今日は須賀しのぶさんのトーク&サイン会イベントに行ってきました。
もともと定員30名っていうこじんまりしたイベントだったんですが、年齢層が高い。10代0、20代いた? いなかったんじゃ? 30代が下限みたいなイベントは初めてだった。

夏空白花

主には夏空百花についての内容。

書いたきっかけ:高校野球100回大会に合わせて書いてみないかと依頼があった。自分にとっての歴史・野球の集大成にしようと思った。最初はasta*で連載を1年したけど、本になったのは連載とはまるで別物。3行ぐらいしか被っているところがない。主人公も違う。
2〜3か月ぐらいで書いた。最後は地獄だった。
(最後のほうで言ってたけど、7章の野球のシーンを書いたのが最後で、校了日の朝5時に提出して、仮眠して9時からポプラ社でカンヅメしたらしい。それ以前にもカンヅメしたと)
書く上で苦労した点として、まったく資料がなかった。戦後1年ぐらいで高校野球は復活した。プロ野球は多少資料があるけど、高校野球は全くない。高野連にもないって言われて、終戦〜復活までのだいたい1年間の朝日新聞を全部読んだ(担当さんが国会図書館でコピーしてきた。段ボール箱1箱分になった)
1行ぐらいの記事を膨らませて書いた。読者の手紙は生の声としてとても参考になった。
主要な登場人物はほぼフィクション。
須賀さん自身はタイトルをつけるのが苦手。高校野球を通して書く別の話なので、野球っぽいタイトルではない感じで。資料(段ボール箱いっぱいの朝日新聞)を読んでる最中に見つけた西宮球場の航空写真のキャプション「パッと咲いた白い花」(選手のユニフォームの白、観客の服の白)

須賀さんと高校野球:
「高校生の部活の大会である」「大人が作ったものだけど子どものもの」
個人的には早くドームでやってほしい。観客も審判も暑いだろうから。でも高校生は甲子園を目指すんだろうと思う。さっきも言ったけど「高校生の部活の大会」

史実とフィクションを混ぜることについて
(直木賞だったかな……メモし損ねた)賞の選考委員にも言われたことだけど、「歴史はしっかりしている。キャラクターが弱い」
歴史書いてる人あるあるだけど「この歴史を書きたい」と「この小説を書きたい」はなかなか難しい。昔はライトノベルを書いていて、そちらはストーリーありきでキャラクターに役割をふって多少不自然でも強引に押し切った。でも歴史でそれをやるとキャラが弱くなる。

ここ数年は女性主人公を禁じていた。(女性主人公はどうしても自分が出てしまう)
歴史は男性主人公が書きやすい。女性はいつの時代も普遍のもの。
今後は女性主人公が続く。直近では幕末の会津、それから第二次世界大戦の女性スパイの話。

質問コーナーでは始まる前に「この人はたぶんコバルト育ち」「あの人は違う」って思っていたことの正解があった。(質問内容がまさにそんな感じ)(あと「女性主人公は似た感じになる」で深く頷く人たちが面白かった)

サイン会自由だったなていう感じ。
サインしてもらう本は比較的自由(一応この本屋で買った本でっていう指定はあったけど特にチェックはなかったし、皆持ってる本はばらばらだった)
わたしの前にいたお兄さんは持参の色紙にもサインをもらっていて、スマホで写真撮影や握手にも応じられていた。決行喋る時間もあったので、「流血女神伝とか天バカの頃からの読者です」とはいえました。久しぶりの接近イベントだったよ……。