御厨しいなはイングリッシュガーデナーを目指す普通の女の子だった。
そろそろ就職の時期である。ある日突然植物の声が聞こえるようになった。
mixiで連載されてそれから本になった作品らしい。どおりで作中にmixiが結構出てくるはずだ。
紆余曲折があるわけでもなく挫折らしい挫折があるわけでもなくトントン拍子に話が進んでいく。
「流れに乗ったら行けるところまで行ってみたらこういうところに辿り着いた」という感じだった。
読みやすいのは読みやすい。でも「おっ」と思うところがなかった。
ラストの植物と話せなくなった理由に驚く。
社長の「資金さえあれば実現可能な妄想」と「植物が喋ることが妄想」と言われるのはまるで意味が違う。それは夢見がちな人か精神的に病を抱えている人ほど違う。植物が喋ることが幻想展開なのだからもうちょっとファンタジーな展開にしてほしかったなあと思う。
ところで妄想といえば87ページあたりは意味不明すぎる。mixiでやってるときになにか企画をやっていたのだろうか。「こういうのあったらいいなあっていうあなたの妄想をお待ちしております」みたいな。