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RDG2  レッドデータガール  はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)

泉水子は自分の力に向き合うため生まれ育った玉倉神社を出て東京へ行く。
入学した鳳城学園は高尾山の北側にあり全寮制の高校である。泉水子は無試験で入学したが、試験免除で入学できる生徒はそうはいず、中等部までいてもエスカレーター式で進学できなかった者も結構いるほど学力レベルは割と高い。寮は基本的に2人組で、泉水子のように遠方から入学してくるものには学園によく慣れたものが同室として選ばれる。

2巻は「大きな物語への序章」っていう感じで、割と顔見せみたいな感じがします。
しかし相楽父子はとてもよいです。主にはお父さんがよいです。
同室の宗田真響とのあれこれや、ずっとしていた眼鏡を外したり、部活とか生徒会とか。
真響を頼りに他クラスまでやってきたはずなのに深行を呼び出す泉水子とか、それを見て邪険にするでもなく世話をしている深行とかにいちじるしいときめきが。

物語の終盤で日舞がちらちらとできます。なんか最近日舞と縁がある気がします。

ところで、

「南無飯綱大権現と唱えるんだよ。ご本尊は飯綱権現だ」

(P243)

イヅナと聞いてうっかり誰かの嫁を思い出した。

「うかつには近づけない気がする。魅力がありすぎてきっと危ない。とてつもなく悪い人かとてつもなくいい人だけど、はっきりしたころには磁力で離れられなくなっているから、どっちだろうともう遅い——そういう人に見える。遠巻きにしているのが利口かもね」

(P231)

そのとき翼は舞い降りた (角川ビーンズ文庫)そのとき鋼は砕かれた (ビーンズ文庫)そのとき君という光が (角川ビーンズ文庫)

プリハーに出てると聞いて気になって古本屋でチェックしてましたがこの前ようやく発見したので読む。
TAKADONO OTHERS5が届いた頃だったのでちょうどよかった。

舞台はプリハーからさらに遡って残虐王ミルドレッドの時代。
何の根拠もなくシリアス寄りの小説かと思ってたらとてもギャグだった。超笑った。
既読者のさりさん曰くあんまり一般受けする笑いではなかったらしい。なぜだ!
しかしタングレードの呪いは最悪で切ない。どれだけ好きな人でも忘れないでいて欲しいひとでも自分の記憶だけが消えてしまうのだ。誰にも覚えられていないのって最初から存在しないのと同じだよなあ。

絶対無敵団のポーズはギニュー特選隊風に再生された。
ていうか無敵団の血筋はコック団にしっかり受け継がれたと思う。
おやつ愛とか麦酒愛とかアホだなあ(*´∀`)とかによによした。

鋼はべりー性的だった。うれしはずかし初夜作戦でも大概腹筋パンチだったんですが、天空都市は性的にオープンでフリーダム過ぎる。野合の街とか数年に何回か発情期があるとか。情緒やはじらいはおとといきやがれなムードである。
ていうかミルドレッドは自分のことが好きすぎだ!
ミルドレッドの腹心の部下のエルゼリオは名前を見るたびにエルゼリオをおもいだす。

打ち切りだと知っていたけど「君という光が」はここで切れるのかーと嘆く。続きどこー!
セルマゲイラとミルドレッドが可愛い。ロマン。「これが愛か!」「これが愛です!」とか言ってるところと水中のシーンのギャップにときめいた。

思わぬ再登場を果たしたリリエラはがくがくぶるぶるする。
「俺からフランを取らないでくれ」にきゅんとする。

OTHERSとそのあとがきで若干補完されたけどあれがどうやったらプリハーのあれになるのだ。
うなぎ超ふいた。

司書はなにゆえ魔女になる

エッセイ。
3部構成で、1部は図書館司書を取り巻く環境とか司書関連、2部・3部は本と映画のレビュー。
どれも大体2ページ以内でまとまる短い話。特に司書の話は馴染みの薄い話なのでちょっと興味深い。

