すごく良い本だったなこれ。
明治大学在学中に教職課程で齋藤孝さん(以下齋藤先生)の講義を聞いていた安住紳一郎さん(以下安住アナ)が、今度は明大で大学生相手に2人で話すという本です。
対談を書き起こしたものです、といっても本の形式になるとテーマがあって、それに対して安住アナ3ページ、齋藤先生2ページ。質疑応答と思われるページはふたりで見開き1〜2ページという本です。
話すことのプロが語る「話し方」の話、とても興味深かった。ベースが講義なだけあって平易な文章で読みやすい。
友達が安住アナを推しているので「安住アナはパンダが好きで」とか「安住アナはよく現場(テレビ)に出てるけど本当はめちゃくちゃ偉い人。しかも現場レベルじゃない偉さ」とちょいちょい情報が入るので、この本を読みながら肩書をググったら「TBSテレビ総合編成本部アナウンスセンター局長待遇エキスパート職」と、想像以上に長くて素人目にも「ものすごく偉い人」であることが分かった1。
それだけ偉い人で、土曜日は23時半までニュースキャスターの生出演、それから反省会を30分、いろんな番組の打ち合わせを午前1時くらいまで続けて、そこから翌朝10時からのラジオ番組の打ち合わせを5時ぐらいまでやって6時〜8時で仮眠取って、という週末を過ごされている。平日は平日で仕事あるだろうし、朝の情報番組の顔になるっていうニュースをこの前見て週7日勤務なのでは2……? と思った。
あとエゴサの話とか、フリーにならないのかといろいろ言われているのも知ってるけど自分はテレビを変えるにはフリーではなく放送局員であったほうがいいと思うという話もある。
この前読んだジャニーズは努力が9割もそうなんだけど、できる人っていうのは死ぬほど地道な努力してるんだよ。スラムダンクで花道がシュート3万本黙々と練習してたようなもんだ。
以下メモ。
人とコミュニケーションをとる上での話
安住アナ)いろいろ聞きたくなる気持ちを抑えてあえて相手の言葉が出てくるのを待つ。最近この黙るという手法を使えるようになった。
齋藤先生)相手を乗せる時に必要なのはテンポ。テンポよく話を展開していくと段取りがいいという印象につながる。世の中のすべては段取りでできている。段取りを説明する能力があれば物事を理解できるようになる。実習例としてキューピー3分クッキングの料理の段取りをメモして記憶通りに再現してもらう(短時間の料理番組は段取り命、テンポよく説明する)
テンポよく話せる→話し上手という印象。(P88~P91)
インプットとアウトプットについて
安住アナ)どんな業界でもいいアウトプットをしたかったら3倍ぐらいインプットをする。旅でも本でも映画でもアーティストのライブでも。お金はかかるしずっとはできない。でもそのぐらいの心意気で。インプットはあくまでもアウトプットの手段。インプットが目的になってはいけない。(P116~117)
・初対面の人と話すときのコツは?
安住アナ)お会いできて嬉しいですと口に出して伝える←意外とできない
初対面で様子見してはいけない、会った瞬間から距離を詰めていく。感情を伝えていく。これが緊張を乗り越える最良の方法
齋藤先生)緊張にのまれると自分をアピールできなくなる。緊張していると感じたら肩甲骨を回す。初対面の人とはできるだけ早く共通点を探す(P104~105)
賢い人と思われる話し方をするには?
安住アナ)スピーチがうまい人は必ず事前に練習しています。(びっくりするほど入念に)ぶっつけ本番で話せる人はほんの一部の天才。
齋藤先生)治世は語彙に現れる。賢いと思われる話し方をするには語彙力。つまり読書が一番。好きな作家を見つけてその語彙を会話でアウトプットしてみると知性も磨かれる。
(P166〜P188)
わかりやすく話す
人間関係がうまくいく話し方
話すためのインプット
日本語の面白さにハマる
上機嫌で話すマインドセット