すごい会議エンタメだった。対応が遅いと言われようが会議に次ぐ会議があってコピー機が踊って手続きを踏まないと何もできない日本がゴジラと戦うという。たぶんあれ東日本、というか東京在住・勤務の人なら自分が生活圏がどんどん破壊されていくのをみて、思い描くものというのはたぶん違うものだと思うんだけど、それでも「テレビの臨時ニュース風」のものがあったりするので、これすごい見たことある……って思った。

最初上陸したところは目つきとかが「わたしが知ってるゴジラとはちょっと違う」って思ったけど、あの音楽と2足歩行になった時と、あの雄たけびを聞いた瞬間にゴジラだ?????って思った。すごい特撮だった。怪獣は街をめためたに壊すものだけど、あの火を噴くシーン、自衛隊の数々の武器が余すところなく使用されるシーン震えた。
早口で喋るよって言ってたのに普通に聞き取れたし「霞が関のほうと」とか「市ヶ谷」ととか、そういうのがぱっとわかるってオタの積み重ねの知識ってすげえなあとしみじみしてしまった。

環境省の補佐の人が基本無表情だったのにゴジラの放射能の半減期が短いことにほっとして笑ったところが印象的。
防衛大臣の横に座っていた自衛隊の偉い人が時々顔を動かさず「ちらっ ちらっ」と伺うように総理大臣を見ていたところとか、すげー「神は細部に宿る」映画だった。長谷川博己と石原さとみの関係性も同じくとてもやばい。

「災害時には服の用意にとか詰めてないで着の身着のまま逃げること」っていうのを改めて思った1し、最初のゴジラ襲来後、あれだけ壊れた町がある一方であっという間に電車が動いて株式市場も動いている日本のたくましさを感じた。

あれだけ人がいて、まあ意思決定の遅さ、手続きに次ぐ手続きとかあるんだけど、それぞれの立場で最善を尽くしているのがよかった。
有能な人というのは基本的に温厚だとか落ち着いていて、決して声を荒げないし切れたりしていなかった。そうなりたいものだ。
「わたしが決断を下すのか、こんな前例がないことを」といっていた総理が「ここで見届ける義務がある」と言い、
次代は「避難とは住民に生活を根こそぎ捨てさせることだ。簡単に言わないでほしいなあ」と言った。

あれはテレビ待ちでもDVD待ちでもなく、往復で3時間程度かかるとしても映画館で見るべき映画だった。だいたい口を開けてみていた。

  1. スーツケースに詰め込んでいるうちに住居である団地的なところにゴジラがのしかかってきて倒壊した []