タイトルが気になるんですが1「司書は○○魔女になる」というのは定型タイトルのようなので、おそらく1冊目を読まないと意味が分からないと思った。

  1. 魔女? []

バルビザンデの宝冠 王の星を戴冠せよ (角川ビーンズ文庫)ミゼリコルドの聖杖 永遠はわが王のために (角川ビーンズ文庫)わが王に告ぐ—エヴァリオットの剣 (角川ビーンズ文庫)

ようやく手に入りましたよバルビザンデ! ミゼリコルドとエヴァリオットを確保して半年後のことでした。
プリハー・遠征王よりずっと後の時代のパルメニア。年の差主従ラブです。よいです。よい主従ラブです。

タイトルは「マグダミリア」にしてますが、これはティーンズルビーでの刊行当時のタイトルです。
3冊分書くスペースがなかったのでシリーズ名的なもので代用しました。ビーンズ版は
王の星を戴冠せよ バルビザンデの宝冠
永遠はわが王のために ミゼリコルドの聖杖
が前後編みたいな感じです。で後日談として
わが王に告ぐ エヴァリオットの剣
があります。3冊でまとめて1冊っぽい雰囲気なのでまとめました。

王になるつもりはなかった王が市井に放り出されて強くなるとか傀儡とか主従とか、パーツだけ取り出して現在に持ってくると封印の女王ですね。ちょーによによした。
パルメニアという国の変遷期の話なのでめまぐるしいです。アルの成長もめまぐるしいです。
そしてマウリシオの用意周到っぷりが半端ねえー。

「魔法が使えなくなる日」1が普通に出てきてびびる。

バルビザンデに収録されている外伝が、後世語られるプリハー組2でおおおおと思った。そしてキースの先祖にちょーwktkした。どう見てもアイオリアです。

ミゼリコルドのほうの外伝は「消毒」にすべてもってかれた⊂´⌒つ。Д。)つ

ミゼリコルドのほうのコンスタンシアとジャスターのシーンは全体的に脳内でヅカ風に再生されました。
2人がいるところはまるで舞台が見えるようです。音楽も聞こえてきそうです。
あとかんざし取ってばさっと髪が滑り落ちたりするのとかはちょーロマンです。ちょーロマンです。
強調したいことなので2回言いました。

エヴァリオットはビーンズにしては文字が大きい……あと行間も空いている……
後日談なので余裕でバカップルさに吼えたりできます。知ってるくせに! 知ってるくせに!
冒頭からジャック・ザ・ルビーがでてきたりアイオリアが出てきたり遠征王ネタが多いです。
再読せよという呪いか!と思いました。未読優先だから当分先だよ!
読むまでは表紙のこの人がエヴァリオットかと思ってたら違った……

「生まれ変わっても、あなたともう1度恋に落ちたい…」
あなたに会いたい。
そうして、今度こそ、他愛もない昼と、かけがえのない夜をふたりでいっしょに過ごすのだ。

(ミゼリコルドの聖杖 P222)
  1. スレイヤーズ風婉曲的表現 []
  2. ルシード・ジル・メリルローズ []

ひとめあなたに… (角川文庫)

うららさんちのライトノベル読みにキーワードで勧める「新井素子」初めの1冊から手を出すヤンデレのほうの新井素子。この本、年単位で積んでいたような気がしたけど記録を見ると2ヶ月しか経ってなかった。

圭子は恋人の朗に別れ話を切り出された。どっちが悪いわけでもなく朗はまもなくガンで死ぬ。万が一助かっても腕がなくなる。彫刻家の朗の大事な腕だ。別れ話にショックを受けながら圭子は鎌倉の朗の家を出て、池袋の街を歩いた。そして友人から1週間後隕石が衝突して地球は滅びることを知った。圭子はもう一度朗に逢うため、交通機関のストップした練馬から鎌倉へ向かう。
隕石の衝突を防ごうとがんばる科学者の話ではなく狂気と愛の話である。

