グリーティングカード、ポプリ、封筒
- 2013/06/04 19:43
- Posted by minami_hato
- Category:お題 on twitter
- Tag:薫, 翔
翔ちゃんは今年も帰ってこない。仕事が忙しいからしょうがないし喜ばしいこととはいっても、昔は毎年パーティをしてプレゼント交換をしていたからあの頃が懐かしい。当日にメールも電話もするけどカードも贈る。ピンクの封筒に入れてポプリも入れた。山積みのレポートがなければ僕も札幌に行ったのに。
だいたいうたプリ2次創作コンテンツ
翔ちゃんは今年も帰ってこない。仕事が忙しいからしょうがないし喜ばしいこととはいっても、昔は毎年パーティをしてプレゼント交換をしていたからあの頃が懐かしい。当日にメールも電話もするけどカードも贈る。ピンクの封筒に入れてポプリも入れた。山積みのレポートがなければ僕も札幌に行ったのに。
デビューして数年たって一番変わったことは那月の料理だ。普通に食べられるっていうか美味い物を作るようになった。今日も腹いっぱい食べたから洗い物ぐらいするぞといっても台所の支配者状態の那月には通用しない。レンとの料理番組はそんなに良い刺激になったのかと思いつつ若干面白くない気もする。
どういうのが好きかうんと悩んだ。喜んでくれるかなって笑顔を想像した。届きますようにってうんと祈りを込めてそれぞれに「四ノ宮那月様」「来栖翔様」と書いてサインペンでハートを散らせて手紙と一緒に担当色のリボンで結びつける。これで旅立つ準備は出来た。札幌ドーム遠征はいよいよ来週だ。
「ねえランラン何がいいと思う? ベタにげんかついで嶺ちゃん特製豚かつと唐揚げがいいかな。紅白のお寿司はお正月になっちゃうかな。でもおめでたいからいいよね」
「うるせえ。あいつらの好きにさせとけ」
「ランランのケチ! 明日はうたプリアワード決まるんだよ! 僕らの後輩が出てんだよ!?」
初めて1人で映画館にきた。藤川が一緒に行きたそうだったけど「隣で大泣きされたら集中できない」って言ったらすごくショックを受けてたけど今回は譲れない。スクリーンの正面最後列に座ってブランケットとチケットを握り締めて落ち着かない気分を押さえる。今日はおにいちゃま主演映画の公開初日だ。
裏口のほうで待ってるからと連絡を受けてトキヤは珍しく傘を差さないで服が濡れるのも気にしないで走った。目の前には派手な赤い車が止まっている。トキヤは確認もしないでその車に滑り込んだ。
「滴ってるねーイッチー」
「茶化さないでください。それで四ノ宮さんは見つかったんですか」「まあね」
「那月も見送りに行けばよかったのに」
滑走路が一望できる公園のフェンスにもたれかかっている那月を見て音也は呟いた。
「翔ちゃんは夢に向かって走っていったから僕も頑張ります。胸を張っておかえりって言える僕になりたいんです」
決意がみられる言葉とは裏腹に表情は不安交じりで不安定だった。
「おい那月ぃ、やっぱりさっきの銀行の所の信号左折だってよ」
「はぁい」
「地図読めねえんだからちゃんとナビも買えよなー」
「そしたら翔ちゃんがナビしてくれなくなるじゃないですか」
「いつまでも俺を頼んなよ。あ、次の踏切渡って左」
「翔ちゃん何で海外なんか行くの。僕はここにいて欲しいです」
答え聞かせてくれるまでは降ろさないしおうちにも帰しませんってことだよーーー
(タイトル+音也がトキヤに向かってひまわりを差し出した所で続きを考えてくださいってTLに流れてきたのを受けて)
(ベタにtwitterからコピペした)
「ひまわりが好きってあなた夏生まれなんですか?」
「俺? 俺4月生まれだよ。おにいさんは?」
「私は8月生まれです」
「じゃこれはおにいさんのための花だね。もうちょっと先だけど誕生日おめでとう」
「ちょっと増やしすぎですよ。気持ちは嬉しいですがいただけません。せめてお金は払わせてください」
「お金もらっちゃったら誕生日プレゼントになんないだけどなあ、そうだおにいさんこれから暇? 飲みに行かない?」
「時間はありますが……私飲めないので」
「別にかしこまったとこじゃないよ。俺の行きつけの洋食屋そこの商店街にあるんだ。俺あと30分であがりだからその辺で待ってて!」
そうして音也が案内してきたのは商店街の大通りから1本奥に入ったちいさな洋食屋だった。店の外には本日のディナーと書かれた黒板型メニューが出ている。「キッチンパセリ」と書かれた看板を横目に2人は店内へ入った。
「ここオムライスが美味しいよ」
「あなたも変わった人ですね」「え?」
「店先で時々世間話をする程度の人間と夕食をともにしたい人なんてはじめてみました」
「この商店街割とそういう人多いしね」
オーダーをすませてどこに住んでるだの仕事の話や雑談をしていると店の奥からコック服を着た白髪にオッドアイの男が出てきた。手にはギターケースを持っている。
音也のところまでやってくると「おう、修理終わってんぞ」と短く伝えるとケースを置いてまた厨房へ戻っていった。
「ギター弾かれるんですか?」
「ちょっとね。この商店街実はアマチュアオケがあるんだよ。そこの人とたまに演奏してたりするね。さっきの人は蘭丸先輩っていってベース弾いてるんだ」
おにいさんは、と尋ねるとトキヤは少し考えた後話し始めた。
「昔は色んな楽器を習ってましたが最近は歌うぐらいですね。……ああ、もうこんな時間ですか。明日があるのでそろそろ失礼させていただいても」
時計はもう21時近くを指している。誕生日だってことだったしここの支払いは俺がという音也を制してそれぞれに支払って外へ出た。
「俺音也っていうんだけどおにいさん名前は」
「そういえば自己紹介はまだでしたね。一ノ瀬トキヤと申します」「今度は一緒に音楽でも。他の皆にも紹介するよ」
ストリート出身のちの人気デュオとなるW1の出会いはこんな風にはじまった。
「翔ちゃん、この雑誌見て。マスターコースの時の写真が出てきました~」
「あー、あのアリスやってた時のな。遊園地だったよなあ。藍が子供に絡まれて大変だったよなあ」
「楽しかったですねえ」
「だな」
皺の寄った手で翔は那月に手を伸ばした。
「俺ら、年取ったよなあ。藍は変わらないっていうのにさ」
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