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倉庫で古本屋を営む北村古書店の客観察記録(※小説)
愛読積読印読猟読、本に魂を奪われている様々な人が出てきている。
3桁程度の積読を発生させたり定期的に本を買って趣味として月15冊以上読む辺りで結構少なくなる気はするのですが、twitter辺りでは珍しくもなんともない。ということで実在の人物が思い浮かぶ。
ちょーでるたんっぽいとかななきさんが怒り狂うとか。本読み的に自戒しつつ読み進めていくのが楽しい。
玄関から廊下へと壁の両側が天井まで本でいっぱいだ。三つある部屋も本が溢れている。どの本棚も二重に本が並べられている。ダイニングルームも本で埋められ、その隙間にテレビや冷蔵庫が隠れていた。テレビもあるが、ほとんど見ることはない。食卓の上も下も本でいっぱいなのだ。トイレの中も、風呂場の中にも本棚があり、本が並べられていた。これでは人間の住む空間はないといってよい。当然、所帯も持てない。嫁さんひとりでも、居場所はないのだった。
(P19)
長期シリーズはまるで手をつけてないけど一冊完結っぽいので読んだ。
最初の印象は「MF文庫Jっぽいタイトルだなあ」でした。○○は××ない。
ルディーン王国前国王の娘、この世の宝石と謳われたセラティファーラ(ファーラ)は身を守るため、醜い風貌で寒村で暮らしていた。そこに2人の傭兵が現れた。ファーラが宮殿と共に燃え尽き死んだと思われたのが10年前、実は白金の騎士に助けられ生き延び、隣国ランディスケリアの王妃である叔母にひっそりと助けを求めたのが7年前。腕輪が叔母のもとに去年辿り着き、ようやく助けと迎えの手が伸びたのだった。
3人はランディスケリアへと向かう。
ファーラが「突然亡国の姫であると知らされる」とか「ひっそりと暮らしていた」とかそういうんじゃなくて、生きることを第1目的にして、騎士の指導のもと剣の修行をしていたり愚鈍な娘を演じている辺りがグッドなのです。
しかしなんだな融通のきかない四角四面コンビというのはなかなか萌えるな!
しかしわたしはセルツァのほうが好きなんだ。あの「いいひと」すぎるところが。
本宮さんあとがきに「床ローリング」とかあってびびる。スラングと思ってたら意外と一般名詞……?
長い道のりであった! リュリュカがとても殊勲賞だった。とても山盛りだった。豚のようだった。
仮面夫婦がようやく仮面を脱ぐまでの一冊。とても丁寧だなあ。ジル語がすごすぎた。密接したい。
ヒクソス云々と読んでいたらふとプリハーとしての終わりはどこなのだろうかと思っていたら、あとがきいわく終わりはもう見えてる感じらしい。銃姫と違いプリハーは直に繋がっているシリーズがあるため、ENDマークのその向こうの事情については若干うかがい知れるところがあるのだけどルシードの隣に立っているメリルローズははたしてどちらなのか。
リドリスがふつうにいい弟過ぎておかしい。この弟がこんなにいいヤツのはずがない、と疑心暗鬼の私が囁く。個人的にはラスボスはリドリスでもなんら不思議ではないと思っているので……。
後半になってガッと増えた挿絵ですが、ジルの顔が若干ロリ化したような……。
「いま、側にいて話を聞いてくれる人を愛して、何が悪いんですか。貴方には誰よりそれが必要なのに。人は弱い。貴方も僕も、いま生きている人間は誰でもね。だけど、人の心は人の体温でしかあたたまらない。
思い出は美しいが無味無臭です。貴方に触れて触れられ、貴方に声をかけ、貴方に笑いかけてくれる人がいれば、貴方はそれを手に入れて強くならなくてはならない。貴方に縋らざるをえない多くのアジェンセンの民のために??」(P84)
夏なので怪談が読みたい……そんな感じに借りてくる。
怪談と言ってもガチの恐怖話から虫の知らせ的スピリチュアル体験とかちょっと不思議な話とかいろいろ。
淡々とした語り口調でひとつの話はすごく短いけど、「さっきの話のひとの続き」があったりする。
五稜郭の話怖い。ていうか"みえるひと"というのは結構いるもんだな。
わたしは邪気眼的な「わたしって霊感あるの」みたいな人レベルでも会ったことがない。
デビュー作以来久しぶりのオリジナル作品。待ってたよ!
ローデンシュア6番地にある屋敷を15歳の魔女リジィが相続して引っ越してきた。
この屋敷には先住人がいた。魔力に囚われて屋敷から出られない幽霊が6人、大量の魔導具。
幽霊屋敷と呼ばれるヴィットリーニ家での奇妙な同居生活が始まる。
昔NHK教育で18:30からやってた海外のドラマ1っぽい匂いがした。ウルキエルはいつになったら出てくるんだろうと思ってた。後「ええ、この上にまだ学校へ行ったりするのかい!?」って思った2。あのプディング作りすぎたからうちに来ない? のシーンとかが私の中では海外ドラマっぽい感じなのだ……
仄明るい月光に、フレッドの体は白く透けていた。ゆらりと、まるで蜃気楼のように。
リジィの指先の、絆創膏のわずかな面積。彼が触れられる、わずかな部分。その上をさらりと撫でていく彼の指は、あまりに頼りない。瞬きをしている間に消えてしまいそうなほど。
なんとなく離れていくその指をつかみたいと思った。つかんで、まだここに「在る」ということをたしかめたい。(P150)
税金滞納者から問答無用で取立てを行う徴収官、なかでも特に悪質な事案を担当するのが特別国税徴収官(略してトッカン)だ。
舞台は東京国税局京橋地区税務署、言いたいことをうまく言えず「ぐ」と言い淀む鈴宮深樹とその上司である特官鏡雅愛の話である。税務署と聞いて「税務調査官 窓際太郎の事件簿」を思い出した私である。
がっつり呑み込まれた。特に3章4章。面白いんだけどなんか超刺さりました。ハリセンボンみたいになってるので誰かちょっとこれ抜いてください、という感じです。やめて私のHPはもうマイナスよ!
生きていくのって大変だ。
お金はあるに越したことはないけど怖い。
あわせて読みたい、で出てきたのは山本幸久「ある日、アヒルバス」と宮木あや子「野良女」1
colorful - ある日、アヒルバス/山本幸久
colorful - 野良女/宮木あや子
「安定したいんです。じゃないと、いつもぐにゃぐにゃした上にいたら、自分までぐにゃぐにゃしているように思えてくる。本当は、女として正しい道に行けたらよかったのかもしれない。もう二十五歳だし。だけどわたしはいつも詰めが甘いんです。最後の最後で結婚も失って、保険も失って、だったらわたしもうなんにも——」
いいながら、惚けた。目の前が真っ白になる。
「何にも、持ってないんだもの」(P325)
- ただし下ネタを笑い飛ばせる人に限る [↩]