鉄道縛りで怪談話の短編集。中には三途の川を渡るのが列車だったり百物語だったり色々。
表題作の「赤い月、廃駅の上に」が好きだ。赤い月が一番雰囲気がすきなのだ。
次点が黒い車掌。
「ダイダイって……ああ、橙色の橙ですか。鬼月というのは、鬼の月?」
「そうです。恐ろしげな名前でしょう。邪気を招くというて、縁起がよくないとされる月です」
「悪いことの前触れですか?」
「よろしくないものがくるので、家の外に出るなとか言われています。古い迷信ですよ。それでも田舎のことですから、気にする人もおります」
(P205)
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