満ち潮の夜、彼女は (ミステリーYA!)

問題児を集めた「ガリラヤ学園」では夏休みを迎えても家に帰れない生徒が数人いる。
閉鎖的な全寮制女子高にある日やってくる転校生。その日を境に殺人事件が立て続けに起こる。

クローズドサークルで殺人事件、チャイニーズスープで時々百合。
不穏な雰囲気を堪能した。

たぶん「クローズドサークルと聞いて!」とか「学園ホラーと聞いて!」とかを期待して読むとどうなんだろう……と思わないでもないです。綺麗に答えが出る系のミステリーではなくてそこそこファンタジー展開なので。

「空気の匂い。聖なる場所の匂いは、私には特に分かるの。好き、っていうわけじゃないけど。でもここに満ちているのは、背徳の甘い匂いよ」
急に渚が大人びたように、未佳子には見えた。

(P174)