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翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈下〉 (幻狼ファンタジアノベルス)

隠居したいんだけどまるで隠居できそうもないルートを突き進む(進まざるを得ない)ヤエト先生の話。
2巻は1巻比雰囲気がライトになった気がします。とても楽しい。
一度は左遷された身だけど超出世することになったり1超出世したけどやっぱり中間管理職として悩んだりしている。ヤエト先生皇女とかジェイサルドとかどころかスーリヤとかシロバ2にも心配されまくりだ。ちょっと若だんな(しゃばけ)を思い出した。
ヤエト先生は不憫である。幸せになれるといい(※隠居以外で)

《黒狼公》領は砂漠だけにちょっとイスラム圏の匂いがする。
1巻はヤエトとジェイサルドと皇女が好きだったんだけど2巻はルーギン株があがる。割とフリーダムだった。
伝達官は男女の仲にはなれないんですよ。しもい話を軽やかに爽やかに言い切ったりヤエト先生との会話がとても楽しかった。下巻ラストの関節最強王決定戦に笑った。あと皇女が可愛かったです。

皇女は立ち上がり、暫しこちらを見上げていたが、ふいに長椅子の上に登った。挑戦的に見返されてようやく、皇女のほうが少し目線が高くなるからそんなことをしたのだと理解した。
——なんと子どもじみたことを。
呆れていると、皇女は両手を腰に当てた。
「だいたい、ちょっと大人だと思って、偉そうに」

(下巻 P108)
  1. ところで43ページの皇女はとてもいい笑顔をしていると思います []
  2. 鳥 []

翼の帰る処 上 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-1)翼の帰る処 下 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-2)

ヤエトは「過去を視る力」をもつ帝国の史官(歴史の編纂が本来の仕事だが初期としての技能を求められることが多い)で、36歳になってようやく働きすぎは嫌われると知ったところ。禄分は仕事をするけどそれ以上はしたくない。できれば隠居のようにして暮らしたい、が北嶺の民に頭を悩まされ新たに赴任した皇女の副官に任命され病弱な体をおして中間管理職がんばる。
こう書くとすごくコメディ寄りの話のようですが世界観重視系の硬めのファンタジーです。
序章と1章が繋がってないのが最初分からなくて、これは未来にこうなるよって言う話なのか過去こうだった人がこうなったよっていう話なのか!とおもってた。
なので最初はよく分からない話でしたが加速的に超面白くなりました。下巻のほうが好きでして!
ヤエト皇女以外にひとりえらぶならジェイサルドが好きで!

「そなたは、わたしを信じておらぬ。それでも、わたしはそなたを裏切らぬ。すくなくともこのことでだけは、絶対に」

(上巻 P202)

「隠居の愉しみなど、若い者に昔のことを話して聞かせるくらいですからね。正統派隠居としてはこれを逃すわけには参りません」
「……正統派名のるには、若過ぎやしませんか。実年齢でもですが、見た目も」
「見目より心です。心構えが、隠居なのです。正統派が駄目なら、本格派隠居でも結構です」

(下巻 P48)
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