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西日の当たる教室で

千原ジュニア語りおろし、みたいな1冊。
どこにいれるべきか解らなかったので便宜上このカテゴリにしてます。図書館の分類によれば779.1ということでぐぐってみると、779が大衆演芸・779.1が寄席ということ。うん確かに寄席だ……!

ジュニアはせいじ好きだな! すべらない話とかでは残念な兄ですと言いつつ好きだな!
レッドツェペリン初来日とか死ぬ。すごい隠語。陣内天然すぎる話はおもしろい。

逆にせいじがまったく人見知りしないのは、あれはあれでひとつの才能なんでしょうね。海外に行って言葉もろくに通じないのに現地の人に話しかけて、いつの間にか盛り上がったりしてますから。本職のほうで本番になると異常に緊張したりするのが不思議ですけど。

(P107)

好きだからこそ嫌いになる、好きを突き詰めると嫌いになることってけっこう多いと思うんです。でも、自分の「好き」や「嫌い」を探していって整理する作業って、何かを考えることでもあるし、志向をハッキリさせることなので、大切なんじゃないかと思いますね。

(P111)

これは、バーで飲んでたときの朝4時ぐらいに「パーン」と思いついたんですけど、人は十月十日で生を授かって、この世に生まれる、十月十日で人生を迎えるわけじゃないですか。で、この「十」「月」「十」「日」を組み合わせると、朝という字になる。人生の朝を迎えるということなんです。

(P114)

とりかえばや物語 (少年少女古典文学館 8)

男装の姫君と女装の若君の華やかな運命劇!
男は男らしく、女は女らしく。そんな常識にしばられず入れ替わって成人を迎えた異腹の兄妹。宮中にまきおこる様々な悲喜劇は、男女の生き方を現代にも鋭く問う。

出版社/著者からの内容紹介

子ども向けでふれてみよう日本の古典その1。
何冊かは小学校の時図書館でマンガになってるやつとか教科書とかで読んだんですが再度読んでみようぜ、という試み。子ども向けにすると詳しい図とか解説とかが注釈として載ってくるので。
この本は基本的にすべて現代文・分かりやすさ重視のためカタカナも一か所登場した。
おそらく底本などでつけられてないのであろう「登場人物の名前」が「この本では仮にこう呼びましょう」と名付けられています。しょんぼり、と思ったのは和歌までがっつり現代語訳されていることですか。

1冊目、とりかえばや物語。
生まれもって男の格好をして育った姫がそのまま男として出仕したり、生まれもって女の子らしく育った女の子が入内したりする話です。出世したり女だけど男ということにして妻を娶ったりその妻ができちゃったり素性がばれたり色々する話です。

この本では夏雲と呼ばれる中将の君がふつうに超きもいと思ったんだけどもこれでも子ども向けということでマイルドになってるんだろうなあ。入内して宣耀伝の内待となったこの本では秋月と呼ばれる女装の若君と東宮の出会い周辺はとてもきゅんとした。

「わたくしは秘密をもつ人間なのです。でも、宮さまをいとしいと思う、しぜんな感情にさからえませんわ……わたくしがおきらい?」
「いいえ、大好きよ。」
「なら、わたくしを信じてくださいませ。あなたさまを、おいとしく思えばこそ、ですから。」

(P54)

十四歳の遠距離恋愛

ちょっと前の「青春と読書」で嶽本野ばら×宮木あや子対談で気になってたんだけど、この前ふと出会ったので読んだ。現物はもっときれいなピンクなんだけど書影はなんでこんなにくすんだ汚い感じのピンクなのか。

タイトルどおり14歳の2人、片方はロリータ少女仲葦さんと昭和ガキ大将藤森君の遠距離恋愛の、すごく王道で平凡なはなし。

舞台は名古屋です。わたしがはじめて名古屋に降り立ったころの名古屋を思い出してきゅんきゅんしました。生活創庫にあるゴスロリブランドの店とか。スガキヤとか。パッセ8Fの星野書店とかナナちゃんとか。まだゴスロリバイブルはなくてケラだけだったとかジュディマリ・TSUNAMIひゃっふー。
遠距離恋愛をすることにした2人が決めた合う方法とか本当にふつうの14歳らしい必死っぷりなんだよ。

