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僕の好きな人が、よく眠れますように

絶対、最強の恋のうたの木戸さんが出てきてびっくりした。

「僕」と北海道からやってきた人妻研究員、「僕」の妹、バイト先で出会った坂本のふりをしている木戸さんの話で、僕と恵はすげーバカップルで2人でいるときはなんかずっとキャッキャウフフ話している。
純愛だけど不倫なんだなあと思う。ちょっと蝶々喃々を思い出す。
こっちもどろどろすることはない。喋々喃々と違うのは2人の行く先が暗示されていることかなあ。
木戸さんの登場は嬉しいサプライズでした。しかし「この話はどこに向いていくのんか。……えー終わったー」という話だったなあと思います。

まともなロマンを求める人は、誰からも相手にされず、誰からも大切にされず、一人で守り続けるしかない。本当はこういう人が、人知れず、世界の孤独とか哀しみとかを、一身に引き受けてしまう。誤解は前提で、理想は敵で、正解は最初からないのだ。

(P145)

絶対、最強の恋のうた (小学館文庫)

あらすじを見てたら何か「お前これ読めよ」って言われた気がしたので……
恋愛小説です。あらすじだけ見ると大学生女子の話なんですが、前半は彼氏視点後半は彼女視点の話です。
私はそれを知らずに読んだので、あれ大学生男子主人公?……(あらすじ見返してる)やっぱり女子主人公っぽいけど……(とりあえず読み進める)あ時間巻き戻った女子視点きたとか微妙に混乱を。

大野(彼氏)と彼女(名前出てきてない気がする)より木戸さんのほうが好きだなあ。

「木戸さん」と、僕は問うた。坂本にも聞こえるよう、大きな声を出した。
「義理とか人情とかも大切ですけど、目の前の食い物は最優先事項ですよね?」
「何言ってんだよ」と、木戸さんは言った。
「そんなのは当たり前だろう」

(P59)

ここらへんとか、男3人で鍋してるところが好きなのだ。
とか思ってたらいきなり時間が巻き戻って女子パートになるからびびった。
木戸さんは偉そうにふんぞり返ってて、それが嫌味でなく当たり前なところが好きだと思うー。他の作品にも出ているらしいので要チェック。

野性時代収録。何か面白かったので書いておく。
僕(山田)は東京の大学の院生2年目である。理工学部応用化学科生体分析研究室の飲み会で、北海道からやってきたゲスト研究員である斎藤恵(院生1年目・人妻・小柄)と喋っているところから始まる。

「北海道ってのは確か……」
懇親の飲み会で僕は言った。ちょうどビールを一杯飲んだところだった。
「大晦日になると、クマが玄関にアラマキジャケを置いていってくれるんだよね?」
(略)
「そうですね、お歳暮みたいなことらしいですよ」
「へえ、いいなあー」
「春にはハチミツも届けてくれますよ。秋にはどんぐりも」

なんだこの「愛媛の家庭にあるという2つ目の蛇口」的小話は!
こういうのがとてもすきなのだ。この後美味しいどんぐりの話になるんだけどこっちはどうなんだろうか。マジ? ちなみに私が食べたどんぐりは不味かったです(何でも食べてみる田舎の小学生)

この「僕」が妙に気に入ってしまいちょっとめくるぐらいにするつもりががっつり読みきる。ぐぐってみたところ作者のブログが引っかかり、この作品は全3回であるとのこと。来月も買う予定だし次回の内容によっては再来月も買おうかなあと思う次第。

本文中に人妻と書くとTBスパムを呼びやすいのでここはTB停止しておく。今はどうなのか知らないけど「食卓にビールを」の時は毎日フィルターを突き破って1件は来ていたのだ……

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