ののはな通信

昭和59年ごろから2011年まで、野々原茜(のの)と磯崎はな(はな)のふたりの手紙やメールや、授業中に回すノートのきれっぱしに至るまでの書簡体小説。この勢いでよくこの厚さと流れの小説を書いたなあと感嘆するが、あと私的で親密なやり取りをのぞき見しているようで背徳感ある。展開急だな!? とか(書簡体なのに)百合だな! と思っていたら時代が流れて行って、2人の歴史の積み重ねを感じる1冊だった。
わたしも授業中手紙を回したりレターパッド1冊分の手紙を書いて長いやり取りをしたりその時送られてきたものはすべて残しているからののとはなのやりとりはすごくわかる。重たい話もたくさんしたなあと当時を思い出して懐かしんだ。