カテゴリー「 単行本 」の記事

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アンダスタンド・メイビー〈上〉

あられもない祈りとかよりは大分明るくて、でも明るいといっても壁井ユカコの「NoCall Nolife」ぐらい。
羽場先輩はかっこいい。いや今のところ浦賀氏が気になってるところです。

主人公は黒江という女の子で、話が始まった当時はまだ中学生。茨城が舞台。
でその黒江ちゃんが付き合ったり別れたりしつつ、新しい友達新しい彼氏新しい世界に飛び込んでいく話です。
すごく軽い話に見えますが、じっとり重い。新しい世界に飛び込んでいくというか飛び込まざるをえない。
でも島本作品の中では割と明るいほうだと思う。

「大人になるのなんてやめよう」(P78)とか「本当に、二人で遠くに」「いいよ」(P250)とか好きなんだ。
だが、 \ 賢治ーあうとー! / あの男は駄目だ。人を駄目にする男だ。

空の名前が出てきてびっくりした。

空の名前

空の名前はちょういい。このシリーズはよい。

映っていた体が、樹木の枝よりも頼りなく、左右に揺れた。窓ガラスの上の方まで細い紐の影が伸びていた。
ああ首吊りだ、と思うと同時に、私はもう死んでたんだ、と気づいた。

(P71〜72)

ぶらん子で青髭!

CLAMPもこなのオキモノキモノ

着物着ようぜっていうエッセイとか対談とか写真とか指南本的な。
着物は「成人式」「冠婚葬祭」「お年を召された方が着ている訪問着」ぐらいの印象しかない。
にざかなのかなさんの「相方不在」が好きなんだけどカラー、というか実写になるとこんなにもすごい。
とても華やか。

密姫村

メインは昭和30年代〜50年代。ちょいグロ。

新婚間もない植物学者の夫と医者の妻の物語からはじまる。日本にはいないはずの不思議な形状の蟻をみつけたと、山上はフィールドワークのため1年間瀧楚上村へ行くことをきめ和子もそれについていくことにした。
瀧楚上村は高齢化の進む集落の上無医村なのである。
山上はすぐにでもフィールドワークに出たかったが、小さな村だからよそ者には不審な目を向けられるとまず案内に連れて行かれる。この村には「集落の人間以外入ってはいけない社がある」と聞かされる。
この村には過疎の村には似つかわしくないところがあった。あまりにも健康すぎるのだ。
和子は聴診器やら血圧計片手に「健康診断をします。もちろん無料です」と老人に声をかけるがまったく相手にされない。病気をする者は確かにいるのだがが次の朝には何事もないかのように畑仕事をしていた。

壷が非常にぐろかった! 
お優とべにと大蜂の3人はよかった。昭和51年最高。

往復書簡

手紙形式でつづられる物語。書簡体でもモリミーの恋文の技術とは違い、ちゃんと往復なのである。一方的に送られる手紙ではない。10年後の卒業文集がいいな!

神様のカルテ 2

惜しい人を亡くすシリーズ。
24時間365日地域医療を支える1病院の医者とその患者の物語。
まあ現実と重ね合わせて色々とおもうところはあるのです。あとコーヒーの効能について。
前巻は病院外での話がなかなか多かったですが今回は病院内がほとんどでしたね。
1分間の停電は小説ならではのとても良いシーンだと思います。

  1. たぶん急性期 []

壱里島奇譚

宮口翔一は退職願を握りしめていた。大学を卒業後商社に入社し営業として働いたものの実績は残せず、むしろ悪化させた。提出前に常務に呼ばれ熊本出張へ赴くことになった。
出張の内容は物産館で売られていた謎の「おもしろたわし」の正体について。

SFかとおもえばリテイクシックスティーンだった みたいな。いや青春物語ではないけど。
ファンタジーとか地域振興とか。話の着地点がよめない物語を読むのは楽しいなあ。

ツナグ

死者と生者を会わせることができる使者(ツナグ)。彼に依頼した人々の物語。連作短編。
アイドルの心得はリアルタイムに読んでうっかり転がされたわけですが、水城サオリはとても飯島愛だなあと思ったのを覚えている。これが発表された当時はまだ最近の人だったのにもう昔の人になってしまった。

親友の心得が「積荷を燃やして」で笑った。でもこれが一番好きだなあ。

家元探偵マスノくん 県立桜花高校★ぼっち部 (TEENS' ENTERTAINMENT)

これ将来は絶対ピュアフルで刊行されるなという感じの1冊。そんなYA作品。
SKET DANCEとか俺妹とか古典部とか連想した。
倉沢チナツ高校1年、入学早々食中毒で欠席→登校したころには既に出来上がっている人間関係。
いつの間にか「ひとりでいるのが好きな人」扱いされて立派なぼっちが出来上がりました。
昼ご飯をひとり中庭で食べていると優等生風の男子が通り、やたらと気遣い上手のマスノ君という彼は「ぼっちなう」のチナツを非公認サークルのひとり部長1が寄り集まった教室の紹介フライヤーを渡しました。

チナツが行った教室にいたのは全部で3人、チナツをここに誘ったマスノ君(探偵部部長/いけばな雪宝流次期家元) 西園寺さん(第二演劇部) 田尻君(戦士部) あとパソコンから参加の通称スカイプさん(架空生命体という設定)
マスノ君は出歩いては噂を集めて気になった事柄に首を突っ込む。千反田っぽい子なんですよ。

いや西園寺さんと田尻君が俺妹の黒猫を割ったようなキャラでな!
西園寺さんはプライドが高い子で素直じゃない感じで、反りが合わなくて演劇部は退部になる。
田尻君は覇王丸豹牙っていう名前の魔剣の化身設定の邪気眼君。脳内彼女もいます。
「ずっとあたしのターン!」とかちょうわらった。おもしろかったー。

  1. つまりぼっち部 []

木暮荘物語

築ウン十年、全六世帯、安普請極まりない安アパートに住む人々の短編集。
3年前に消えた恋人・晃生のことを気にしながらも並木を受け入れた繭の元に晃生が戻ってきた。どろどろ感とはあまり縁のない奇妙な3人での生活「シンプリー・ヘヴン」
繭視点では「美容師」設定のニジコの物語「嘘の味」
「喫茶さえき」の若夫婦の最初けだもの→草食へ→そして怪しい行動「黒い飲み物」
死が間近に迫っているにも関わらず性的に盛んな友人の姿を見てワシも一発……と思い出した「心身」
奇妙な柱の出っ張りとトリマー「柱の実り」
間男なう「穴」
穴の続き・よその赤ん坊を世話することになった「ピース」

好きなのは「柱の実り」と「穴」である。出張先ってどう見てもお勤めである。実刑である。高齢者専門は実在するんだろうか。世の中にはすごい産業もあったもんだ。

お家賃ですけど

個人的なmixi日記を再構成しネット上で連載、さらに加筆を加えて書籍化の流れ。
まだ男だった時から海外で手術して少しあとまでで、時期的には平成14年春から平成19年春まで。
牛込の加寿子荘での日々。この加寿子荘というのがすごい。風呂なし(部屋によってはあり)玄関・ポスト共同。
住所表記は「2階奥」
はじめて能町さんのイラストなし1な本を読みましたがこれはいいなあと。

  1. というかnot漫画 []
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