チャイニーズスープが最強である。最凶である。最愛の旦那様をxしてxxxxにするのである。切断シーンと料理シーンまじパねえ……「私に還りなさい」でLCLである。 

船に乗れ!(2) 独奏

1巻とはえらい色が違います。
1巻はキャッキャウフフしてて青春で音楽でオーケストラなので、さよならピアノソナタとかのだめカンタービレ好きな人はどうですかどうですか書いてた覚えがあるんですが、2巻は「気安く触らないでよ(゚д゚)」という雰囲気です。

これは「現代のサトルが過去を振り返っている物語」という設定で挫折があったことも既に語られていたけど、まさか1冊のうちにこれだけ「挫折と喪失」が凝縮されていようとは思いもよらなかった。

サトルたちは2年生に進学した。今年の1年生は優秀だとか今年のオケ課題曲は去年の夏に市民オケでやったリストの「交響詩 プレリュード」。その日から阿鼻叫喚の日々がはじまる。鏑木先生はまた怒鳴り倒している。
そしてサトルに転機が訪れる。ある日父が笑顔で言った。「ハイデルベルクへチェロを習いにいかないか。(サトル叔父の妻)ビアンカが参加しているオーケストラの主席チェリストが練習を見てくれるといっている」

各所でサトルはぼっこぼこである。ふるぼっこである。
音楽家同士であるため恋人の南にもハイデルベルクに行く際も応援されるどころか妬まれる。
ハイデルベルクでもそのあとも悪い方向にしか転がらないのである。

ラストのサトルが好きだった先生を退職せざるをえない状況に追い込んだことってどうなん! どうなん! ておもった。高2こえー。

つ、つづきを早く……
ブンゲイ・ピュアフルでも読めるけど、縦書きで紙で読みたいし船に乗れ2の様式で行くならいいところで切れてしまう。凄い展開のところでぶった切られたらわたしは しぬ!

南は閉じた口の中で奥歯を噛みしめ、涙のこぼれる目で僕を睨んだ。それは女子高生の可憐な涙なんかではまったくなかった。愛情はあっても理解の薄い環境で音楽に取り組んでいる女性の、裕福で恵まれた環境にいる僕への、どうにもならない悔し涙だった。

(P116)

自分がこれまで、本を読むという名目でやってきたことの正体が、一気に見えてきた。理解できたわけでも、共感できたわけでもない、ただ難解そうに見える本を選んで、さも理解できてでもいるかのように頁をめくり、さも共感できたかのように本を閉じ、その様子がちゃんと周囲の人に目撃されたかどうかを確認する、たとえそこに誰もいなくても、自分自身を目撃者にして、ごまかしてしまう。自分をだます。そんな茶番劇を僕はこれまで何年間も「読書」ということにしていたのだ。

(P176)

「僕が君に、誰も殺させはしないからだよ」先生はいった。「哲学上の結論として、僕は君に、人を殺してもいい、と今いった。その代わり殺されても仕方ないともいったが、それでも殺していいといったことに変わりはない。あれは哲学上の結論であって、君をそそのかしたんじゃない、なんていい逃れをするつもりは僕にはないんだ。人に何かをいう人間は、いったことについて全責任を持っている。とりわけ人の命に関わることはね(以下略)」

(P258)

ほんたにちゃん (本人本 3)

凄く痛い小説だった。作品が痛いんじゃなくて、登場人物が痛いのでもなくて、読んでるこっちの胸が痛い。

学校で飲み会あるって聞いたけど誰にも誘われなかったから「誰かに誘われた」風に店までやってきた。
そこでの「中2病をこじらせた女子(ぼっち)の孤独」描写がとてもいたたまれない。
こんな状況に立たされたらもう泣きながら帰るわな(゚д゚)と思った。
ちなみに私は席移動ができるなら席を転々としつつグラスもしくは酒瓶片手に喋り倒すほうです。

