシリーズの短編が混ざったみたいな感じがあった。パ・マルが舞台じゃないしリスカとか刺殺とかでてきて、なんか唐突すぎる。
憂さ晴らしは実にスイーツ(笑)だな。話がスイーツなんじゃなくて登場人物がスイーツ。
マドモアゼルブイヤベースが好きだ。三舟さんがかわいらしい。

みぃつけた

しゃばけシリーズの絵本。一太郎5歳と鳴家の出会いな話。
一太郎と鳴家しか出ない(ばあやぐらいなら出ますが脇役も脇役)
「鳴家可愛いよ鳴家 鳴家がしゃばけシリーズNO1だよ」な人はKOされるかと思いました。

あなたの呼吸が止まるまで

なんかこう誰かが死ぬ話かと思って敬遠してたら「小学校6年生女子、クラスとか頑張ってみる」話だった。
こっちのほうの展開に行くのか!と思ったので微妙な気分に。読後はあんまりよくない。

「課題曲は、音楽の時間に習った『未知という名の船に乗り』です。これから自由曲を決めましょう。ただし、みんなの前で歌うんだから、下品な歌詞の曲は禁止ですよ」

(P114)

懐かしい(ごろごろ
未知は私トランペットとか吹いてた超歌ってた。

食堂かたつむり

インド人の彼氏に家財道具一式とお金を盗られて、ずっと帰っていなかった故郷に帰ることになった私(倫子)の話。元々自分の店を開くことが夢だったので、自宅の物置小屋で食堂を開くことにした。

エピソードが詰め込まれすぎな感じがしました。伏線かと思ったらそのまま流されていったとか。あと「食堂かたつむり」が実際商売としてやっていけるかとか考えたら駄目だなと思った。その辺はファンタジーで。

強運の持ち主

特に興味があるわけではなかったけど、時給のよさに惹かれて占い師として働くことになった吉田幸子もしくはルイーズ吉田(芸名的なあれ)の話。短編集。
作中での占い師は「適当なことを言って背中を押すのが仕事」で、全体的に普通だった。可もなく不可もなく、みたいな。

アカペラ

アカペラが好きで、ソリチュードはなんか読んだことがあった。yomyom掲載らしい。
アカペラは熱の城@グラハーを思い出した。
別に内容が似てるっていうわけではないけど、この女子一人称(ですます調)がグラハーをおもいだしてしょうがなかったのだ。10代補正恐るべし。

祖父母と孫の話って自分で思ってるより好きな気がするな
ゴンタマがまだ中学校なのに強い。

図書館の神様

この表紙見てたらなんか小学校の時思い出す……(そういえばこんなひじがとがってる絵描いてたなあとか。

文芸部(部員は3年の垣内1人のみ)の顧問をすることになった早川清(講師・20代・絶賛不倫中)の話。
垣内君の影響力が凄い。垣内君については実話ベースなんだったっけ。凄いな

秋の牢獄

「秋の牢獄」が好きだな!「神家没落」はタイトルも作者も認識していなかったけど野性時代で読んでた。内容全部覚えてた。「幻は夜に成長する」はうーん……というところ。

ぼくたちの本体はとっくに進んでいて、ぼくたちは本体が十一月七日に脱ぎ捨てていった影みたいなものじゃないのか。世界は毎日、先へ進むたびに、その時間に影を捨てていくのかもしれない。

(秋の牢獄 P67)

11月7日を延々と繰り返すことになった私こと藍の話。
11月7日は繰り返している人は他にも多くいた。人を殺しても事故を起こして死んでも遠くへ行っても、次の日の朝には何事もなかったかのようにベッドで目を覚ます。何十回と過ごす11月7日の話。