迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの (GA文庫)

面白いんだけど分厚かった……
相変わらず軽快に人が死にました。
恩田部隊の4層行きのはじまりからその顛末がとても好きだ。

「タバコ吸えーっ!」
 誰かの声が西野の心を支配する。呆然としながらジャケットのポケットを探り、タバコと携帯灰皿を取り出した。なんとか火をつけて大きく吸い込む。震えが嘘のように引いていった。そして、入れ替わりにもう一度、今度小刻みな震えが全身を襲った。西野にはわかった。先ほどの震えは事態が理解できない混乱によるもの。今度は死の恐怖によるもの。先ほどは逃げるためのもの。今度は生きるためのもの。
 生きている。まだ生きられる。西野は上の仲間たちを見上げて大丈夫だと怒鳴った……。

(P204)

この街では毎日のように誰かが死んでいる。最近は親しくしていた相手に不幸はなかったけど昨日は三人も失った。第二期募集のごく初期にテストをパスし、ほとんど同じスケジュールで探索していた人たちももう半分残っていないのだ。

(P264)