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大崎梢「書店日常の謎ミステリ」の新しい主役は小さな出版社の新人営業井辻くんでした。
配達赤ずきんよりこっちのほうが書店密着な気がする……とかおもった。
カバー折り返し部分の「井辻くんが編集部には行きたくないわけ」は1話であっさり明かされるのでそこはメインではないです。
平台がおまちかね
5年前に出版した翻訳作品が小さな本屋で良く売れている。
品切れになってもおそらく重版がかかることはないぐらいの売り上げしかないその本が何故そんなにプッシュされているのか。井辻が営業に行くと手作りイベント台を作成した店長に冷たくあしらわれたのは何故か
マドンナの憂鬱な朝
複数の出版社営業マンのマドンナ書店員が消沈して棚を作りかえるといったのは何故か
贈呈式で会いましょう
宝力宝賞でデビューする新人にあてて井辻が受け取った老人からの伝言の真意とは
絵本の神さま
東北地方に出張営業する井辻のもとにあらわれた「潰れた書店とその前に立ち尽くす男」の謎とは
ときめきのポップスター
営業マンと書店が共催することになった「ポップスターコンテスト」で平台の上を動きまわる本の謎。誰が何のために動かしているのか
収録作品の一行内容を(平台がおまちかねだけ複数行だけど)
一番好きなのはときめきのポップスター。
文庫を出している出版社営業マン限定、自社本から1冊、他社本から1冊選んでポップを書いて売り上げを競う。競うのは他社文庫本のほうで自社本のほうは参加の駄賃のようなもの。埋もれた本に重点が置かれるので「放っておいても売れる作品」にはペナルティがつく。
みんなが忘れているような本を紹介し、本屋に活気を与え、すぐれた販促効果を出し売り上げに貢献する。その度合いがもっとも高かった営業マンをチャンピオンとし、その栄誉をたたえ翌月一ヶ月間はチャンピオン所属出版社が平台を埋め尽くす。そんなコンテストに井辻君とゆかいな仲間たちは参加することになった。
ポップコンテストに登場するのは実在の本です。ポップの内容も読めます。読みたい本が増えました。ワーオ。
「ひつじくん」と呼ばれいちいち毎回「井辻ですけど」っていってるところにときめいた。
とりあえず「死の蔵書」「幻の特装本」が気になってしょうがないのです。
「おお、いいところに来た。みっちゃん、今度この本の続編が出るんだよ」
「えー、また泣かす気? 女に泣かされ、本に泣かされ、干からびそうだ」
「泣かすよりいい。うんと泣かされなさい」(P50)
懐かしい……!
東京で育った篤史は高知大学進学を機に祖父母の家へ移り住んだ。
町内会でよさこいチームを復活させることになり、それに参加することになる。
土佐弁もよさこいの練習シーンから本番からいろいろ出てくる。
私は本場のものこそ見たことありませんが、大学時代は2年ほどよさこいを踊ってました。
とても懐かしい。
(ちなみに阿波踊り王国にあってよさこいを選んだのは「この機会を逃したら一生縁がないと思うから」です)
読んでて、鳴子の音がなんか聞こえてくるし、歌も聞こえてくるし実際ちょっと踊ったりしておりました。
振りはそれらをふまえ、はじけるような元気のよさをちりばめながらも基本、隊列美を尊重する高度な群舞をめざしていた。腕を差し伸べたときの鳴子の角度、くるりとターンするときのスピード、決めポーズの時の腰の高さまでひとりひとりダメ出しされる。
(P165)
懐かしい懐かしい!と思ったシーン。
毎日3時間とか普通に練習してたなあとか、いざ指導する側に回った時の難しさとか、いかにして目立つかとか(←とても重要)カチャーシー踊ったりとか(エイサーチームもあった)大学時代を回顧してみるのです。
県内どっかでよさこいサークルとかないだろうか(ないよなあ。
配達赤ずきんの人の別シリーズ。
題材は凄い好みなんですがあんまり楽しめなかった。
関東北部。とある村。
小学生の奈津は親の会社が倒産して父方の実家に身を寄せることになった。
父の実家は資産家で、近隣の子どもからはお化け屋敷と言われるほどのでかい家。
父は職探しのため家に寄り付かない。母は手術の付き添いのため週末まで帰らない。
今週は大きな家でただ1人。(味方は、という意味で。同居人はたくさん)
色々あって中学生のさゆり(蔵波屋敷に興味津々)が泊まりに来ることになった。
屋敷探検ツアーである最初80ページぐらいはわくわくしたんですが(隠し階段!屋根裏!屋敷見取り図!)それ以降は全く引っかかるところがなく、ここいい!というシーンもなく終わってしまった。