カフェ・コッペリア

最初はカフェ・コッペリアの人々がメインな連作短編かと思えば普通に短編集だった。
どれもよかったけどあえて選ぶならモモコの日記と笑い袋がよかった。次点がカフェ・コッペリア。
一応技術的にはちょっと未来の日本が舞台だけどそんなに現代とはかけ離れてない人々の話。
好きなのは笑い袋/カフェ・コッペリア/モモコの日記

温かい話だったり、微妙に黒い話だったり、これは凄くよかったー。

モモコの日記は最強にしょんぼりした。
でも私が11歳の時の今の11歳は別のいきものだよなと思いました……
ランドセルに黄色いカバーかかってる子(小学1年生の証)が「あ。auの新しい携帯でとるー」って言うてた時はえええええって思ったもんな……

幸せだ、幸せだ。自分は幸せなのだ。あたたかな空調の効いた家があって、食べるものに困らず、肉親と同居できて、幸せなのだ。嫁は忙しいのによく気を回してくれるし、孫は父親がいないにもかかわらず明るく育ってくれている。

(P241 笑い袋)

「精神のバランスを崩して思い込みを生じると、人間、何をするか分からないものよ。自分を罰する行為に耽溺するというか、耽溺しつつ言い訳に固執するというか、二律背反の悪い方へ悪い方へと引き寄せられていくのね」

(P169 エクステ効果)