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手紙形式でつづられる物語。書簡体でもモリミーの恋文の技術とは違い、ちゃんと往復なのである。一方的に送られる手紙ではない。10年後の卒業文集がいいな!
モノローグ形式ってあったからまた告白かと思って読んでみたら恩田陸のユージニアだった。
それでもうちょっと読み進めると相棒Season6になった。
現状の湊かなえ作品ではたぶん一番白くて比較的軽い。4章以降はちょっと黒い1、とは思うんだけど。前3作は1章ごとに休憩が必要なぐらいすごく疲れた。でも今回はそれがないから軽いんだと思う。
最初はニュース風にはじまる。
とあるマンションで夫婦が死亡するという事件が発生した。現場に居合わせた4人に事情を聞いている。
4人の証言、そして容疑者の逮捕、裁判結審。
そして世界は巻戻る。実はあの人物の背景はこうでした、そして事件当日はこんな感じでしたと明かされる。それが4人分。その辺は相棒Season8の「右京、風邪をひく」みたいだな、と思いました。似てはないけど同じカテゴリ。
ほとんど話には出てこないんだけど、野バラ荘の大家のおじいちゃんが一番得体が知れないと思う。
何も知らないはずなのに何もかも知ってそう。何もかも知ってそうだけどあえて何も手出しはしない、みたいに感じることがたまにあった。ふつうのおじいちゃんっぽく感じられるときもあるんだけど。
「告白」が文庫化されたりしてますがこれを機会にどうでしょう。ハッピーエンド至上主義の方には到底薦められませんが、そもそも本に「癒し」「スッキリ感」「明るさ」とかを重視される方は湊かなえは読んじゃいけないと思うんだ。
- シャーペン4回の意味であばばばばばとなった。 [↩]
空気が綺麗なこと以外は特に特徴の無い平和な田舎町。お盆のある日、少女暴行殺人事件が起こる。5人組だった少女、紗英・真紀・由佳・晶子・エミリは小学校の校庭でバレーボールで遊んでいる中作業服の男に声をかけられる。
プールの更衣室の換気扇点検に来たけど脚立を忘れた。誰かひとり手伝ってくれないか
にこにこしながらそう言ってきた男に子供たちは立候補するが男はエミリちゃんを選ぶ。
そして時間は流れ町内にグリーンスリーブスの音楽が流れ子供たちが家に帰る午後6時。
エミリちゃんはまだ帰ってこない。4人は探しに行き死体を発見する。
見たはずの犯人の顔を思い出せない4人、エミリ母に投げつけられた言葉。それから10数年後の話。
「告白」と同じ独白形式で進んでいく。
読みながら恩田陸のユージニアをはじめて読んだ時のような不吉で不安な感じを思い出す。
読んでてこの「麻子さん」ってだれ?とまず思う。
今回はエピローグは前2冊と比べて救いがある終わり方をしているけど、各話の終わりは後味の悪いどす黒い終わり方なので1章ごとに本を放した。この手の本は一気に読むとすごく疲れる。あと決して寝る前に読む本ではない(知ってるのにやった
そういえば普段は気に止めてないんですがうちにもフランス人形的なものがあったのでぞぞっとした。
わたしが生まれたときにはもうあったと思うのでもしかしたらママ上が嫁入りの時に持ってきたものなのかも。
表紙は最初の「フランス人形」で4人がエミリちゃんの家で食べてたタルトなのかなとおもった。
裏表紙にエミリちゃんが隠したルビーの指輪がある。
なんと後味の悪いラストかー(※褒め言葉です
「人が死ぬ瞬間が見たい」
そう思い由紀は病院へボランティアに行き、難病の少年と会う。
敦子は特別養護老人ホームの手伝いに行きたくさんの老人に囲まれ、妙に無愛想な男性と組むことになる。
由紀と敦子はお互いを親友だと思いつつ、気まずかったり距離を置いてたりする。
一人称で視点が2つ。由紀と敦子が交互にやってくるんだけどもたまに「今どっちが喋ってるんだったっけ」って分からなくなるので一人称チェックをしていた。わたし=由紀 あたし=敦子 なのだ。
目的は一緒だけど違う方向に向かって歩き出して、微妙にニアミスを続けてなかなか合流には至らない。
こんな出来事がそれに繋がるんだ!とかそこで終わらないんだ!?みたいな。
冒頭にマイフレンド・フォーエバーが出てくるので懐かしいなーっておもった。私も体育館で見た。
そんな初湊かなえでした。