加筆修正された少女文学1号〜3号連載分と書下ろしの最終章とあとがきが追加された個人の同人誌で、去年天金加工(黄金に輝くキラキラ本)で話題だった。現在手に入るのは現在はkindleの電子書籍(kindle unlimited対象)。紙で読みたい人は今年加工なしの通常版が頒布予定だそう。
黄金と骨の王国【通常装丁版】 - 栗原移動遊園売店 - BOOTH

大陸の中央に位置し、国土のほとんどが高原のこの国のことを人々は「黄金と骨の王国」と呼んだ。火山が多いところには竜がたくさん住んでいる。この国もその例外ではなく一時は王族と竜は契約を結び共存していた時期もあったが、ある時から竜は契約以上の生贄を求め、人はそれを退けた。その時竜は王国に呪いをかけた。
竜の一吹きで国民の3分の1が金の像と化し、砂となり崩れ落ち一か所に固まったそれは壁となった。
接触で感染するその呪いは黄金病と呼ばれ、全身が黄金へ変わるその病はなお恐れられている。

竜殺しという触れ込みに己が殺した竜の骨を兜として寝るとき以外は装着しているギョウは闘技場で見た足のきかないごみのような見た目の人間を傭兵として雇った。ギョウが男だと思っていたその足の悪い人間を自宅で風呂へ放り込むと半身を黄金病に侵された女エンだということを知った。

第1王女ハイリが露台から落ちて死んだという。王族の弔いのため、多くの民が「嘆きの民」として埋められる。狩られた各集落の民99人にのぼる。葬列を襲撃して長の娘を奪還せよと依頼を受けたのがギョウだ。そうして葬列が通る輿へとかけあがったエンは第1王女として棺で寝かされていた女の死骸をギョウへ見せた。彼女こそが依頼のあった長の娘だ。

そういうはじまりをする神話が終わって歴史が始まる物語です。結構硬いファンタジーで、奈落に突き落とされた少女のその後の物語。