オリガは父が姿を消した1週間後に「死者の死ぬ直前の行動が見える」という異能に目覚めた。
帯には「ネコ系女子とイヌ系男子の息もつかせぬロシアンミステリー」とかちょっとふわっとしたアオリがありますが、内容は少々硬めです。
エルツベルガー男爵がある日ナイフでめった刺しにされた後壁に磔にされるという謎の死を遂げる。
男爵は失踪したオリガの父の友人でつい先日屋敷に招待を受け、男爵の飼い犬の絵を描くという依頼を受けたばかりだった。容疑者として浮かんだのは男爵が身元引受人として学費も援助しているヤコフ・ネムツォフというユダヤ人である。男爵の死を巡りオリガは真相を探り始める。
アーサーが普通にいい人になってた。レオニードもいいひとだった。ヘルムートには今のところときめきしかない。
タチアーナの黒さがいい。
ユダヤ人差別とか帝政ロシア当時の陪審員裁判とか昏睡強盗とか謎が謎を呼ぶ展開がとてもときめきです。