14歳ってなんでもできそうな万能感とどこへも行けない不自由感を併せ持ってる不思議な年だなあと思う。かつて14だった私はどうだったかというとばっかじゃねえのっていう中2っぽい万能感はやっぱりあったなあと思う。

よく、嫉妬や計算があるうちはまだ愛に辿り着いていなくって、その人が存在するということだけで幸せを感じられるなら、それが愛だとか、報われなくとも与えることだけで満足、無償の域に達した時愛の本質が解るだとかいうけれど、本当にそうなのかなぁと疑問に感じます。10代で本当の恋愛なぞ出来るものか、ましてや中学生で恋だなんて、かりそめあったとしてもそれは恋に似たあどけない稚拙なものだと往々にしていわれるけれど、ならば一体、何処からをちゃんとした恋愛としていいのか。私にはその境界が観えません。

(P78)

街でも公衆電話自体を見掛けなくなりましたが、通話時間が残り少なくなると鳴るブーという無情な音、仕方なく10円を追加するとガシャンと落ちるコインの音は切なくて、時々、まだ夢に出てきます。

(P132)

ファンタジーが生まれるとき—『魔女の宅急便』とわたし (岩波ジュニア新書)

魔女の宅急便原作角野栄子氏の自伝+魔女の宅急便創作秘話、的なもの。
子どものときから読んできた本・書く側に回ることになったきっかけ・魔女の話。
大学卒業してその後就職したり結婚したりするうちに国が推奨している「ブラジルへの移民」としてわずかなお金を得て船旅で2ヶ月かけてブラジルへ行ったとか。ほんの数十年前なのにそんな時代もあったんだなあと思う。

ドイツ語では魔女のことを「ヘクセ」という。これを古い言葉までたどっていくと、「垣根にのぼる人」という意味があるらしい。垣根、それは城壁とも言える。その高いところにいて魔女はあっちとこっちの世界を見ていた人だったのだ。

(P105)

思わず東方ウィッチクラフトを思い出す。

東方ウィッチクラフト—垣根の上の人 (コバルト文庫)

お嬢さま大戦

読む順番間違えた。これが全四冊のうちの最終巻で、書下ろしは高等部への受験とかそんな感じの。
でもおそろしく記憶ははっきりしていた。10代の記憶って凄い。
収録されているのは「お嬢さまと無礼者」「お嬢さま大戦」そして書き下ろし「受験戦争と平和」
あとがきで本編では明かされなかった裏設定・裏話が公開されていました。

世間ではライトノベル作家が一般小説のジャンルに移行することはステップアップとみなされるようですが、実は私はライトノベル界を卒業したのではなく、放逐されたのです。私がライトノベルを棄てたのではなく、ライトノベルが私を棄てたのです。
よって今回のお嬢さまシリーズ復刊で、私は非常に救われた気持ちになり、また、新作短編4本を執筆するチャンスをいただいたことは、ささやかな再チャレンジであり、リベンジでもありました。

(あとがき P360)

これが印象に残る。

だらしな日記—食事と体脂肪と読書の因果関係を考察する (幻冬舎文庫)

気になる書評家双璧の片方1、藤田香織さんが日記本を出していることを知ったので買ってみました。
内容は2001年から2002年1月まで。主に日記とごはんです。あと本のこともちょろっと。
あとがき曰く「フリーになってまだ数年。何でも屋状態から書評家への過渡期」
タイトルにもある「だらしな」、藤田さんは掃除洗濯運動がとても苦手な方だったのだ。その辺も包み隠さず書かれているので潔癖症な方には想像しがたい世界が広がっている……かも。

内容はというとこんな感じ。ちなみに最新はこちらです→Webマガジン幻冬舎

かつてすべてがEになる—I Say Essay Everydayを出した幻冬舎だけあって文字が超小さい。縦書き・文庫ですが段組されています。そして370ページ弱あります。

  1. もう片方は三村美衣さんです []

ペルソナ3ポータブル ベルベットブルー (ファミ通文庫)

P3Pノベライズ。P3Pだけに主人公は女1ですが、この話の主人公はベルベットルーム組です。もっというならエリザベスです。時間は12月末?1月下旬なので少なくとも終盤までプレイ済前提です。
P3のみでも大丈夫かなあと思いつつテオドアがいるので……。

