私に馴染んでいる「考察」は考察する若者たち 三宅香帆 では批評とイコールで、もしやこれはジャンル方言なのか? もうちょっと批評について知ってみようということでkindleの積読から。2021年に買ったらしい。何に惹かれて買おうと思ったのか。

批評というのは何をするものなのでしょうか? これについてはややこしい議論がいろいろあるのですが、ものすごく雑にまとめると、作品の中から一見したところではよくわからないかもしれない隠れた意味を引き出すこと(解釈)と、その作品の位置づけや質がどういうものなのかを判断すること(価値づけ)が批評が果たすべき大きな役割としてよくあげられるものだと思います

(プロローグより)

批評に触れた人が、読む前より対象とする作品や作者についてもっと興味深いと思ってくれればそれは良い批評ということです<

(プロローグより)

ここで注意していただきたいのは、深く考えないで作品を見て楽しむというのも十分価値ある体験で、深く考えた批評を行うといいう体験と優劣はつけられない、ということです。楽しみ方はひとつではないので、なんにも考えずに頭をからっぽにして楽しみたいという時もあえれば、よくわからないものを深く掘り下げたいという時もあると思いますし、この楽しみの体験はどちらも素晴らしいものです。この本でとりあげるのは後者のようなことをやりたい時にどうしたらいいか、ということです。

(プロローグより)

取り上げられる作品(映画、小説、演劇)はなじみないものが多かったけど、興味深く読んだ。
批評をするときは自分の性的な嗜好 (異性愛同性愛等と異なり、もっと広い意味で人の性に関わる雑多なこだわりを指せる言葉、と書かれている))や趣味はきちんと理解しておきましょう(批評する側のバイアスに関わります)のくだりよかったですね。自分の欲望に率直に!