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タイトルは「ミステリ」だけど内容はSFっぽい短編集。
「妹の夫」と「ゴールデンレコード収録物選定会議予選委員会」が好きで、特に「ゴールデンレコード収録物選定会議予選委員会」のほうはキャラが良かった。宇宙に向けて流す、地球人類から異星人へ向けるタイムカプセル「ゴールデンレコード」、そこに何を収録するかの持ち寄り会みたいなものである。自分の推しマンガ(リボンの騎士)を入れたい御竈門玖水(みかまど・きゅうすい)はプレゼンを繰り広げるものの芳しくない結果に終わった。それ以外に登場する人もなかなかの私利私欲の「それやばくない?」というものを持ってきており、玖水はそれ微妙じゃね? 言っていくのである。

「妹の夫」は時間跳躍を繰り返す荒木務は妻の殺害現場を目にしてしまった。夢をかなえて「初の有人長期航行」を手に入れたが、これに乗り込むと帰れる保証はないしそもそも妻が生きているうちにもう会えることはない。その覚悟で乗り込んだ。しかし妻を愛していた荒城は地球の自宅の映像を宇宙に飛ばし、一方的にそれを見る選択をした。声は入らない。映像だけでこちらからの問いかけも届かない。その中に妻が殺されている現場が映り込んでいた。