二十歳前ならまだやり直せるよ……むしろ更生的にはラストチャンス……とか思ったり凄くはらはらしながら読んだ。

この表紙は何事だと思ってたけどちゃんと理由があったので読み終わったあと表紙見てふいた。
Amazonレビューいわく「メディアに露出しまくり」だそう1だけど私が見るようなのには出ないらしく見たことはない。
でもどこかで拾ってきたこの本のタイトルは覚えてたのでこの本を実際に読むまでずっと「ほんたにゆきこ」さんだと思っていた。表紙にも大きく「もとやゆきこ」とふりがな振られていて初めて間違いに気がついた。

敗北感。
私の胸に広がる、この複雑な気持ちを言葉にするならばこれだ。敗北。何に敗北したのかはよく分からんよ。でも飲み会で席を奪われ、隣に座っていた人物にはさりげなく移動され、今こうして追いやられるようにみんなから離れた場所にポツネンと佇みながら誰ひとり気にされることなく存在する自分。

(P45)

何しろ昔から『天然最強説』を唱えてやまない私だ。やつらは狙ってないぶん、滑ることを知らない。滑らない人間ほど強いものはない!

(P80)
  1. 書かれた日付を見ると古めだったので今はもう「だったそう」かもしれないけど []

世界画廊の住人 (幻狼ファンタジアノベルス)

画家はよいね!
こういうキャラどっかで見たことある……(しかもすごく好きだった……)誰だっけと思ってたらフランシスだー!と思い出す。「或る少女の肖像」だ。あっちもちょうど画家だし。
よいファンタジーです。みっちりしてます。
確か段組の上行数ぎっちぎちだから文量的には文庫2冊分ぐらいあるとみた覚えがある。

セツリは正しくツッコミ担当だなあ。
世界の話は読んでて楽しいけどくるくるぱーんとなります。そこまでが楽しみの範囲内ですが。

「大丈夫か? 死にそうなら早めに言ってくれ、色が綺麗なうちに樹脂で固めるから」
「貴様が先に死ね、このゴミでクズで地下墓地でネズミにかじられているのがお似合いの駄目画家が!」
「…………君は酷い人だ!」
「お前のほうがよっぽど酷いわ!」

(P48)

セレモニー黒真珠 (ダ・ヴィンチブックス)

葬儀屋の人々が主人公なのになんだかラブコメ風だなあ。
今までに読んだ宮木あや子作品1と比べると何か色がすごく違う気がする。
薄暗いところもあるけど基本明るいよなー。

好きなのは「主なき葬儀」「セレモニー白真珠」です。笹島さんは女のイケメンだと思う。

「うるせえ妹尾!」
「これはヅラじゃねえ! ハンディモップだ! 良いな!」

(P140)

小さな風呂桶のようなふたりだけの王国を不幸という生温い水で満たすと、そこは恐ろしく居心地の良い甘美な城となる。癒えぬ傷を舐めあう行為はふたりの身体を蔓のように絡め、疼きに似た痛みが互いを離れがたくする。

(P155)
  1. 花宵道中・雨の塔・群青 []

創立!? 三ツ星生徒会3 それでも恋3は終われない

三ツ星生徒会、3巻目。次巻が最終巻です。今回は準備期間ギリギリな文化祭ネタです。
学園モノであるならクラスや部活単位での文化祭準備は鉄板のネタですが、学校全体の仕切りと出し物のスケジュールの調整がメインなのはちょっと珍しい気がしました。

この巻ちょっとフリルの悪魔生嶋さん成分が増量されてたから(*゚∀゚)=3という気分だ。

しかし主人公なのに恵の報われなさは半端ねー。生徒会の仕事的な面では周囲の人々から凄い!と思われつつあるのに恋愛的にはまじ南無過ぎる。果たしてこの物語どこに落ちるのか。最終巻は12月発売のようだ。3ヶ月ぐらい早いものだー。

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