映画見終わったあと、マジ困惑だった。
あんなにも頭をかち割られる映画は久しぶりだった。それこそうたプリと出会った時並の。すごく面白かったけど、あまりにも「集団幻覚を見せる」タイプの映画だった。ゲ謎は「映画を見た結果、オタクが子育てifという集団幻覚を大量生産する」だったけどカラオケは公式が集団幻覚だった。一昔前だったら「公式が病気」タグがつく映画だ。あまりにも手心がない。
本作はヤクザと変声期に至る中学生男子のハートフルなコメディだ。
ヤクザこと狂児が自社(組)のカラオケ大会に向けてビリ回避を目指して、合唱コンクールで見かけたさとみくんにカラオケ行こと誘うところから始まる(ビリは絵心がない組長による拷問のごとき入れ墨彫りがある)
ちなみにこの「ハートフル」は「感情がローリングしてクソデカ感情に成長する」とルビが振られるタイプだ。最近TVerを見ているとFODのBLドラマのCMを見ることが増えたが、これはあくまでヤクザと男子中学生のハートフルコメディである。タイバニみたいなもんである。
いやわたしこの映画の予告編なんかの映画の時に見たけどこんな映画やと思わんやん!!!!!!!!!!!!!!!
ちなみにこの映画はわたしが住んでいるところでは片道2時間ぐらいかかる映画館のみで上映されている。
なので「鳩よ、この映画を見に行かないか」と言われても「遠いしなあ」と渋った。
そのしばらく後で、家族と死別してまもないわたしはすごくすごく寂しい日があった。
別の友達の口車に乗って遺族業務の予定を投げ捨てて映画を見ることを決めた。
そして最初に薦めてきた友達に「カラオケに行こ見てくるよ」と伝えた。
返答「はやく死んで!!!」←早く一緒のところに落ちてきての意。友達とは男の趣味が似ている。本当に似ている。
対する鳩「そんなこと言ってたらまた凍結されるよ!」
友達はその後物分かりがいいオタクムーブをしていたけど、その様があまりにも見たことがあった。
「鳩知ってる。それ○○にくるってた時と同じ」
「ムビチケいる?」
「出たよムビチケ配るお化け」
「どうやって座席指定するんだいもう買ったのかい」
「映画館ついてからだよ」
「メアド探そうねえ」
そしてわたしは友達のムビチケで映画代が無料になったわけです。
齋藤潤が演じる聡実くんは大変すばらしい。どこをとっても最高だ。綾野剛、お前だ。お前が全部悪い。あんな性癖が服を着て歩いてるみたいなヤクザを演じてるお前が全部悪い。
わたしは綾野剛が出てるドラマは3つ見ていて、それがオールドルーキー、コウノドリ、MIU404。
察しの良い人はもうお分かりだろうが、わたしはMIU404の伊吹がとてもとても好きで、特に君の笑顔とリフレインを死ぬほど見ている。MIIU404がビデオテープだったら擦り切れているし都度課金だったら破産するレベルだ。狂児はバフかかりすぎて特攻にもほどがある。レベル2デスだ。
狂児のあの造形ほんまなんなん。人たらしの陽のヒモヤクザで、なかなか近寄ることがなかったさとみくんが自分のために選曲したメモを渡され、これはこうで、と説明を受けているときの綾野剛まじ綾野剛で。
なんかな、もうあかんねん。
あと組員がいっぱいきててさとみくんが講評下してるとこのシーンの狂児の手の位置まじでギルティでないなんなんあれ。さとみくんがじわじわ慣れてきてるのも笑ったけどあれな。
感情がローリング&ローリングのあれさあ。
ちょっと裏返った紅さあ。直近の紅白でHideの生前の映像で涙していたわたしですので。
ていうかあの綾野剛のヘドバンまじでガチofガチすぎて。
紅だーーーーーーーー
簡潔に感想を述べるなら「エモい」の3文字なんだけど、そこに至るまでに死ぬほど述べる必要がある。ちなみにここまで1800文字あるんですが、ビール1.5本が消費されています
さとみくんがあの小指おいていったヤク中に絡まれていた時、狂児が当たり前みたいにカーンやってたんとか、心配やからLINEしてとかいうてるんと。
さとみくんがあの「ザ・物置」みたいな部屋で再生しかできん一方通行の白黒映画見てるのエモかったな……。15歳やで。卒業式の日にカーテンあけて光が差し込むのもよかった。
あの裏返った紅と走馬灯と「生きてる」がうおおお。
「組長に彫られるとして好きなものを」といってからのあのラストシーンわああああ。
さとみくんと同じパートのあの後輩くんちゃんとツーショとれてたらいいなあ。
ちなみに男の趣味が似ている友達には「13時に映画が終わってわたしは浮いてきます」というのは伝えていて、頭をかち割られてTwitterに浮いてきたわたしを見て「だから見に行け言うたやん」と。
バスの中であのシーンがという私に対して投げられたインスタのURL
映画「カラオケ行こ!」 Kyoji Narita by Go Ayano @karaoke_movie | Instagram
「聡い果実ーーーーーーーーーーーーーーーー」
「逃げてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「お巡りさんあいつです!!!!!!!!!!」
「お巡りさん俺もです!!!!!!!!!!!」
大盛り上がりだった。全部綾野剛が悪い。
ちなみにわたしはバスを降りて本屋に直行して紀伊国屋で「カラオケに行こ」で検索して店頭在庫があったビジュアルブックとシナリオブックを持ってレジに直行しました。
その途中で友達がすでに同人誌を書いている気配を察したので交渉に入った
「○○ちゃんその本うってください」
「これはだめえろいほんだから」
「そこをなんとか」
「鳩えろいの苦手でしょ!」
「ヤダヤダ」
「駄目だって!!! 本当にえろいほんだから!!!!」
「エーン」
「Twitterなら教えるから!」
という「エロ本がどうしても欲しい高校生とそれを諫めるサークル主」という事案が発生していた。
ちなみにわたしのことを知らないでこのエントリにたどり着いた人のために書いておくけど、わたしはさとみくんぐらいの年の子どもがいてもまあ不思議ではない年齢ですのでよろしくお願いします。
そして今日原作カラオケに行こを半分ぐらい読んで頭を抱えた。
綾野剛……! 恐ろしい子!
綾野剛がほんまにあかんかったな。もっと近所で上映してたら毎週見に行ったのに。たぶんもうこっちでは上映がないんですよ。2月上旬までなので。ワンチャンもう1回ぐらいいける?
とりあえずこの辺で終わります。