怪力の姫メイリンは自由に生きられる場所を探して自国を出た。そして賢者の国シーハンで男装してティルーと名乗り、首長ターリの従者となるお話。中華風とかそんな感じなのかなあ。わたしの中でユイ1がモンゴルっぽい感じで再生されたのですが。
わたしの中ではこの話はテンペストと同じカテゴリにあります。
重い話にも分厚い本にもなれそうな話なんだけど、軽めの素早い展開です。その辺もっと詳しく! っていうところがあるんですがこれはこれで美味しいです。想像のための余白です。
ターリは美形かつ頭脳明晰だけど足を悪くして車椅子生活のツンデレでした。ただしデレるのが早い。
ていうかメイリンがデレないこともありターリのほうがよっぽどヒロインポジションだと思いました。
ところでわたしの中ではメイリンというとメタルギアソリッドの彼女です。
「怖かった。人に惹かれていくということはとても恐ろしいことです。あなたはわたしの心にどんどん入り込んでくる。わたしは己の心のままに思いを示すことなど学んでこなかった。でも、あの日、初めて馬に乗せられた夜、あなたの涙を見ました。あれ以来、どうにもかなわなくなってしまった。以来あなたに負けっぱなしです。あなたが私の足に手を伸ばすたび、心がうずいて苦しかった。動かない足が惨めでした」
(P164)
「もし今、あなたそばで、世のならいに従って、男に従う女としてだけ生きるのであれば、わたしはこの2年余りの思いとどう折り合いをつけたらいいのか、……きりきりと己を求めなにかわからぬものを希求した十五からの日々は何だったのでしょうか。……教えて下さい。人はいったい、何をなし、何のために生きるものなのでしょうか」
(P180)
- メイリンが生まれ育った国 [↩]