視点を変えて短編形式で物語が進む。車内でチャラ男と呼ばれているあの男「三芳部長」周囲の人々のお仕事小説。
私が語りはじめた彼はと違うのは三芳部長はめっちゃ喋るし、なんならチャラ男視点の章もある。

彼らは「ジョルジュさん」と呼ばれる小規模な食品会社に勤めている。人員不足でフラストレーションをためている社員もいれば、「ここで長居をするつもりはないと思っているがなかなか見切りをつけられないでいる」社員もいる。雰囲気はよろしくない会社で、ドストレートな男尊女卑をぶつけてくるところもある。

問題を抱えて悩んだり、体調崩したところで絶対面倒なんかみないくせに。やめるならぎりぎりまで働けと思っているくせに。何を言うかチャラ男。
支配したいだけなんだろ。あなたがしたいことは、出世でも金儲けでもない。

(P113)

AさんはBさんのことをこういう風に言ってたけど、Cさん視点から見るBさん、というのはキモがひゅっと縮まるものがあったな。特に池田かな子さん←→伊藤雪菜さん。伊藤さん周りはしんどい。どこまでも現実の「仕事」を小説にした本だった。