オリーブ—Girls & Boys (MF文庫ダ・ヴィンチ)

オリーブ少女って要するに今で言うところの森ガールなのか。
名前は聞いたことあるけどどんなのかは知らないんだよな。

章ごとに視点が変わる長編で、名古屋が舞台。
ミツコは80年代後半から90年代のオリーブ少女に憧れている中学3年生だ。ある日13歳離れた姉チエコが突然東京のアパートを引き払って名古屋へ戻ってきた。チエコを追いかけて恋人、矢野もやってきた。
矢野はミツコは憧れる"オリーブ王子"そのもので、要するに今で言うところの草食男子である。いや本当に草とか霞とか喰って生きてそうなもんである。お金に困ってなくてなんか優雅な生活で、まるで生活臭がしない。
面白いのは面白いけど普通っぽい。読後感的には「コバルトで昔あった感じの現代ものを再度やってみた」ていう感じ。

晩婚化が進み、二十八歳なんてまだまだ娘さんじゃないのといった風潮があるけれど、あくまでそれは都会での話だ。大いなる田舎、名古屋ではそういうわけにはいかない。名古屋で二十八歳といえば、「もう二十八歳」なのである。

(P173)

一番引っかかったのここだ。名古屋が田舎だというのなら四国とか「断崖絶壁の孤島」だよね。
愛知県って広いカテゴリで言うなら知らないが名古屋は都会だよ。
もし東京と比べてるならそれはどこでも田舎になるだろうし、名古屋じゃなくても28歳はどこでも「もう28歳」だと思う。おひとりさまに優しいのなんか東京のごく一部なんじゃないの。
あと星山書店とかいってないでそこは星野って書けばいいのにとか思った。
ほかは番組名とか注釈が必要なぐらい1名古屋ローカルネタが頻出してるのに。

「あれは読んだのであれば今度はぜひあれも読んでほしいなあ」というあの会話のあたりはなんだかいたたまれない気分になる。

登場人物紹介に「沼ガール」という文字が目に入り何だそれはと思ってぐぐってみたところ「自虐的森ガールもしくは『森に住んでそうっていうかお前は森より沼にいそうだよね』と言われる」≒「沼ガール」らしいです。
森ガールがさらに進化すると魔女ガールになるらしいです。なにそのドルイド。

  1. 実際注釈がある []