エリザベス料理の「のようなもの」わらった。イゴール主なのに虐げられまくっている。和む。
ベルベットルームの日常が垣間見れる! 目を閉じたイゴール(の描写)が見られるのはこの本だけ!
しかしP5が出てそれにイゴールが出ていてももうP4までのイゴールとは違うというのが寂しい2

ハム子だとミックスレイドは存在しないのだけどもここは見せ場ということでミックスレイド有でよかったなあと思う。一瞬出てくるけどガキ先輩ルートだった。ていうかさらっと触手がでたよ! びびった。

P3Pハム子学園の日常もノベライズが出ないかなと思うのだ。ハム子を選ぶととても乙女ゲー的展開が広がっているのでビズログで! ペルソナ4 Your Affectionみたいなやつがいいです。未プレイ者お断りみたいなのでもいいので。

「真実はテオ。貴方のみぞ知るとわたくしも思っております。さ、吐きなさい」
「で、ですから! 滅相もないと——」
「メギドラオン、でございます」
この後。四度、テオドアはエリザベスにメギドラオンで吹っ飛ばされ、最期は涙ながらに白状した。

(P34)
  1. 以下ハム子 []
  2. イゴール役田の中勇氏はこの1月に逝去された。とてもショック []

バカとテストと召喚獣7.5 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 い 3-1-10)

短編集。ついに表紙に登場アキちゃん。

僕とホンネの召喚獣はよいね! 駄々漏れだね! 久保君歪みねえ!
ムッツリーニの中身とか、年相応の健全男子たる雄二とか、どこまでも天然明久とか、どこまでも2人の世界を展開する雄二と明久とか。サモンの罠に笑った。
あと(ガタッ とか(ブシャアアアア とかtwitterを連想しすぎて最早どちらが本家か分からないような状況。

美波がすれ違いラブコメフラグを、かたや姫路さんは同居モードへ突入するものの「変態という名の淑女」「些細な戦略などフルボッコにする程度の殺人コック」レベルを上げている……!
同居ということはムッツリ商会に大枚はたかなくてもやりたい放題じゃないか! 
どうなるんだ8巻。もしくはX.5巻。

「雄二。ここから先は地獄への一方通行だ。逃げられると思うなよ……!」

(P141)

ここだけ見ると無駄に格好いい。

まあ内容を一言で言うと「うららさんおめでとうございます」に尽きる。

プールの底に眠る (講談社ノベルス)

2008年と1995年を行き来しながら語られる物語。

2008年の僕は殺人未遂の容疑で留置場にいた。追憶しつつ話は進んでいく。
13年前・95年、僕は裏山で「セミ」と出会った。セミは裏山でロープ片手に自殺しようとしていた。
セミという名前は僕が名付けた名前で、セミは僕のことをイルカと呼んだ。そして幼馴染みの由利、カバの呪い、野球の勝負、セミと過ごす1週間。

ラストは「どういうことなんだ!」というもやっと感はあるけど、95年の話は確かに「いつまでも読んでいたかった」と思うような物語。

プールの底に眠る特設

待ち人にイライラしたり、相手の親が出るかもしれないドキドキ感や、テレホンカードの残数にやきもきしたりすることが、全てマイナスだったとは思えないのだ。
擦れ違いは確かに減った。でも、その分、人との摩擦することも減った。僕らは心を不用意に揺り動かされることはなくなったのだ。

(P95)

SH@PPLE—しゃっぷる—(8) (富士見ファンタジア文庫)

短編集。ちなみに次巻で完結のようで、完結前に短編集か……と思ったら完結前に読んだほうがいいんじゃないかなという1冊でした。文学少女でいうと月花を孕く水妖ポジションだった。

3話やばい。
学園異能しゃっぷるである。何回と死んだ。わたしこういうの好きだよね……と再確認する。
2話の図書館の延滞者殲滅週間のたすきをかけて気勢を上げてるシーン(P81周辺)はあの雰囲気が懐かしい。東方ウィッチクラフトの御学祭の直前1のようだ。
どの話もよかった。笑えるし小さい双子は萌えるしとても面白かった。

  1. 神様はダイスを振らない []
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