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人間と生きて動く人形の恋の話2巻。
2巻といっても同じ世界観の別の恋の話なのでこれ単品でも読めます。前巻とのリンクもあります。
廃墟とか主従とか鳥篭はロマン。
15年間円環都市の館から出ずに従者のヴィリと図書館の本とともに過ごすクリステルのもとに、墓守を自称するルカがやってきた。彼が告げたのは30年前に円環都市は滅びて今は廃園都市と呼ばれていることと、ヴィリは人形であること、ヴィリを作った人形師が死期を迎えたためヴィリの破壊を依頼されたこと。
クリステルは滅びの鍵によって壊れかけているヴィリを直せる人を探して水葬都市へ向かう
倒れる→ベッドで目が覚めるののち、「ボタンが掛け違えている! しかしクリステル様の前でボタンを外したり背を向けたりできない! どうすればいいんだ!」とかやってるところにまずきゅんとしました。
コルテーゼの屋敷でのクリステルとヴィリの扱いにファミリーポートレイトを思い出す。
<隠遁者>というのは、十八世紀から十九世紀にかけて、イギリスの若い貴族のあいだで流行したものなんだそうだ。ママとふたりで面接に赴いたとき、主がそう話していた。
そのころ古典的な理想郷を夢見て、自分の庭をちょっとばかり古風な庭園に造りかえる貴族が増えた。庭園を完成させるためには、昔風の<隠遁者>が必要だった。人生の儚さや富のむなしさを瞑想する苦行者たちこそが、風景を完成させるんだそうだ。
だけど本物の隠遁者なんてなかなかみつからない。だから貴族たちは、食い詰めた労働者や、奇人や、詩人を雇っては自分の庭園をうろうろさせたらしい。ファミリーポートレイト 桜庭一樹 (P214)
この辺。
コルテーゼの屋敷のターンは全体的にときめきの塊。
アーセルは苦労人。(だがそれがいい!
あとがきのネタにもなっていたオートミール、わたしは食べたことないのですが(そしてやっぱり海外児童文学の象徴)脳内検索では大体においてお母さんではなくおばさんが作るもののようです。
だいたい10歳ぐらいの金髪の癖っ毛の女の子が出てきて
「嫌よ! ○○おばさまの作るオートミールは美味しくないわ!」とか言いよるのです。
おまえは どっから はいってきた (゚д゚)
オペラ好きな人は多分好きなんじゃないかなと思う栗原さんの新作。1話完結の恋愛ものです。退廃的です。とてももえる。
舞台はヴェネツィアっぽい感じの退廃的な水葬都市。
この世界の人形は喋るし寝るし夢を見て恋もする。といっても全てではない。
かつて魔法使いが使ったという魔抱石の気まぐれに選ばれた人形だけが魂持ちとなる。
イファもそんな魂持ちの人形のうちの一人だった。
豪奢なドレスはよいですね(*゚∀゚)
イファにどぎまぎするアーセルはよいですね(*゚∀゚)「手、繋いで」に撃ち抜かれた。
P183ページ以降、特にP196付近のフォルトナートとイファのシーンがとても好きだ。
あらすじの「初めての恋に落ちたら性別を与えられる」から松村栄子の紫の砂漠っぽいのかなと思って読み始めて、バラッドが出てきた瞬間脳内で詩人キターと叫ぶ。詩人といってもオペラのソラではなく、サンホラー的にバラッドといえば詩人なのである。iPod出してきて辿りつく詩を聞いた。
「お前の胸の魔抱石は呪われている。その石は何度も人形に使われ、そのたびに当たりに不幸をまき散らしてきた。その石を使った人形は、ひとに恋してその姿になった途端にあらゆる人間を魅了し、血まみれの惨劇を生む」
(P89)
レーヌ・ミシェルですね分かりました!っておもった。ちょうど深紅だし。
ぼくは中性体でも少年人形として作られました(女装とか無理です!)→あなたのことを女性としか扱いませんのでだいじょうぶですすぐ慣れますに超吹いた。
次があるとしたらあとがき曰く同じ世界の別の恋の話?
ていうかあとがき面白かった……ドレスとか犬に吼えられるとか引かれるとか。
「恋は流行り病だが、愛は不治の病だよ、イファ。お前の中にも病魔は潜んでいるようだ」
(P180)